むしむしブログ

こんにちは!「ならまち糞虫館」の中村です。
むしむしブログは、極めてフツーの糞虫愛好家である私が体験する糞虫に関わる様々な出来事を適当につづっているブログです。ウソ・偽りはありませんが、間違いがあるのでご注意くださいね。
それでは、よろしくお願いいたします。

昨日の続きです。
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 コイツ(写真1枚目)が国内で採集したものであれば、後フ節の長さや小楯板の有無、前胸背板後縁の溝などから、まぎれもなくダイコクコガネ属(Copris属)ということになりますが、カンボジアで採集したものは、世界には近縁のよく似たグループがいくつもあるので、少し注意が必要です。
 で、私の標本箱をざっと眺めて、直感的にビビッときたのが、まずはCatharsius属のCatharsius birmanensis(オス:写真2、3枚目)(メス:写真4,5枚目)。これはタイで採集されています。
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次にビッときたのが、下の写真、ブラジルで採集されたDechotomius属のDechotomius nisus(オス:写真6枚目)(メス写真7,8枚目)です。 ビビッときた理由は単純で、この2つの属以外で似たような大きさ・形をした糞虫標本が手元になかっただけですけどね。
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 Catharsius属かDechotomius属か、分類学者には検索可能なのでしょうが、私にはできません。が、Dechotomius属ではないと思いますよー。 
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 なぜ、Dechotomius属ではないのか?
 上の写真8枚目は2008年に南アフリカ共和国で出版された「THE AFRICAN DUNG BEETLE GENERA」(出版社:PROTEA)(p43)の図なのですが、ここにDechotomius属の分布は新北区・新熱帯区とあるので、カンボジア(東洋区)で採集されたこいつはDechotomius属ではない、と考えたのです。
 では、Catharsius属なのか?と言われると、「その可能性が高いと私は思います」としか答えられません。すいませんねー、我々シロウトにはよくわからない世界です。

 でもですね、そもそも上の写真のCatharsius birmanensis (ラベルはbirmanicsになっています)がホントにその種のオスとメスのペアなのか、というところには確信が持ててません。悪しからずご了承ください。


今日はここまで。
再見!

 そろそろカンボジアの糞虫も終わりに近づいてきました。前回に続き今回もダイコクコガネ属(Copris属)のメスと思われる個体です。全長は約25mmありますので、日本でいうとダイコクコガネ(Copris ochus)くらいの大きさです。今までだと、これ以上のことはわかりませんでしたが、今はやままゆ書房から偶然手に入れたあのお宝本があります。あのお宝本のタイトルは「旧北区と東洋区の糞虫」で第1巻にダイコクコガネの仲間が掲載されています。カンボジアは東洋区なので、この本のどこかに載っている可能性は大なのです。
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 この本にはCopris属は75種記載されていて、ドイツ語は読めませんが数字はわかるので全長25mmが含まれる種類を抜き出すと、なんと5種類しかいないではないですか!さらに生息地「カンボジア」で絞れば、正解に限りなく近づけます。学生時代、英語の問題の中身がわからなくでもテストの答えを探し出すテクニックを磨いたのが今頃役立つなんて、不思議なもんです。
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 でも、相対的に小型のCopris属の近縁には、中型のCatharsius属やオウサマダイコクと呼ばれる大型のHeliocopris属もあって、コイツは中型のCatharsius属のような気がしてきました。お宝本にはCatharsius属は17種記載されており、そのうち7種類が25mmに該当します。そういう目で見ると、体型とか上翅とか触角とか、ちょっとダイコクコガネ属(Copris属)とは違うかなーという感じがします。私の標本箱にCatharsius属のラベルの付いた個体が何頭かいるのですが、雰囲気は確かにそっちに似ています。

 んー、Copris属ではないですね、これは。ほんとはここでCatharsius属の標本の写真も載せて、比べたりしたいのですが・・・。

今日はここまで。すいません。
続きは、明天見!(またあした!)
 

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 ほんと、偶然に偶然が重なっためぐり合わせでした。スマホをいじっていると、なぜか「やままゆ書房」の本の紹介画面が出てきて、そこにたまたまこの本の糞虫の細密画が出ていたので、グーグル検索でHPを調べて即購入したのです。「昆虫文献 六本脚」は何度か利用したことがあったのですが、「やままゆ書房」は聞いたこともありませんでした。でも、こんな本と巡り合うことはなかなかありませんから、即断即決です。HPによると、「昆虫文献 六本脚」に2001年の創業以来携わっていた方が独立し、昆虫に関する古書を中心に販売している通販専門店のようです。
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 第1巻は、タマオシコガネ(Scarabaeus属)やマメダルマコガネ(Panelus属)、ダイコクコガネ(Copris属)の仲間が紹介されており、その生態についても挿絵を使って詳細な記述がなされているようです。第2巻はエンマコガネ(Onthophagus属)の仲間が中心です。どちらも写真は巻末に少しあるだけで英字がほとんど。ただ、挿絵が細密画のように特徴をとらえて描かれているので、想像力を働かせながら眺めるだけでも結構楽しめます。
 まだ、今日開いたばかりで全然読めてないんですけど、僅かに収録されている写真の中にカドマルエンマコガネ(Onthophagus lenzii)やチャバネエンマコガネ(Onthophagus gibbulus)が写ってましたし、ページ数が450ページも割かれている第2巻のエンマコガネの仲間のところは特に楽しみです。

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 あっ、左から2番目、これはヤマトエンマコガネ(Onthophagus japonicus)ではないですか!下から10行目、生息地-Japan になってます。この本は1963年にチェコスロバキアで出版されたようですが、遠い異国の地にまでその名を轟かせていたんですねー、すごいですねー。どんなことが書かれているのでしょうかね? 
 ん? ・・・英語ではないですね、これは。 die、der、und、ist、・・・ドイツ語のようですね、これは。まぁ、私にしてみればどっちでも同じです、読めないので。
 奈良女子大にドイツ語を第2外国語で選択していて、かつ糞虫が好きな人、いませんかね?一緒にこの本の輪読会しませんか?そうでもしないとやままゆ書房に振り込んだ約35,000円が無駄になってしまいそうです。

今日はここまで。
再見!

 

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