今年5月20日の当ブログでアンダーソンさんをご紹介しましたが、今日は同じタンザニアからヘリオコプリス・フェルシー(Heliocopris felshei)さんです。アンダーソンよりひとまわり小さい種類ですが、それでもオウサマダイコクの一種だけあって、全長50mm近くにもなる体格は堂々たるものです。
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 アンダーソンは、タンザニア、ケニヤ、アンゴラ、ボツワナ、モザンビーク等アフリカの南半分に広く分布しており、よく見かける普通種なんですが、このフェルシーはタンザニア、ルワンダ、ウガンダ等アフリカ中部に生息し「なかなかお目にかかれない」糞虫のようです。まあ、アフリカの生息地調査がどの程度進んでいるかにもよりますし、紛争で糞虫採集している場合ではないような地域もたくさんあると思いますので、「普通種」とか「珍種」とかいうのは話半分に聞いててください。(そもそも私の翻訳能力が怪しい・・・)
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 しかし人間は不思議なもので「これは珍しい」とか「めったに手に入らない珍品」などと海千山千の標本商に耳元でささやかれると平常心でいられなくなり、いつの間にか言い値でカード払いをする羽目に・・・。数か月後に大量に輸入されあちこちの店で安く売られていたりすると、かつてバブルでマンションの高値掴みをしたサラリーマンのようにやり場のない怒りに襲われます。もちろんその逆もあって、有名な採集地が乱開発されてしまい、その後入荷がぱったり止んで入手できなくなることも。でも、それはそれで悲しいです。
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メス(右側)の写真も載せときます。大きな個体ですのでフェルシーの前胸の特徴がよく出ています。が、やっぱり地味ですね~。色もやっぱり黒いだけやし。