3日連続ですが、今回も中国で1995年に採集した糞虫のお話です。
IMG_2536-1

 一昨日ご紹介したチャバネエンマコガネ同様、こいつも中国新疆ウイグル自治区烏魯木斉(ウルムチ)の観光地である天池で、1995年8月18日に1匹だけ採集できた個体です。見つけた時、瞬間的にこれはナガスネエンマコガネ(Onthophagus ohbayashii)の♀や!と直感で同定しました。展足した時も、標本箱に入れた後も、このブログを書き終わる時まで、疑ってませんでした。が、公開する間際になって、ナガスネエンマコガネにしてはやや大きいかな?と気になり始めました。ナガスネは通常5.0~8.5mmですが、中国産のこの個体は8.5mmほどあるのです(糞虫を乗せている台紙のサイズは7.5mm弱×15mm弱)。下の写真では、右側の小さいほうがナガスネエンマコガネ(奈良公園1978.11.4)の♀です。
IMG_2551-1

 並べてみても、大きさ以外は前胸のボリューム感なども同様に感じられること、保育社の図鑑には生息地は日本、中国となっていること等から、まだこの時点では「ナガスネだろう」と思ってました。しかし、ルーペで頭部のシワを注意深く観察すると「ん!?」となり、日本のナガスネエンマコガネと頭を並べて比較して、最後は「ナガスネエンマコガネではない」との判定を下しました。
これがナガスネエンマコガネ ↓
IMG_2552-1

これは中国産のエンマコガネの仲間 ↓ 。頭部の隆起した部分の形状が異なっていることがわかりますか?
IMG_2553-1

 日本のエンマコガネの仲間の♀には特徴のない種類も多いのですが、前胸背板や頭部のシワ(隆起)等をルーペで注意深く見れば、たいてい区別することができます。しかし、中国の天池でとらえたこの黒いだけの何の特徴もない糞虫に該当するものを、日本産コガネムシ上科図説(昆虫文献六本脚)に記載されている中から見つけだすことは私にはできませんでした。
 誰かわかる人がいらっしゃったら、ご連絡をお待ちしております。

今日はここまで。
再見!