ご自分の県のレッドデータブックにどんな種が記載されているかご存知でしょうか?昆虫に限って言うと、奈良県では約5000種のうち263種が絶滅危惧種や稀少種等に指定されています。で、そのうちの4割強にあたる113種が甲虫です。
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 糞虫は、ヤマトエンマコガネやクチキマグソコガネ等7種類がリストアップされていますが、絶滅が心配される種だけあって私は生きた彼らにお目にかかったことはありません。辛うじてムネアカセンチコガネ(Bolbocerosoma nigroplagiatum)だけは、家の前で死骸を拾ったことがあるくらい。あと、奈良公園に普通に見られるオオセンチコガネ(ルリセンチコガネ)も記載されていますが、これは奈良には「郷土種」(広く親しまれ郷土を代表する種)という選定基準があり、それに該当するからです。
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 奈良県では約60種類の糞虫が確認されており、例えばヒメコマグソコガネなんかどうなの?って言い出すと、他の分野の専門家からもいろいろ意見が出て、まとまらなくなるのでしょうね。多分、正解なんかなくて、こういったデータとそれをまとめるプロセスが重要なんだと思います。そして生物多様性や環境保護に役立てていく事を考えなければならないと。そういう意味では、知名度のない米粒のような○○マグソコガネや黒豆のような□□エンマコガネより、「奈良にだけ生息する瑠璃色に輝くルリセンチコガネが絶滅の危機!」と叫んだほうが100倍の人の共感を得られ、乱開発を阻止する力になると思います。それを見込んでリストにオオセンチコガネやヤマトタマムシを滑り込ませたのだとしたら、奈良の役人もまんざらすてたもんじゃない。
皆さんはどう思いますか?
(マグソコガネやエンマコガネ等目立たないムシはどーでもいい、と言っているではないことはご理解下さい。)


今日はここまで。
再見!