この本を私はもっと早く読むべきでした。
 奈良公園から離れていた30年の間に多くの糞虫好きの人による新たな大発見が数多くなされたこと、同時に糞虫を取り巻く環境が厳しいものになっていること、多くの糞虫が絶滅への道を歩んでいることが、ストレートに伝わって来る良書。この本の帯には「長年の調査研究の成果と、とっておきのエピソードで語る、フン虫の博物誌。」とあるが、糞虫を求めてさすらったことのある人なら、塚本氏と自分の姿が重なって見えるのではないだろうか。
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(↑「日本列島フン虫記」著:塚本珪一、青土社、2003年)
 この本で紹介されている調査は、2000年前後に実施されているが、当時塚本氏は既に70歳に近く、出版時は73歳で現役の大学教授。まだまだ自分にもやれる!やらねばならぬ!という気持ちにさせてくれる、そんなおオススメの本です。

 私は、夏休みの宿題の読書感想文の提出にいつも苦しんでいた人なので、こんな紹介文になってしまいましたが、読んでる途中に糞虫を探しに行きたくなる、そして生物多様性を維持するために何かしないと居ても立ってもおれなくなること請け合いです。


今日はここまで。
再見!