むしむしブログ

2016年05月

 人と話す時、「糞虫」とはいわず「フンコロガシ」と言った方が相手にわかりやすく、また好意的に受け取られるようです。これは日本人に大変親しみのあるファーブル昆虫記の影響だと思います。
 しかし、親しみのある「フンコロガシ」は正式な名前ではないので、敬意を払ってきちんと「タマオシコガネ」と呼んであげたら彼らも嬉しいかも。糞を転がすのと玉を押すのとでは大違いです。「玉押し黄金虫」こそ聖なる彼らに相応しいと思うのですが、どうでしょう?
 それでは皆様お待ちかね、「フンコロガシ」改め「タマオシコガネ」さんの登場です! from タンザニア
IMG_20160519_001602

 日本人に最も知られている糞虫と言っても過言ではないタマオシコガネですが、残念ながら日本には生息していません。アフリカやヨーロッパ、東は朝鮮半島までいるんですがね。
 下の写真はエチオピアのタマオシコガネ。
IMG_20160519_002305

 いかがでしたか?タマオシコガネ。基本的には黒い種類がほとんどなんですが、中には金属光沢のある綺麗な種類もいます。そのうち紹介したいと思いますので、お楽しみに。再見!

ダラダラとスズムシのふ化が続いています。これが冬の間容器を暖かい部屋の中に置いたためなのか、ふ化の時期をずらして全滅リスクを避けるためなのか、ろくに観察もしていない私にはわかりません。もしかしたら、単に昨年ダラダラと卵を産んだだけなのかもしれません。餌をやるたびに小バエより小さなスズムシの白いヒゲが揺れているのを見ることができます。
IMG_20160517_052831

 我が家ではかれこれ40年以上断続的にスズムシを飼っています。断続的にというのは、冬場の管理を怠り卵を全滅させる事があるからです。管理といっても、月に1回土が乾いていないか確認する程度なんですがね。
IMG_20160517_053711

 絶滅させるたびに友達や近所の人から幼虫を譲り受けて飼育を再開し、それを殖やして今度は私が人にあげています。スズムシ側から見ると、子孫を残すために飼育者数を増やしてリスク分散を計っているようにも見えます。
 スズムシの考えていることはわかりませんが、私の考えていることは暑い夏の夜にスズムシの音色を聞きながらスイカを食う事くらいでしょうか。
 スズムシは見習うべき生き物と言えそうです。

 新種を発見する事は日本のように研究・開発が進んだ国ではなかなかありません。しかし、自分が今まで見たことの無い甲虫を捕まえた時の喜びは、新種発見の淡い期待感と相まって、いまだに相当のものがあります。
 GWの最終日2016/5/8に捕まえたクロマダラ.タマムシも私の初捕獲で、図鑑で調べて名前がわかったタマムシです。ミドリマダラ.タマムシかと思ったのですが、背中に四つ星が確認できないので持ち帰って調べたのです。
IMG_20160513_223632

 タマムシの標本作りは神経を使います。コメツキムシもそうなんですが、ふ節(手足の先端部分)が引っ掛かり易く、異常に折れやすいんです。奈良市昆虫糞虫館にご来場の際にふ節のそろったタマムシが標本箱に並んでいたら、館長に「ご苦労さん!」とねぎらいの言葉をかけてあげてください。

 ヘラクレスオオカブト等国内外のカブトムシの幼虫を何種類か育てているのですが、数が多くなるにつれて看過できない問題が顕在化してきました。
IMG_20160512_124730

 カブトやクワガタを飼ったことのある人なら「あー、あれね。しゃーないやん。」くらいのことなんですが、最近の若い方や女性には受け入れ難いようです。
 それは小バエなんですが、全長1mmも無い、しかもあまり速くは飛べない、お年寄りの目の中に住んでいるような(飛蚊症)、おとなしい非力な小バエ。もちろん昆虫。
IMG_20160512_124549

 でも、こんなにいたらやっぱりイヤですよね。何とかせねば・・・。

 ヘリオコプリス・アンダーソンさんです。アフリカのエチオピアから来ていただきました。
IMG_20160511_121511

 これは相当大型の個体と思われ、頭、肩、背中の計5本の角が大変立派です。糞虫の悩ましい点のひとつとして、魅力的な角の形が複雑で写真ではよくわからないというのがあります。アンダーソンはカブトムシくらいの大きさがあるのでまだいいですが、多くの糞虫は小指の先ほどもないので、そもそもじっくり見てもらえません。残念です。
IMG_20160511_121805

 むしむしブログでは、驚くべき進化を遂げた、しかしヒーローになれない愛すべき糞虫達を時々紹介したいと思います。

このページのトップヘ