むしむしブログ

2016年12月

 2016年の最後を飾るビッグニュースをお届けいたします。
 「奈良公園でマグソコガネ(Aphodius rectus)を初めて採集いたしました。」

 学生の頃(35年前)、春夏秋冬問わず奈良公園に何百回も通って糞虫の観察を続けた私も、私以上に糞虫に熱中し奈良公園に寝泊まりしていたキヨ氏も、当時は奈良公園では1匹のマグソコガネも見ることはありませんでした。それが2016/12/25に35年ぶり(!)に奈良公園で真面目に糞虫採集したところ、ごくフツーに採集できたのです。(写真はイノシシの糞を食べているマグソコガネ)
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 この原因と考えられるのが、イノシシの勢力拡大です。35年前もイノシシがところどころ掘り返す場所がありましたが、今はもういたるところが無残なまでに掘り返され芝生が荒れ放題。下の写真の柵の外側のモコモコはすべてイノシシの仕業です。マグソコガネは、このイノシシの糞で採集されました。昔はイノシシの糞はほとんど見ることがなかったのですが、おそらくイノシシの数が増え奈良公園での勢力を拡大するにつれて糞も増え、マグソコガネもやってきたのではないかと想像しています。私の35年間の空白を埋めてくれる糞虫ファンがいたら、ぜひ情報交換をさせてください。
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 おそらく近年は奈良公園でマグソコガネが見つかることは珍しくなくなっていたと考えられるので、私のこの感動を分かち合える人はおそらくいないでしょう。マグソコガネを求めて兵庫の牧場まで一緒に行ったキヨ氏を除いては。

 それにしても最高のクリスマスプレゼントを春日大社の神様からいただいた感じです。イノシシの増加をどう考えるかは別にして、鹿糞に加えて猪糞という新たなメニューの加わった奈良公園。来年も糞虫から目が離せません。
 
 それではみなさん、よいお年を!


 このビジコンの審査基準には新規性や成長性、収益性があるので、国内初の糞虫観察ツアー料金は1万円に設定。初年度から黒字を確保し、とりあえず3年後は売上1500万円を計画。当ブログでも使用した糞虫や奈良公園の写真をベタベタはりつけて見映えをよくしました。
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 すると、あれよあれよと言ううちにセミファイナルのプレゼン大会出場まで駒を進めることができました。先日はセミファイナル出場者30名ほどが集められ、トーマツのコンサルタントからプレゼンテーションの指導を受けました。もちろん無料。

 会場で何人かの人にビジネスプランをきいてみましたが、創業300年の老舗醤油製造元による本物醤油復興プランとか奈良の古民家をマッチングシステムにより有効活用するプランとか、介護関連とか、いずれも社会貢献度や成長性、収益性などに問題なさそうなものばかりでした。
 しかし、我に秘策あり。乞うご期待。

奈良町糞虫館の設立資金を稼ぐため応募したサクセスロード(南都銀行主催、賞金100万円)、10/14の当ブログで報告した通り感触が大変良くて楽観していたのですが、あえなく一次審査で落ちてしまいました。(ToT)
んー、なんでやろ?ニッチな分野でトップを取るのは創業の必勝パターンなのに・・・。クソムシなんかで海外からの観光客が喜ぶわけないってこと?
ま、愚痴を言っても仕方がありません。この2週間後のビジネスプランコンテスト(ビジコン奈良2017、賞金100万)には、糞虫観察ツアーの楽しさと世界の糞虫の美しさをより強調してビジュアル化して応募いたしました。だってゼッタイにおもしろいのですよ、糞虫は。奈良公園は糞虫の聖地やし。
結果は・・・年内に報告いたします。

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