むしむしブログ

2017年02月

 私は奈良公園の近くに「糞虫館」を設立するという野望を持って奈良に戻ってきました。場所はならまち界隈を考えていますが、奈良公園内でもできる可能性があるようです。 

 奈良公園の名所のひとつ浮見堂(鷺池)の南側の県有地の森(昔は裁判所の官舎があったらしい)、約1.6haに超高級リゾートホテルを誘致する計画が進んでいます。奈良の実家(築120年)を改築して知ったのですが、風致地区や都市計画法、景観条例など実に様々な規制があり、ましてや国立公園でしかも世界遺産である奈良公園に普通の私企業がホテル建てて営業できるなんて、驚きです。反対運動もありますが、周辺住民は「超高級」小規模ホテルで、ターゲットが「欧米の富裕層」であるせいか、火葬場建設のような地元が一斉に反対というような感じはありません。

 糞虫館は、公共性が高く、集客力もリゾートホテルの比ではありません。奈良公園にある必然性も説明可能です。今度、県庁に行って聞いてきます。結果はまたここで報告しますので、お楽しみに。

今日はここまで。
またね~。

しばらく更新してなかったのにさっき順位を見たら、22位に留まっていました。ありがとうございます。更新頑張りますので、応援よろしくお願いします。

奈良公園は糞虫の天国みたいなところで、真冬でも多種多様な糞虫が活動しています。本日ご紹介するオビモンマグソコガネ(Aphodius okadai)は、日本産コガネムシ上科図説によると「分布は局地的で、奈良県春日山が生息地として有名、・・・」らしく、西本州からしか見つかっていない。つまり、そこそこ珍しい種類ということ。
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いやー、そんなこと全然知りませんでした。35年前の感覚では、ネグロマグソコガネやチャグロマグソコガネ10に対し、オビモンマグソコガネは1~2は採れる、という感じですから。ただ、奈良に戻って観察を再開したこの冬、まだ一度もオビモンマグソコガネにお会いしていません。まだ4回しか奈良公園に行っていないので、何とも言えませんが、いったい何処へ行ってしまったんでしょうね。

 オビモンマグソコガネの見分け方は簡単です。黄色い背中にオビのモンが入っているのが肉眼でもわかります。背中にマダラ模様のセマダラマグソコガネとは、大きさや色合いがビミョーに違いますので間違えることはありません。(左:オビモンマグソコガネ1978.11.23 奈良公園、 右:セマダラマグソコガネ1977.12.26 奈良公園)
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 しかし、「黄色」と「オビ模様」と「マダラ模様」は、オビマグソ、オビモンマグソ、クロモンマグソ、セマダラマグソ、キマダラマグソ、マダラヒメスジマグソに共通のキーワードです。図鑑に綺麗な写真のない時代、採集した黄色にマダラ模様のマグソコガネの仲間の種名を調べるのは、並大抵のことではなかったと思います。 今では、ぜ~んぜん難しくありませんけどね。

今日はここまで。
再見!

 奈良公園は真冬でも結構な種類の糞虫が活動しています。と言っても、小さなマグソコガネの仲間ばかりなので、普通の虫好きの人にとっては冬はオフシーズンであることに変わりはないのでしょうが・・・。
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 昨日も奈良公園へ行きましたが、ネグロマグソコガネ18、チャグロマグソコガネ9、ミゾムネマグソコガネ10を確認、そして今回はセマダラマグソコガネ(Aphodius nigrotessellatus)も1頭犬糞から見つけました。
 糞虫と言っても、その種類によって好みの糞があり、奈良公園で観察した限りにおいては、ネグロマグソコガネは鹿糞を、ミゾムネマグソコガネは猪糞(2018.04.01訂正:ミゾムネもシカ糞を好んで集まります。冬のイノシシ糞は不味いのかミゾムネ以外の冬のマグソコガネ類もあまり集まりません)を、セマダラマグソコガネは犬糞を、好んで集まってきます。私は犬糞はクサいのであまり好きではないのですが、セマダラマグソコガネをこれまで鹿糞から採集したことがないので、冬になるとやむなく人通りの少ない道の犬糞をひっくり返して回るのです。
 
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セマダラマグソコガネの見分け方は簡単で、薄茶色の上翅(背中)にマダラ模様が入っているのですぐにわかります。大きさも5mm前後はあるので、冬の奈良公園付近の犬糞からひとまわり大きな黄色っぽいマグソコガネの仲間を採集したら、それはたぶんセマダラマグソコガネです。上の写真で、ネグロマグソコガネ(左と下の2頭)との大きさの違いが分かると思います。

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ひとまわり大きいとか小さいとか言っても、しょせんこんな ↑ 小さな虫たちのことなので、どーでもいいと言えばどーでもいいことですけどね。

今日はここまで。
再見!



 最初にお断りしておきますが、「紅色マグソコガネ」は私が勝手につけた名前です。すいません。
この糞虫も私が中国に赴任していた1995年8月18日に中国新疆ウイグル自治区烏魯木斉(ウルムチ)の天池で採集したものです。1枚目の写真は黄土色っぽく写っていますが、2枚目のほうが実際の色に近いです。紅色というかベンガラ色というか、非常に和風の落ち着いた綺麗な赤色をしたものもいます。同種と思われるものの標本は10頭ありますが、色調は変化に富んでおり、赤から赤黒、ほとんど黒と言ったほうがいいくらい黒っぽいものまでいろいろいます。体長は6~7mmの大きさで、日本のマグソコガネ程度の大きさですが、丸々とした体型なので大きく見え、赤くて綺麗なので結構目立ちます。
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 色以外の特徴として、頭部に3つの突起があるのですが、コブとか隆起のレベルではなく、ほとんどツノと言ってもいいくらい出っ張ってます。この写真では少しわかりにくいですねー。すいません。

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 中国本土の糞虫を網羅するような図鑑の存在を私は知らないので、正しい名前を調べるとなると厄介です。なので、誰かわかる人がいたらぜひ教えてください。
 台湾では「糞金龜的世界」(猫頭鷹出版社、陳克敏:著)という図鑑的な本が2002年12月に出版されています。世界の700種類以上の糞虫と台湾に生息する85種類の糞虫の大部分が写真入りで記載されているのです(チビコエンマコガネも載ってます)が、これにもマグソコガネの仲間は全く載っていません。陳克敏先生、マグソコガネの仲間のことも調べて載せてくださいよ。お願いしま~す。

今日はここまで。
再見!

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