むしむしブログ

2017年04月

 実は3月中旬、運動中に足を怪我したためしばらく外を歩けなかったのですが、今この時期を逃してはならないと、足を引きずりながら昨日奈良公園に行ってきました。前回の観察日は3/1ですから冬の糞虫ばかりでしたが、今回は春の糞虫も出現し、日本有数の糞虫の生息地らしくわずか3時間ほどの間に9種類の糞虫と出会うことができました。
 冬の糞虫としては、すでに当ブログでもご紹介した、ネグロマグソコガネ、チャグロマグソコガネ、ミゾムネマグソコガネ、マグソコガネ。
 春の糞虫としては、ルリセンチコガネ、クロマルエンマコガネ、フトカドエンマコガネ、クロツヤマグソコガネ、ヌバタママグソコガネ、の計9種類。
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 お天気が良く、日中の気温は25℃近くまで上がったのではないでしょうか。午前中、ルリセンチコガネ(Phelotrupes auratus)(写真1枚目)がアセビの林を元気に飛んでいるのを何度も見かけましたし、糞塊を割って観察しているところに飛来したり、さらに鹿糞の切れ端を引っ張っているところも見ることができました。エンマコガネの仲間はまだ出だしらしく、3個体のみが確認できました。
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 奈良公園の林の中の鹿糞は、冬の間はチャグロマグソコガネが支配的でしたが、形勢は一変し、今回は圧倒的多数がヌバタママグソコガネ(Aphodius breviusculus)(写真2枚目)でした。ネグロマグソコガネ(Aphodius pallidiligonis)(写真2枚目)もまだまだ数多く見つかりましたが、チャグロマグソコガネやミゾムネマグソコガネは5,6頭しか確認できず、そろそろシーズン終了って感じですね。35年前は、クロツヤマグソコガネ(Aphodius atratus)(写真3・4枚目)がたくさんいたという印象がないのですが、今回4か所で7頭確認できたので、嬉しかったです。3/30のブログ「クロツブマグソコガネは絶滅したのか?」(←タイトルが過激すぎましたね)へのコメントに「クロツブマグソは普通に生息しているのでは?」との情報が寄せられていたので、何とか見つけようと糞と顔の距離を従来の半分に縮めた成果かも知れません。狙っていたクロツブマグソコガネは見つかりませんでしたが・・・。
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子供のころから日記とかドリルとか続いたためしがないのですが、むしむしブログは今回が100回目。
奈良公園の近くに糞虫昆虫館を造るまで続けるつもりです。応援よろしくお願いいたします。


今日はここまで。
再見!
 

 えー、最高峰ってどーゆー意味?というような質問はやめてくださいね。単に私の中で、サイコーの糞虫はPachysoma というだけの事です。タマオシコガネ(Scarabeus)もオウサマダイコクコガネ(Heliocopris)もいいんですが、Pachysoma にはなんかこう、グッとくるものを感じませんか???
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 なんといってもこのくびれたウェストがサイコーですね。丸く愛らしいお腹、やっぱり丸い胸、アンテナのような2本のツノ。毛むくじゃらの足。これって、もしかして、タランチュラ?っていうくらい、糞虫離れした姿です。さすが謎の大陸アフリカ、ホント何がいるかわかりませんね。クワガタムシ好きにとってのマルガタクワガタ(Colophon)属みたいな感じかなぁ。(参考までにマルガタクワガタの一種の写真↓を載せておきます)
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 写真は全てPachysoma schinzi ですが、どの角度から見ても魅力的です。残念なのは、その生態がよくわかっていないことです。Pachysomaは、ナミビアや南アフリカ共和国などアフリカ南部に生息しているようですが、日本への標本の入荷が少なく、あっても小ロットであることから現地でも採集しにくい何かがあると想像しています。例えば、険しい岩場に生息しているとか、生息地周辺の治安が悪いとか・・・。何を食べてどのように暮らしているのか、ぜひ知りたいものです。でも逆に、まだよくわからない糞虫がこの地球上にいるっていうこともロマンがあって楽しいことのように思ったりもします。
 恐らく写真ででもこれまで見たことのない方がいると思うので、どうぞごゆるりとご覧ください。
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今日はここまで。
再見!
 

 1週間ほど前(4/5)のブログに何気なくカミキリムシの詰まった標本箱を掲載したのですが、早速その日のブログにアクセスが集中して、3日後には人気記事のトップになってました。恐るべしカミキリムシ人気です。写真の写りが悪かったので、カミキリムシファンの妄想をかきたてたのかもしれません。あまり期待させてしまうと後が怖いので、早速3種を掲載させていただきます。採集の難易度とか人気度とか全然わからないので、今回は私の山の思い出をテーマにセレクトいたしました。私の昔話にしばしお付き合いください。
 私は高校生の時にワンダーフォーゲル部に所属しており、合宿で槍ヶ岳に登ったときにハナカミキリの仲間をたくさん採集しました。花という花にカミキリが来ていて、まさに天国のような景色でした。一番多くて一番きらきらしていたのがカラカネハナカミキリGaurotes doris (写真1枚目)。
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漆黒のダンディー野郎は、見たまんまの名前のクロハナカミキリ Leptura aethiops (写真2枚目)。
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ひとめでわかる体型で毛並みの綺麗な此奴はマルガタハナカミキリ Pachytodes cometes (写真3枚目)。
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 ワンゲル部のゴリ先に率いられて同学年の10人ほどで登った山。標本箱に並ぶハナカミキリ達を見るたびにその時のことを思い出します。

 それにしても本当にカミキリムシ愛好家は多いですねー。糞虫昆虫館にもしっかりとしたカミキリムシコーナーを設けることができたら、来場者数が倍増するかもしれませんね。


今日はここまで。
再見!

 2/19のブログでも書いた奈良公園に高級リゾートホテルを建設する計画は、着々と進んでいるようです。私の家も高畑にあり、当該場所が一本通りを挟んだ向こう側のことなので気になり、今回は「古都・奈良の文化遺産を守る会」の集会に行ってみました。前回は、モンベル社長の辰巳氏を筆頭にパネリストも嘉田前滋賀県知事ほか有名な方が多数いらしていたせいか、文化会館小ホールで300人規模でしたが、今回は商工会議所の会議室で100人余り。それでも熱気は相当なものでした。私は、あの森が超高級リゾートホテルになってほしいとは思いませんが、何らかの計画が動くことであの場所(うっそうとした森)に入れるようになればいいなぁと思っています。リゾートホテルにする必要性は感じませんし県の主張や説明にもやや無理があるようです(県は高畑町の中の山ノ上地区10数軒向け説明会しかしていないようので詳細不明)が、反対する側にも大々的にアピールする目玉がないという感じでした。まぁ、この問題はこんなブログで論ずると言葉足らずになるので止めときますが、この集会でひとつ収穫がありました。谷幸三さんというたぶん70歳を超える方が、20分ぐらいもの凄くエネルギッシュにかつ面白く過去の武勇伝も含めてお話をされました。で、この方は奈良公園の生き物の大家らしく、糞虫についてもメチャメチャ詳しい方とお見受けいたしました。(↓ネットで見つけた、谷さんと思われる写真)
谷さん?

 友達に聞くと、谷氏の専門は水生昆虫だが幅広く生き物の事をご存じで、新聞の連載や自然教育等多方面でご活躍されており、その道で知らない人はいない有名人だとか。そういえば、糞虫関係の記録か本でも「谷幸三」さんのお名前を拝見したことがあるような・・・。糞虫の事を聞こうかなと少し思いましたが、ホントにパワー溢れる話しぶりだったので、シャイな私は話しかけることができませんでした。
 ネットで谷さんを検索すると、糞虫関連の話題がたくさん出てきました。次回お会いできたら、きちんとご挨拶をしてこのブログのことも紹介したいと思います。でも、こんないい加減なブログを見たら、えらい剣幕で怒られるかも・・・。それに谷さんは開発計画に反対しているので、ここに糞虫昆虫館を造りましょうなんていう話をしようものなら、ぶっ飛ばされるかも・・・。


今日はここまで。
再見!

 会社勤めしている頃、しどろもどろの言い訳をすると「お前の日本語、わからん!」と、よく上司に怒られていたくらいなので、ましてや外国語なんて話せませんし、わかりません。ですが、外国語で書かれた糞虫の本を何冊か持っていて、わずかな写真や挿絵を見て楽しんでいます。今日、たまたま「オーストラリア南東部の放牧地の糞虫」(CSIRO:豪州連邦科学技術研究機構)というカラー写真付きの英語の本を見ていると、ヘラクレスオオカブトみたいで(よく見るとぜんぜん違いますが)カッコいい糞虫(Onthophagus nigriventris) を見つけたのでご紹介します。
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 この糞虫、出身地はなんと東アフリカの熱帯雨林と書いてありました。出身地(Distribution)って??? 実は、オーストラリアと言えば牛・羊を思い浮かべますが、これら家畜はもともとオーストラリアにはいなかったので糞を効率よく分解する糞虫がおらず、ハエだらけになり衛生状態が悪化したそうです。で、それを解決するための国家プロジェクトとして海外から牛や羊の糞の分解能力の高い糞虫を導入したわけです。1968年から1982年にかけて45種類以上の糞虫をアフリカ、ヨーロッパ、アジアから輸入して研究し、適応できそうな地域にリリースしたらしいのです。
 今、日本では生物多様性維持の観点から、外来種の駆除に力を入れています。ペットの廃棄(ミドリガメ、アライグマ、外国産カブトムシ等)は言語道断ですが、食糧難の解決(食用ガエル、アメリカザリガニ等)や毒蛇の駆除(マングース)という大義のある導入の場合も、日本の場合は計画通りになりませんでした。事前の研究がお粗末だったのか、結果ありきの研究だったのか・・・。いずれにしても、一度定着すると根絶することは時間とコストをかけても難しい、というのが現実です。
 有袋類が生息するオーストラリアと言えば、生き物の輸出入には非常に厳しい管理を課しているイメージがありますが、やはり背に腹は代えられないということでしょうか。しかし、経済的・政策的に成功しているように見えても、生態系への影響はどうなのか、沖縄のマングースがハブを食べずに家畜やヤンバルクイナを襲うのと同じようなことがオーストラリアで起きてなければいいのですが・・・。在来種の糞虫たちの言い分を聞いてみたいものです。

 あ、ちなみにこの”ヘラクレスエンマコガネ”ですが、体長は10~12mm、ツノの先まで入れても16mmしかありません。ヘラクレスオオカブトの1000分の1の大きさ(体積)ってことですね。


今日はここまで。
再見!

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