むしむしブログ

2017年05月

私の標本箱には、ラベルを見ると約20種類のオオキバセンチコガネがいますが、そのほとんどが大型種小型種を問わず前回のブログで紹介したLethrus geminatusのように大顎から下向きにキバが伸びています(写真1枚目)。
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しかし、Lethrus karelini(写真2,3枚目) とLethrus cephalotes(写真4,5枚目) のキバは前向きに伸びており、しかもなぜか両種ともに左側だけが発達しているのです。また、キバの生え方も違っていて、大顎のかなり根元から前方に伸びている感じです(写真6枚目Lethrus karelini)。
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キバの使い方については、交尾の時にオスが振り落とされないように下向きの長いキバでメスの首根っこを挟むのではないか、と想像していたのですが、前向きにしかも片方だけが伸びるこの2種に対しては、納得感が全くありません。オス同士のケンカに使えるとは思えませんし・・・。そもそもセンチコガネ属やLethrus属は大顎が発達しており、ルリセンチコガネの場合は、メスをめぐってオス同士が争うときシュコシュコ音をたてながら取っ組み合って相手を押し倒し、足に噛みつくという行動をとります(春のセンチコガネに符節がとれた個体が多いのは、羽化後長い期間が経過していること以外に、オス同士のケンカも大きな要因のひとつではないかと私は考えています)。つまり、発達した実用的な大顎の下にひょろりと1本キバが伸びていたところで、じゃまになることはあっても役には立たないのではないかと思うのです。では、いったい何のために・・・ 

もしわかったら、ご報告いたします。期待せずに待っててください。


今日はここまで。
再見!

 春は日本の糞虫観察のハイシーズンにあたるので国内ネタが続いてしまいました。まだまだ書きたいことはあるのですが、今日は久しぶりに「世界の糞虫」のご紹介です。
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 先日5/16のブログでご紹介した「日本のセンチコガネとその仲間」(むし社)の37枚のカラープレートうち最後2プレートに海外のセンチコガネが掲載されていて、そこに1個体だけLethrus属のセンチコガネ(Lethrus politus)が載っていました(写真1枚目)。この写真では、糞虫にしては少し大顎が発達していますが、その他には何の変哲もない、黒い丸っこい糞虫にしか見えません。でも、本当は・・・  こうなんですっ!(写真2、3枚目)
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 ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタン、キルギスタンなどに生息している(一般的かどうか知りませんが)オオキバセンチコガネと呼ばれるこのLethrus属の仲間のほとんどのオスは、このような特徴的な大顎を持っているようです。写真はLethrus geminatusでプレート個体とは種が違いますが、Lethrus politusと同様Lethrus属でも大型の種で、両者とも左右の大顎から下に向かってニョキッとキバが伸びています。もちろん大顎から伸びているだけなので単独で動いたりしませんし、虫が上を向いたりしたら地面に突き刺さってしまうような代物です。どのように使うのか私は知りませんが、メスにはない(写真4枚目)ので、オス同士の争いか交尾の際に役立つのかもしれません。でも種類によってはキバが針のように細かったり、前向きだったり、片方だけ(!)だったり。何なんでしょうね、これは。おそらくロシアの文献を探せばわかると思うのですが、当然ながら私にはわかりません。悪しからずご了承ください。
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今日はここまで。
再見!

 この体型、朽木の皮の下からの採集、クロツツマグソコガネ(Saprosites japonicus)に間違いないと思います。3枚目の写真は、「日本産コガネムシ上科図説」第一巻〈食糞群〉のクロツツマグソコガネのページです。やったー!初採集!! いやー、ホントに朽木にも糞虫がいるんですねぇ。いままでそーゆー目で朽木を見てこなかったので、一匹も見つけられなかったんでしょう。反省。今度は海辺の砂を篩いに行こうかな(一度もやったことがない)。でも、海岸の砂の量を見たら、普通はヤル気なくすよね。

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今日はここまで。
再見!

 5/20、春の陽気というには暑すぎる中、奈良公園に行ってきました。実はその2日前にスズメの亡骸を置いておいたので、その様子が気になって見に行ったのです。残念ながら、イタチか何かにスズメは持ち去られており、収穫0だったのですが、たまたまその付近の朽木のキノコにキノコムシやゴミムシダマシが数種類来ていたので、キノコをほじくっていました。キノコムシが朽木の皮の間に逃げ込んだので捲ってみると黒光りする小さな虫が目に入りました。顎を引いた時の形から、朽木をほじくった時に出てくる、たぶんクチキムシの仲間だろうと思ったのですが、手に取ってみるとマグソコガネの仲間に見えなくもない。下の写真がそれなんですが、どうでしょう?
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 標本作成途中なので背面からの写真はまだ撮れないのですが、見れば見るほどクロツツマグソコガネ(Saprosites japonicus)に見えてきます。いままで、朽木で糞虫を捕まえたことがないので、もしそうなら人生50年で初めての経験です。クロツツマグソコガネは日本産コガネムシ上科図説によると★★なので珍しいわけではありませんが、山のようにある朽木の中から米粒より小さな虫を探すなんて、狙ってできることとは思えません。とにかく、今まで私が見たこともない糞虫を捕まえた可能性があるというだけで、そーとー興奮しています。 標本作成後、よく観察してまた報告させていただきますね。

今日はここまで。
再見!
 

 facebookを始めてみたものの、いまだにコメントの返し方とか写真の載せ方とかもよくわかっていません。とりあえず知っている人に友達申請を送っているのですが、その中に奈良市長の仲川げん氏の名前が・・・。写真を見ると、虎刈りにいかつい顔。間違いない! せっかくなので友達申請してみたところ「承認」してくれたので、早速以下の通り「ならまち糞虫昆虫館」設立のメッセージを送りました。

【奈良市長と「友達」になることができて光栄です。私は昨年会社を早期退職し、旧奈良市内に「ならまち糞虫昆虫館」設立のための準備室を立ち上げました。昨年のビジコン奈良2017では、セミファイナルまでコマを進めました。今年の7月18日(火)~21日(金)には、奈良市役所の正面玄関ロビーで「奈良の糞虫・世界の糞虫」展を開催させていただきます。お忙しいと思いますが、楽しい展示にいたしますのでぜひご覧ください。】

 どうせ返事など来ないと思ってますが、もしかしたら「オモシロそうだな」と思ってくれるかも。 ・・・などと考えていたら、なんと返事がきました。「頑張ってください。」だって。市長の秘書が返事書いてるのやろか?
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  糞虫展の開催まであと2か月。まずは、雑誌やミニコミ誌の取材記事を載せてもらったり学校や役所などにチラシを置かせてもらうために挨拶に行くので、名刺を自分でパソコンを使って作りました。表は普通ですが、裏(写真1枚目)はご覧のとおり少しハデ目に仕上げてみました。どうでしょう?


今日はここまで。
再見!

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