むしむしブログ

2017年07月

 奈良の生き物好き、自然愛好家なら知らない人はいない谷幸三氏(写真1枚目)。高校で長く教鞭をとられたあと大学で講師を務め、現在はコラムを書いたり自然を観察する市民活動等で忙しくされています。そのパワフルかつユニークな語り口は聞く者を幸三ワールドへ引き込み、二度と抜け出すことができないと恐れられているほどです。かつて人気番組「探偵ナイトスクープ」にも出演していたという、とかく地味でマジメ、もの静かで温厚と思われがちなこの分野においては(いい意味で)異色の存在です。
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(写真:石井弥生様のブログ「森の時間」より)

 その谷幸三氏がなんとこの「奈良の糞虫・世界の糞虫」展に来てくださいました!たまたま昼休みのミニコンサートが開催されていたため、展示物が一時的に片隅に撤収されていた時にお越しになったのが私としては残念だったのですが、拙い私の展示パネルを熱心に見てくださり、いろいろな視点からアドバイスをいただくことができました。谷さんは長く先生をしていたので、わからない人にもわかるようにするにはどうしたらいいか、のアプローチが素晴らしく、大変勉強になりました。
 その他にも、「日本列島フン虫記」などで知られる塚本珪一氏と日本山岳会で懇意にしてらっしゃるご婦人やかつて昆虫にハマっていた画家の先生、電動車椅子で熱心に見てくれた若者、キャーキャー言いながら説明を聞いてくれた女学生、はるか昔の昆虫少年(これが一番多い)、ほんとうに多くの方々と楽しく虫のお話しができたことが私にとっての一番の収穫でした。わずか4日間の展示でしたが、多くの経験と気付きが得られた4日間でした。
〔 写真 ←多くの方で会場が賑わっている写真をと思ったのですが、1枚もない。なぜだ? 〕
 最後になりましたが、展示会場を無償で提供してくださった奈良市役所、特にいろいろお手伝いまでしていただいた文化振興課の皆様には心より感謝申し上げます。ありがとうございました。また使わせてくださいね!


今日はここまで。
再見!
 
 

 糞虫以外で、最も好きな昆虫のひとつなんです、コカブトムシ。そいつが向こうの方から私の家に来てくれるとは、虫好き冥利に尽きます。
 カブトムシという名前を与えられながら短い棒状のツノしかなく、カブトムシやクワガタムシのように樹液に集まる昆虫として取り上げられることもなく、何処をどう探せば姿が見れるのかわからない、でも希少種として注目されるわけでもない・・・。なぜ好きなのか?んー、言葉では説明できないですね。ひと言でいうと「めちゃ、かわいいから」とでも申しましょうか(写真1枚目)。
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 私の標本箱には、オス(採集者:じぃ徹氏 1977年9月)と私が1978年に奈良公園で捕えたメス、1995年に中国の北京で捕まえたオスの3頭が保管されています。中国の北京で捕まえたオスの個体は私には日本産と見分けがつかず、保育社の原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)にもコカブトムシは、朝鮮半島・台湾・中国に分布するとあるので、おそらくコカブトムシなのでしょう(写真2枚目右側)。
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 最近、年のせいか殺生することにためらいを感じること多くなりました。とくに図体が大きければ大きいほど、可哀そうな気がして・・・。以前は大きなシロスジカミキリやクワガタを殺る時くらいでしたが、今ではカナブンサイズでもためらってしまいます。しかし、写真や言葉では伝えられないものが標本にはあると確信していますので、「君の死は無駄にはしないよ」と唱えて殺ってます。今回の糞虫展にも、供養代わりに糞虫以外のコガネムシの仲間の標本も展示しました。

 標本はいろんな活かし方があると思いますが、私は彼らの住み家を守る活動(自然を大切にする人を育てる活動)に役立てることにしています。皆さんの手元の標本は元気に活かされていますか?少なくともムシに喰われて「無駄死に」させてしまわないよう、お手入れだけは忘れずに。


今日はここまで。
再見! 

 初日の反省や気付いたことを踏まえ、目障りなチラシを剥がしたり、POPをつけたり、看板にフラをつけたり・・・。中学・高校時代に学園祭でみんなで工夫しながらいろいろやったことを懐かしく思い出しながら、学校で学んだことが社会に出てから役に立つことを実感しました。
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 本日2日目ですが、出足好調で朝からあまり途切れることなく立ち寄ってくださいます。。「ならまち糞虫館が出来たら見に行きます!」と言ってくださる方も多く、ホントに勇気付けられます。

今日はここまで。
再見!

 これまで何度かこのブログでも話題にしていた標記の糞虫展が、奈良市役所正面玄関ギャラリーにおいて本日開幕いたしました。朝一番で市役所の文化振興課の職員の方が駆けつけてくださり、机の移動や写真の貼り付けなど手際よく手伝っていただきました。感謝、感謝です。
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 展示の内容としては、奈良市民に皆さんに糞虫の存在を知ってもらおう、面白さを感じていただこう、というシンプルな目標を立て、文字をなるべく少なくして綺麗な写真を多用するという基本方針で組み立てました。実物(標本)はもちろん陳列しますが、ほとんどの種類が小さいうえにツノの形が複雑である等、実物を目の前にしてもよほど注意深く観察しないとその面白さに気付くことができません。なので、今回は糞虫の美しさや奇妙さが際立つように拡大し、ライティングを施し、多くの写真の中から選りすぐりのもののみを展示に使いました。まあ、この「むしむしブログ」で使ったものの焼き直しがほとんどですけど・・・。
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上の写真は、ご存じニジイロダイコクコガネ(Sulcophanaeus imperater)なんですが、メチャメチャ輝いてるでしょ! ルリセンチコガネなどもそうですが、糞虫の輝く綺麗な色は、色素があるわけでなく光の反射で生まれるものなので、ライティングが非常に重要なのです。ただ、「この写真の実物はこれですっ!」と言って標本箱の中のニジイロダイコクコガネを指さすと、相手のテンションが3段階ほど低下するのが感じられて、それはそれでつらいんですけどね。

今日はここまで。
明日も奈良市役所で「奈良の糞虫・世界の糞虫」展、やってます。
お見逃しなく!

 

 中南米に多く生息する美しいファナエウス(Phanaeus)の仲間。その中でもひときわ輝くファナエウス・トリデンス(Phanaeus tridens)。その輝きはもちろんすばらしいのですが、ツノや突起の複雑さはまさに筆舌に尽くしがたいものがあります。いや、文字や言葉は言うまでもなく、2次元の写真でも伝えきれないほど複雑だと言ってもいいのではないでしょうか。最新鋭の3Dプリンターはこの芸術的な糞虫を再現できるのでしょうか。
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 ファナエウス・トリデンスを斜め上・後・前・横から撮影したものが1,2,3,4枚目の写真ですが、この糞虫が本当はどんな形をしているのか明確にイメージできたでしょうか?科学技術がどんなに発達しても、実物に勝るものはありません。機会があったら、ぜひ本物の糞虫をじっくり観察してみてください。その複雑さと美しさと不思議さに圧倒されるに違いありません。実物を見るチャンスのない方は、今月7/18(火)~21(金)に奈良市役所正面玄関ギャラリーで開催される「奈良の糞虫・世界の糞虫」展にお越しください。無料で、じっくりご覧いただけます。なお、下(写真5枚目)のシンプルなのは、ファナエウス・トリデンス(Phanaeus tridens)メスです。
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今日はここまで。
再見!

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