むしむしブログ

2017年09月

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 "ウシオセンチコガネ"は京都山科・牛尾山周辺だけの異名で、緑色に輝くので一般にはミドリセンチコガネと呼ばれています。瑠璃色に輝く奈良のルリセンチコガネと同じで、種類はどちらもオオセンチコガネ(Phelotrupes auratus)。他の地方の方には申し訳ないですが、日本三大美麗オオセンチコガネの1位、2位はこの二つであることに異論を挟む余地はありません(キッパリ)。今日は「渡辺先生と自然 Wao!」主催の観察会「京都山科・牛尾山のミドリセンチコガネと土壌生物」に参加してきました。
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 将来ならまち糞虫館が主催する糞虫メインのエコツアー運営の参考にするという目的もあったのですが、そんなことはすっかり忘れてミドリセンチコガネの発見・観察に没頭してしまいました(お天気が下り坂でミドリセンチの出現が予想したほど多くなかったようです)。そのほかにもセンチコガネやトビムシ、ヤスデ、ミミズに至るまでが観察対象となり、守備範囲の広い渡辺先生とそのわきを固めるスタッフの方々のおかげでほんとに楽しくてためになる一日を過ごすことができました。渡辺先生、スタッフの方々、さらに自然Wao!の皆様には、感謝、感謝です。

 いろんな出来事といろんな写真があるのですが、今日はとりあえず美しいミドリセンチコガネの写真でお楽しみください!


今日はここまで。
再見!

 糞虫好きなら誰でも知ってるムネアカセンチコガネ。知らない人でも、名前の通りムネがアカいセンチコガネを思い浮かべれば当たらずしも遠からずです。ものの本によれば、最近はFIT(虫が飛びそうなコースに透明の板を立てて、ぶつかって落ちた虫を捕らえる罠)で結構採集されるようになったとのことですが、まだまだ採ろうと思って採れる糞虫ではないことは確かです。先日、facebookかなにかで、自分の誕生日に採集に行ったらムネアカセンチコガネをGETしたという話を読みました。うらやましー、まさに天からの贈り物ですね。
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 実は、私の標本箱には2頭のムネアカセンチコガネの標本があるのですが、1匹は35年前に高校の後輩が奈良公園で拾った死骸をもらったもの、もう一匹は5年前に自宅の前に死骸が落ちていたのを私が見つけたものなのです。写真で見てのとおり状態がよくありませんが、私にとってはどちらも宝物です。
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 何が言いたいかというと、善行を重ねていると人や神サマが見ていてくれて、素敵なプレゼント(=ムネアカセンチコガネ)を贈ってくれる、ということなんです。みなさんもいいことを続けていると、きっとムネアカセンチコガネを手に入れることができると思います。FITで捕れない人は、ぜひこの方法をお試しください。

今日はここまで。
再見!

 今年の7/1のブログでお知らせしたとおり、泣く泣く一度は断念した空き家活用補助金。1ヶ月ほど前に二次募集が行われている事を知り、あわてて未完成の計画書に手を加え、建築士や工務店の大将と打ち合わせをし、なんとか9/19(火)の提出期限に間に合わせました。ページ数にしてA4約50枚の大作です。
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 今回は、入居する物件が具体的に決まっているので、どこをどう改築してどのように使うかイメージしながら計画書を作成することができました。しかし、在来工法の古い木造建築(写真1,2枚目)なので、1階の壁や押入れをつぶして広い糞虫展示スペース(写真3枚目)を確保したくても何本も柱が残るとか、2階の6畳を2部屋つなげて12畳のセミナールーム(写真4枚目)を作っても10人集まると床が抜けるリスクが生じるとか、今どきのオフィスビルでは考えられないような制約がいろいろ出てきています。お金をかければ解決するのでしょうが・・・。
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 現在は提出書類のチェックが行われており、10/10(火)に審査員(7~9人)の前でプレゼンや質疑応答をして、10月下旬までに結果が通知されるとのこと。今回は二次募集なので、採択されるのはたった1件。応募がどれくらいあったのか、市役所の方に聞いてみたのですが「公表していないんですよ」とのことでした。そうなるとますます気になりますねー。

 観光客が多く訪れる人気のならまち界隈でも空き家が目につきますので、奈良市の東部などでは大量の空き家が活用されずに朽ちているに違いありません。この補助金の競争率が高いということはそういった空き家を活用しようという前向きな動きがあるということであり非常に喜ばしいことではあるのですが、今回に限れば素直に喜べないのが正直なところです。まだまだ未熟ですね。


今日はここまで。
再見!

 今年の5/24のブログでクロツツマグソコガネ(Saprosites japonicus)、6/10にはヒメツツマグソコガネ(Saprosites narae)を初めて採集したことを興奮気味にブログに書きましたが、3か月ぶりに奈良公園に行くとまた見つけることができました。今回は、観光客が行き交うような場所でしたが、イチイガシの大木の朽ちた切り株とかアラカシ(?)の横たわった幹の朽木とかから簡単に次々と見つかりました(写真1枚目)。
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皮がパカッと剥がれるくらいの朽ち加減(たいてい皮と幹の間にいる)で、地面に横たわって湿り気がある方がいいようです。皮を捲って小さなアリがウジャウジャ出てきたところからも、たまたまかもしれませんが見つかりました(写真2枚目)。
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 この2種は一年を通して発生しているように「日本産コガネムシ上科図説」には書いてありますが、寒い冬でも奈良公園で成虫が見られるのか継続して観察したいと思っています。でも、なんで夏の間1回も奈良公園に行かなかったんでしょうね。(いやー、暑かったからですよ。)夏も成虫が活動していたのかなぁ。怠けたせいで、来年の夏までこの悩みは解決できません。それにしても糞虫たちの活躍には頭が下がります。暑い夏の間もこうやって小さなマグソコガネ達がせっせと糞をバラバラにして(写真3枚目)美しい奈良公園を維持してくれていたのに、私はクーラーの効いた部屋で・・・。
 前回5/24にクロツツマグソコガネの事をブログに書いた時、「野外では幼虫は成虫と一緒にいますが、」とのコメントをいただきましたが、今回も幼虫を確認できませんでした。というか、小さすぎて見つけられる気がしません。やはり「いる」と思って探さないとなかなか見つからないんでしょうね。糞虫たちを見習って、私もガンバリます。
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 おまけのチビクワガタ(写真4枚目)。完全に中がフレーク状になった腕の太さほどの朽木から、成虫と共に羽化して間もないまだ赤茶色の成虫2頭、白い蛹4頭を掘り出してしまいました。ハナムグリと違って強度のあるまゆを作らないので、悪気はないんですが掘り出してしまうんですよ。ホント申し訳ない。掘り出した白い蛹はフレークに埋め戻しておいたのですが、無事に羽化できるかなぁ・・・。
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今日はここまで。
再見!
 
 

 2017.8.30のブログでは、スイスアルプスの標高3000m前後の高地でマグソコガネの仲間を4~5種類ほど捕まえたと書きましたが、ようやく標本作製に取り掛かりました。いつもは標本を完成させて、私なりに適当に同定してからブログを書くのですが、スイスのユングフラウやマッターホルンのふもとで採集した(日本では)めったにお目にかかれない糞虫なので、どうせなーんも同定の手がかりは得られないだろうと思いますので、とりあえず写真を載せておきます。どんなことでも結構ですので、アドバイスやお気付きになったことがありましたら、コメントいただけるとありがたいです。

 写真の1、2枚目は、採集した時はその大きさとツヤの鈍さから「スイスアルプスにもクロツヤマグソコガネ(Aphodius atratus)おるやん!」と思ったのですが、ルーペで頭部を見るとコブが3つ見て取れます。クロツヤマグソコガネではなかったんですねー。大きさは8mmくらいあります。
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 写真3,4枚目は、あまり特徴のないのが特徴と言いましょうか・・・。大きさは7mm弱くらい。頭部にコブが3つあります。これはマグソコガネ(Aphodius rectus)かなー?
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 写真5枚目はよくわかりません。少しぽっちゃりした洋ナシ型の体型で5mmちょっとあります。紅褐色の前翅に特徴がありますが、同じような体型で黒い個体の方がたくさん採れてます。もしかして、これがツマベニマグソコガネ??? ちなみにこの3種の大きさを並べて比較するとこんな感じ(写真6枚目)です。
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 8/30のブログを書いた時に、私とほぼ同じ場所で30年前にオオツヤマグソコガネ(Aphodius rufipes)やツマベニマグソコガネ(Aphodius haemorrhoidalis)など4,5種類のマグソコガネの仲間を採集したとのコメントをいただきました。この2種は「原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)」(保育社)にヨーロッパが生息地として記載されており、「なるぼどー」なんです。一方、マグソコガネ(Aphodius rectus)の生息地は「・・・、朝鮮半島、モンゴル、シベリア東部、中国など」となっています。やっぱ、3,4枚目の写真はマグソコガネとは違うのかなぁ。
ま、今日のところは【速報】ですので。

今日はここまで。
再見!

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