むしむしブログ

2018年03月

 
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クロツツマグソコガネを見つけてからというもの、大ムカデやクロゴキブリに出会うリスクにビビリながらも、いい感じの朽木の樹皮を捲るようになりました。おっ!という感じの朽木の皮の浮き具合を探り、大きくカパッと剥がします(後でカポッと戻し易いので)。この剥がす瞬間は、期待9割と不安1割が入り混じった、何とも言えない気持ちになります。
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 で、先週捲った時に出てきたのが、大好きなコカブトムシ(写真1枚目)。この日は20℃まで気温が上がったとはいえ、この時期(3/25)にきれいな成虫に出会えたということは、カブトムシとは違う変態サイクルを送るものと思われます。飼育すれば解明できるのでしょうが、コカブトムシは探せば見つかるような虫でもないし、エサも何が良いのかよくわかりません。写真2枚目は繭玉で羽化していたコアオハナムグリ。コイツは、もう暫く繭玉の中に潜んでいたかったようですが、エメラルドのように輝いていました。
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 糞虫館を設立するということで、私のことをスゴく虫に詳しい人だと思う方が多いのですが、美しき誤解です。敢えて誤解を解く努力もしてませんが、まぁ、この程度です。ごめんなさいね。

 野外では、糞虫の成虫と幼虫が同じところにいたので、一つの容器に入れたのですが、一日で18個の糞粒のうち5粒がほぼバラバラにされていました。犯人はもちろんクロマルエンマコガネ Onthophagus ater の成虫(♂1、♀1)です。昨日元気に糞の中に潜り込んだ幼虫たちはどうなってしまったのでしょうか?
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昨日野外では、幼虫は糞の下の土の中から見つけたのですが、運良く1頭の幼虫がこんなところで見つかりました! 3cm位は潜っています。このまま土の中で蛹になるのでしょうか? しばらく様子を見ることにします。
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 さらに、実は昨日、冬のマグソコガネの仲間3種(ネグロマグソコガネ、チャグロマグソコガネ、ミゾムネマグソコガネ)の産卵を狙って飼育を始めていたのですが、こちらも8粒の糞粒のうち5粒がさらに細かく完全に粉々にされていました。恐るべし、マグソコガネ達の破壊力! でも、こんなに見事に粉々にしてしまったら、たとえ産卵しても幼虫はうまく育たないでしょう。今はまだ産卵期ではないのか・・・? いやいや、そろそろ冬のマグソコガネ達の出現期は終わりに近づいています。まさか成虫のまま翌冬まで地中に潜んでいるとは考え難いし・・・。
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悩みは尽きませんが、今日はここまで。
再見!

 先日の予告通り、今日糞虫の幼虫の飼育を開始しました。土を軽く4~5cm押し固め、シカ糞を置いてセット完了(写真1枚目)。今日採集した幼虫を4匹糞の上に置いてやると、すぐに糞の中に潜り込んでいきました。幼虫の全長は大きいのは約7mmあるので(写真2枚目)、たぶんエンマコガネの仲間の終齢幼虫でしょう。あとは蛹になるのを待つだけです。
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 しかし、幼虫たちはかなり古くて干乾びたイヌ糞の直下の浅い土の中で見つけました。一昨日も今日もこのイヌ糞には5~7頭のクロマルエンマコガネの成虫がいました。はたして、この幼虫たちはクロマルエンマコガネなのか?時期的には、そろそろカドマルエンマコガネやナガスネエンマコガネなども出てくる時期ですから、その幼虫である可能性も否定できません。いや、糞虫の幼虫でない可能性だって否定できないように思えます。いずれにしても1ヶ月もしないうちに結果は自ずとわかるでしょう。
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 なーんてメチャ楽観的なんですが、イヌ糞直下で見つけたこの幼虫たちにシカ糞を与えて育てるって、いいんでしょうかね?撮影後、幼虫たちは嬉しそうにシカ糞の間に潜っていきましたが、今頃「あれっ、シカ糞じゃん。不味いなー、これ。イヌ糞ないの?」なんて言ってるかもしれません。ごめんねー、でも我慢してね。


今日はここまで。
再見!

 昆虫好きの方、特に糞虫の話題の多い方のブログやフェイスブックはよく見ているのですが、成虫を見つけるだけでも大変な種類を飼育して繁殖させている方がいらっしゃいます。もはやレジェンド的なお方だと密かに崇拝しているのですが、振り返って自分は、糞虫の生活史についてこの目で見て確かめたことが皆無であることに今更ながら気付きました。
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 で、もちろん卵を産ませるところから始めるのが理想的ですが、昨日奈良公園でマグソコガネの仲間らしき幼虫を見つけた(写真1,2枚目)ので、これを成虫まで育てれば、生活史の半分は観察できるし、それくらいなら私にでも出来るだろうという、行き当たりばったりというか、安易な気持ちでトライすることにいたしました。

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 カブトムシやスズムシなど一般的な昆虫は累代飼育した経験があるのですが、これらは情報が十分すぎるくらいあります。なので、そろそろ蛹になるから扱いに気をつけようとか、成長期には動物性の餌を十分に与えようとか、大体のポイントがわかります。でも、糞虫については、幼虫は地中に潜って蛹になるのかとか、いつ頃成虫になるのかとか、そもそもコイツは本当にマグソコガネの幼虫なのか(写真3枚目)?

 悩みだすときりがありませんねー。あまり欲張っても多分出来ないので、観察のポイントとして次の4つを重点課題にしています。

① 幼虫は蛹になるまでどれくらい糞を食べるのか?
② 幼虫はどこで蛹になるのか(糞の中?土の中?)
③ いつ頃蛹になり、何日くらいで成虫になるのか?
④ 交尾、産卵はいつ行われるのか?
⑤ 成虫はどれくらいの期間、生きているのか?

 成虫まで育てられれば大成功ぐらいに思ってますが、論ずるより産むが易し、といいますから、もしかしたら産卵までいくかも?! とりあえず挑戦しないと始まらないので、やってみます。


今日はここまで。
再見。
 

 昨日今日といいお天気が続き、奈良の開花宣言目前の今日、朝からガッツリ奈良公園で観察してまいりました。1週間ほど前のブログに、「なかなかオビモンマグソコガネにお目にかかれない」ようなことを書いたのですが、私の探し方が悪かったようです。すいません。
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 まずはオビモンマグソコガネAphodius okadai(写真1枚目)。いるところへ行けば、35年前とあまり変わりなく見つけられました。もちろん、ネグロマグソコガネAphodius pallidiligonisやチャグロマグソコガネAphodius isaburoi(写真2枚目)、ミゾムネマグソコガネAphodius mizoに比べるとかなり少ないことも変わりありません。しっとりとしたアセビの林の中では、この春初のニッコウコエンマコガネCaccobius nikkoensisも確認できました(2頭)。
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 次はマグソコガネAphodius rectus(写真3枚目)。いつのころからか奈良公園で普通に見られるようになっており、今年も出会えました。「冬に個体数を増す」のですが、この冬は私の活動が不活発だったので久しぶりでしたが、やはり開けた明るい芝地のシカ糞で観察されました。今回は冬の主役のネグロマグソコガネと一緒に見つかりました。
 道端のイヌ糞からは、セマダラマグソコガネAphodius nigrotessellatus。イヌ糞があまり好きではない私ではありますが、セマダラマグソコガネに会うためにまだ新しい大きなモノを頑張ってひっくり返すと、2頭確認できました。古いやや干乾びたようなイヌ糞からはこの春初のクロマルエンマコガネOnthophagus aterが7頭。うち2頭が交尾中でした。春ですねー。

 桜が咲くころの奈良公園は、冬と春の糞虫達が入り乱れてたくさんの種類を観察することができるので、本当に楽しいです。これからヒメコマグソコガネやクロツヤマグソコガネといった出現期の短い糞虫達も出てくるので、目が離せません。クロツブマグソコガネとの39年ぶりの再会も果たさねば・・・。
 ならまち糞虫館もようやく内装工事が終わり、現在は照明やディスプレイ、レイアウトといったことを専門家と打ち合わせしながら進めています。こっちもあれこれ悩むことが多いのですが、どっちも楽みながらテキトーにやってます。やっぱ、植木等(今なら高田純次か)さんもおっしゃってますが、テキトーが一番ですよね。


もっといろいろなことがあったんですが、今日はここまで。
再見!

 
 
 
 

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