むしむしブログ

2018年05月

 今年、コガネムシ研究会に入会し、初めて総会・大会に参加いたしました。この研究会は歴史も実績もある高いレベルの方も多く所属しており、私のようなへなちょこ糞虫愛好家は発言に気をつけないといけないのですが、実は「ならまち糞虫館」設立プロジェクトについての講演(?)を勧められ、お調子者の私はせっかくの機会だからと講演することにしたのです。
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 昆虫の研究会なので、講演内容は観察や実験の結果を分析し考察する内容が基本で、私の話はやや場違いではなかったかと思う(写真1,2枚目)のですが、皆さんそんなこと気にもかけずに結構質問もされたりして、楽しく過ごすことができました。講演後もあたたかい言葉を多くの方からいただき、本当に元気がでました。この場を借りて御礼申し上げます。
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 私以外の皆さんの発表はどれも大変興味深いものでしたが、中学生や高校生が大人に劣らない素晴らしい観察・研究をして、それをまとめて上手に発表していたのには驚きました。発表で使われた高校生の図表なんか英語なんですよ!(写真3枚目)そーゆー時代なんですねぇ。彼等・彼女等の今後のますますの活躍を期待せずにはいられません。私も負けないようにガンバリマス。


今日はここまで。
再見!

 昆虫文献六本脚から出版されている糞虫愛好家必携の「日本産コガネムシ上科図説(食糞群)」を監修したコガネムシ研究会。そのコガネ研の総会が奈良市で開催され、それに先立って奈良公園にて糞虫観察会が催されたので、参加してきました。
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 集合場所に行くと、そこには「日本列島フン虫記」「フンころがしの生物多様性」など多数の著書のある塚本先生と「日本産コガネムシ科図説」の著者の稲垣氏や河原氏といった面々が。いろいろお尋ねしたい事はあったのですが、本人を前にすると緊張しちゃいましたね。あまりお話しすることができず、我ながら残念です。でも、塚本先生のお名刺はGETしたもんねー。

 観察会は親子連れの方の参加も多く、そうそうたるメンバーながら、糞虫ギネス等の趣向を凝らし和気あいあいの楽しい観察会でした。ちなみに糞虫ギネスで優勝したのは私の友人家族でした。ステキな商品(ふんコロ昆虫記)をもらっていましたねー、うらやましい。

今日はここまで。
(つづく)

 唯一、飼育がうまくいっているクロツヤマグソコガネ。5月のGWあたりから蛹になる前っぽいくねくねする動きが容器の底面越しに観察されていましたが、先週末ハッキリと蛹になっているのが確認できました(写真1、2枚目)。土の深さは約5cmでしたが、今はその上にシカ糞の食べカスというか、ふかふかのマット状の糞が5cm近く積み重なっています。
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 成虫や幼虫は糞の中やすぐ下あたりで活動していましたが、蛹になるときだけは頑張って10cmくらい潜るのでしょうか。でも、ふかふかマットの中にも蛹になる直前らしき幼虫が何頭もいるので「地中5
〜10cm潜って蛹になる」と今の時点では言い切る自信はありません。蛹は蛹室を作っているようですが、ハナムグリのように硬いものではないようです。
 近日中に1つ掘り出して、じっくり観察するつもりです。それにしても、この蛹たちはこのまま夏、秋、冬を越して、10ヶ月後の来年3月に羽化して地上に現れるのでしょうか?それとも・・・


今日はここまで。
再見!

 「オープンランドの新鮮なシカ糞から見つかることが多い」「奈良県若草山に生息していることが有名」「4月下旬から5月上旬にかけて短期間発生する」と我らのバイブル「日本産コガネムシ上科図説」(監修:コガネムシ研究会)に書かれているヒメコマグソコガネ(Aphodius botulus)。地の利を活かして、今年もまた若草山に行ってきました。昨年は観光客の視線に負けて、ろくに探すこともできませんでしたが、今年は気合を入れて糞という糞をチェックしてきました。
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 4/13、4/14、4/20、4/30、5/4、5/18の6回若草山に行き、チェックしたシカ糞の数は1000を超えていると思います。結果は… ヒメコ、いました! でも、いたのはヒメコエンマコガネ。沢山いましたねー、コイツとチビコエンマコガネは。あと、カドマルエンマコガネやナガスネエンマコガネも。意外にマグソコガネの仲間は少なくて、オビマグソコガネがチラホラという感じでしょうか。いつ行っても風が吹いているので、柔らかく飛ぶマグソコガネの仲間には住み辛い環境なのではないかな?
ヒメコマグソコガネは、完全に姿を消してしまったのでしょうか。私はそうは思いません。なぜなら、私の目は節穴で、虫を見つけるのがメチャクチャ下手ですからね。恐らく今も若草山の片隅で静かに暮らしているに違いありません。


今日はここまで。
再見!

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 「ならまち糞虫館」が主催する主なイベントの一つが糞虫観察会なんですが、まだオープン前ではありましたが、朝日新聞の記事を見た京都学園大学バイオ環境学部の教授から打診があり、先週5/13に開催いたしました(写真1枚目)。原教授のバイオ環境デザイン学科は、自然のしくみを学び、豊かな環境を保全・再生するための技術を学ぶ学科で、自然界における糞虫の役割を自らの目で観察し自らの頭で考えることは、これから先、若い学生さんが「バイオ環境」というものを地域レベル~世界レベルの視野で考えるうえで、いい肥やしになるに違いありません。
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 さて、当日・・・
小雨程度は覚悟して出発しましたが、30分もしないうちに雨が本降りになり、途中少し弱まることもありましたがお昼過ぎには地面に水が溜まるほど降ってきたので、早めに観察を切り上げました(写真2枚目)。あいにくのお天気ではありましたが、30数名の学生さんが熱心に糞をほじくって探した結果、ウスイロマグソコガネやクロツヤマグソコガネ等多数のマグソコガネの仲間、ナガスネエンマコガネ、カドマルエンマコガネといったエンマコガネの仲間、そして輝くルリセンチコガネもあちこちで見つかり、案内したこちらとしてもほっとしました(なんとゴホンダイコクコガネも見つかりました!)。
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 午後は奈良公園からならまち糞虫館に場所を移し、テーマにしていた糞虫の種類と生息環境について学生さんに考察してもらったり、奈良公園の現状と糞虫の役割についての話をしたりしました。糞虫館のセミナールームは最大18畳になるのでなんとか全員を収容できました(写真3枚目)が、プロジェクターはもちろん、机も椅子もないなか窮屈な思いをさせてしまいました、ごめんなさいね。
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 いやー、今思えばあーしたらよかった、こーすべきだった等と反省ばかりの観察会ではありました。でも、皆さんずぶ濡れになりながらも熱心に観察していて(写真4枚目)、こちらも案内していてとても楽しかったです。9割以上の人にとって初めてのシカ糞ほじほじの経験でしょうけど、じつは楽しかったのかな?なんてね。
今回が皆さんの最初で最後のシカ糞ほじほじにならないことを祈りつつ・・・。

 京都学園大学は創立50年の節目を迎え、この先50年を見据えて京都先端科学大学に変わるそうです。大学校名が変わっても、卒業して社会人になっても、子供を連れて奈良公園に来るようになっても、あの雨の中でシカ糞をみんなでほじくったことを忘れずにいてほしいなー。


今日はここまで。
再見!

 

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