むしむしブログ

2018年07月

 ならまち糞虫館は不偏不党、自主自立、清廉潔白、独立採算の4×4(4文字熟語が4つ)を掲げているのですが、活動資金として補助金の獲得は重要で、特に1年目の糞虫館にとっては命綱といっても過言ではありません。「小規模事業者持続化補助金」は用途が広く、3分の2補助(MAX50万円)なので、ウチの場合だとチラシやパンフレット、ショーケースやレイアウト用品、写真パネル、写真家への謝金、HP制作費等75万円支出しても、後から50万円は戻ってくるというありがたい制度です。
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 まあ、不採択になったといっても50万円損したわけではなく、使った経費をキチンと自分で全額払うだけなんですけどね。いやー、しかし不採択とは、キビシイ。 んー、なぜなんだ?っていう感じですねー。入場料は300円ですから、約1700人相当ですよ。先週末(土・日)の入館者数は2日間で70人くらいですから、気が遠くなるような数字です。

 今回のこの補助金で、広報活動の強化と2階の糞虫生態写真館の整備を一気に進めようと計画していたのですが、ちょっと厳しいですね。あと、まだ「IT補助金」というのを申請していて、現在結果待ちなのです。2分の1補助なのだけれど、これが採択されればホームページの充実と自動翻訳機能を用いてブログなどの外国語対応をやるつもり。今の時代、世界に向けて情報発信しないとね。
 テレビ、ラジオ、新聞、雑誌など、ありがたいことにいろいろなメディアが「ならまち糞虫館」を取り上げてくださり、それがまた自然観察会の講師や学校の課外活動サポートにつながるという好循環を生んでいて、「ならまち糞虫館」の知名度はグングン急上昇しているのですが、台所は火の車です。

 昨日は、久しぶりに朝の奈良公園を散歩してきました。この時期、産卵し役目を終えたルリセンチコガネの死骸を目にすることも多いのですが、早くもピッカピカの新成虫が姿を現していました。朝、春日大社にお参りしてから探すと、彼らに出会える確率は大きくアップすること間違いなしですよ。ぜひ、お試しください。


今日はここまで。
再見!

 以前、タイの衛生的で近代的な工場で糞虫の一種(Onitis sp)のフリーズドドライ製品がスナックとしてネットで売られていることをブログで紹介しましたが、どうやらタイの昆虫食事情はそんな生易しいもんじゃないらしいです。
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 現地で「クッチー・ヤイ」(大きな糞虫)と呼ばれるセアカナンバンダイコク(Heliocopris bucephalus)(写真1枚目)のこの糞玉は市場で売られていたもの(写真2枚目)で、3つで35円(2000年当時)。この中には、生きた幼虫がうごめいているとのこと。当然ながら食用。私もタイを旅行した時、屋台でタガメやバッタのフライとか佃煮みたいなのは見たことがありましたが、糞玉が食材になっているとは知りませんでした。もちろん中にいるムッチリした幼虫を食べるのであり、糞でできている糞玉そのものを食べるわけではありません。が、料理する際にまな板に糞玉がゴロンとのっていて、玉ねぎを切るように糞玉に包丁を入れる妻の姿を目にしたら、やはり衝撃を受けるでしょうねー。

 今日のブログのネタと写真は、昨年の9月、京都山科の牛尾山での「ミドリセンチコガネと土壌動物の観察会」(主催:渡辺先生と自然Wao!)でお世話になった渡辺弘之先生(京都大学名誉教授)にご提供いただいた資料(NEJIREBANE No.88 Jun.2000)からいただきました。先生からはそのほかにも、シバとシカと糞虫に関する示唆に富んだ資料等もいただいており、今後の観察のテーマとして意識していきたいと考えています。まぁ、私にできることはたかが知れてますが、課題や問題意識を次世代につなぐ役割を果たすことでお許しいただきたいと思います。

 ちなみに、渡辺先生はこのタイの糞玉を奈良県橿原市にある橿原昆虫館に寄贈されているので、興味のある方は事前に連絡して一生懸命お願いすれば見せてもらえるかもしれません。


それでは、明天見!






 もう、こうなってくると、何がどうなってんだかって感じですね。確かに私も多少は脚色したり尾ひれをつけてお話することが全くなかったとは言い切れませんが、それにしても糞虫館オープン前後のこの盛り上がりは、自分でもちょっと怖くなる程です。これらの報道を見て、ならまち糞虫館に行くのを楽しみにしている方がいらっしゃれば大変申し訳ないのですが、率直に申し上げて、ここに展示されている日本の糞虫は大して珍しいものではなく、ここから10分歩けば行ける奈良公園で、シカ糞を小枝でほじほじすれば見つかるようなものなのですよ。世界の糞虫にしても、その98%は標本屋さんで購入したもので、世界中をあちこちまわって観察・採集している研究者からすると、子どものお遊びのようなものだと思います。なので、現時点では、糞虫に詳しい方々にはまだまだ物足らない施設でしょう。これからガンバリマス。

 でもね。 糞虫が注目され、関心が持たれることで、その生息環境について考える人が間違いなく増えると思うので、そういう意味でマスコミに取り上げられるのはすごく嬉しいのですよ。おカネもコネもカンバンもない一個人が、たまたま放ったホームランなのかもしれませんが、せっかく掴んだチャンスですから遠慮なくやれるとこまでトコトンやりたいと思っています。失うものは、・・・退職金ぐらいですかね(笑)。

 15日の朝の「おはよう日本」という全国放送で放映された内容は、以下のリンクで見れるようです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180715/k10011533761000.html?utm_int=news-culture_contents_list-items_006

今日はここまで。
また明日!

 新聞の全国版って、ホントどこで誰が見てるかわかりません。早期退職した職場の同僚が新聞を見て連絡をくれることは想定していましたが、福岡のラジオ局から連絡があるとは全く予想してませんでした。
 オープンを2日後に控えた7/6にラジオ制作ディレクターの方から「ならまち糞虫館についてラジオでインタビューしたい、日時は7/9(月)15:20から5分間ほど」というメールをいただき、その後5分くらい直接お電話で糞虫に興味を持ったきっかけや糞虫館の設立経緯などのお話をして、「じゃ、当日よろしくっ」ていう感じでした。あまりにあっさりしてて、こっちが不安になるほどでした。
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 出演するラジオ番組は『中谷一志・下田文代のよなおし堂』(写真1枚目)といって、RKBラジオで30年のキャリアを持つ中谷氏と報道記者歴20年の下田氏のコンビによる2時間枠で毎日放送されており、お二人のリードに任せればうまく5分間にまとめてくれるので、出演者はあまり心配しなくていい番組のようです。実際、当日15:18頃に電話がかかってきて「そのまましばらくお待ちください」。 受話器の向こうではお二人が毎日新聞の「ひと」欄に掲載された私のプロフィールで一通りイジッて盛り上がったところで、「きょうはその中村さんにお話を聞いてみましょう。なかむらさーん!」「はい、中村です。」 最初はちょっとぎこちなかったんですが、後半はスムーズに楽しくお話しできたのではないかと自画自賛しています。
 糞虫達のおかげで、こんな私がテレビ新聞、雑誌、映画、ラジオなどに登場し、自分の言葉でお話をするという、サラリーマン時代には考えられなかった楽しい経験ができたわけで、人生って何が幸いするかわかりませんねー。これからは、こういったマスコミによる宣伝効果が徐々に現れ、だんだんと「ならまち糞虫館」の知名度も上がり、運営維持・継続も可能になるのではないかと密かに期待してます。

今日はここまで。
再見!


 一昨日お知らせしていた「なりきり!むーにゃん生きもの学園」、昨日の朝7:15から予定通り放映されました!友達がビデオにとってくれていたのでさっそく拝見いたしました。

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  わずか15分間の子供向け教育番組ですが、地域による色彩の変異があること(写真1枚目)、色彩は構造色であること、重たい糞を運ぶこと、などをわかりやすく出演者たちの実験や図で説明しており、大人が見ても「へー、そうなんや。」くらいの内容が盛り込まれていました。そこらへんの作り込みは、さすがですね。

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 で、奈良からはるばる東京まで出張して出演したオオセンチコガネ(写真2,3枚目)ですが、VIPとして大いに番組を盛り上げてくれてました。主役のセンチコガネは基本的に色彩的に地味だし、収録が6月だったので体色にツヤがなく、いまいち冴えない個体でしたねー。そこに「森の宝石」としてオオセンチコガネ(奈良のきれいな個体をセレクト)が登場するわけですから、結構インパクトあったんじゃないかなー。

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 今回、私は何にも大したことしてませんが、取材にあれこれ協力をしたということで番組最後のエンドクレジットで名前を入れていただけました(写真4枚目)。それだけでもめちゃ嬉しいのに、なんと!日本産コガネムシ上科図説の著者であり糞虫の専門家が多数在籍するコガネムシ研究会幹事でいらっしゃる川井信矢様の横に中村圭一と出ているではありませんか‼ さすがにこれにはうれしいを通り越して恐れ多い、というのが正直なところです。しかしまあ、そんなこと気にするような方はいないでしょうから、さっそくネタとして「ならまち糞虫館」の宣伝に活用させていただきます。
 
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 ネタといえば、この番組の中で突然出てくる「なりきり学園校歌(ダンス付)」はかなり秀逸もの(写真5枚目)。まだマイナーなダンスですが、完璧にマスターして披露したら、こっちのほうがお客さん呼べるかも。

あほな話はこの辺で。
再見!
 
 

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