むしむしブログ

2019年06月

 タイトルを見て、ピン!ときた方も多いと思います。ファーブル昆虫記でも今森先生の写真集「スカラベ」でも、洋ナシ型の糞玉には卵が一つ産みつけられているのです。というか、丸い糞玉に卵を産むと、卵を覆い隠すように親虫が玉の形を作り変えて、洋ナシ形にするのです。
 去年はキレイな形のナシ玉は一つしか確保できなかったので標本にしたのですが、今年は産卵が順調で、すでに9個のナシ玉を掘り出して育てています。で、一番最初(6/2)に掘り出して育てているナシ玉を6/26に真っ二つに割ってみました。(写真1、2枚目)
P6260058-1
P6260063-1

 向こうも驚いていたと思いますが、こっちはもっと驚きました。育てていてこういうのも何ですが、まさかこんなに育っているとは・・・って感じです。今までマグソコガネ(Aphodius 属)の幼虫ばかり見ていたので、とてつもなくデカく見えました。気が動転してたので、どれくらいの時間観察したのかも定かではないのですが、幼虫の皮膚がツヤツヤではなくビロードみたいな高級感のある実に柔らかそうな半透明の羽二重餅みたいな感じで、ちょっと日本のコガネムシの幼虫にはいないタイプでした。もう一つの印象が背中がモッコリとコブ状に盛り上がっていることです。ここにはずっと自分の糞をためているそうです。(写真3,4枚目)
P6260069-1
P6260073-1

 ゆっくりと見る余裕もなく、割った切り口を元通りに合わせて押さえつけ、砂に埋めました。二日後に掘り出してみると、切った後はわかりますがしっかりくっついていて、びくともしません。恐らくコブの中に蓄えていた自分の糞を使って修理したのでしょう。でも、すごい大修理になったと思うので、かなり体力を消耗したに違いありません。もうこのナシ玉は触らない方がいいかも。そっと置いておいて、無事羽化してくることを祈るばかりです。

今日はここまで。
また明日!

  

  

 はるばるアフリカから4月の末にならまち糞虫館にやってきたタマオシコガネは、夏が近づくにつれてますます勢いよく糞を転がしています。昨年、イベント終了後に大阪ECO動物海洋専門学校から譲っていただいたタマオシコガネで得た教訓を生かし、今年は順調に飼育できています。ならまち糞虫館は土日の午後だけの営業ですが、そのタイミングに合わせて糞玉を作らせて、転がすところを見てもらうこともできるようになりました。ナマで、目の前で、あのファーブル昆虫記に出てくる世界が繰り広げられるのですから、私が子供の時など夢にも思わなかったことです。
IMG_20190608_170221

IMG_20190615_143459~3

 うちのタマオシコガネは、じゃまされずに十分な糞がある環境で糞玉を作らせると、27~38g程度のものを丁寧に真ん丸に作ります。しかしライバルがいると、真ん丸でなくても形を整えるのもそこそこにして急いで転がし始めることも多いです。ちょうど手ごろな大きさのシカ糞の塊があると、ちょっと手を加えただけでいきなり強引に転がし始めたこともありました。その塊は最大で48gもあり、しかも形がいびつなので運びにくそうではありましたが、それでも結構なスピードで転がしていました。もっと重たくても運べそうでしたねー。でもおそらく登りの斜面や障害物を乗り越えるときに備えて、目いっぱい大きな糞玉を作らないんだと思います。
IMG_20190608_143556~2

 うちのタマオシコガネはスカラベ・ティフォン(Scarabaeus typhon)と同じくらいの大きさで、体重は約1.7g。つまり、普段は体重の20倍近い重さの糞玉をすごいスピードで転がしており、30倍でも十分転がせる力を持っているということです。人間に換算すると、体重60kgの大人が1.2トンの玉を転がす、ということです。しかも逆立ち。まさしく「糞虫、すごいぜ!」ですね。

今日はここまで。
また明日。

 いろんな生きものになりきって、その秘密を探るNHKのEテレ「なりきり!むーにゃん生きもの学園」。前回放送からもうすぐ1年が経とうとしていますが、NHKの子供向けの自然環境番組制作会社から、前回のセンチコガネの回が大変好評であったため、(そのまま全部ではないようですが)再放送される、との連絡がありました。

【放送日】 6月29日(土) Eテレ 午前7:15~7:30
【番組HP】 https://www4.nhk.or.jp/munyan/

20180714なりきりむーにゃん生き物学園

 私は全然映らないのです(最後にテロップで3秒ほど名前が出ます)が、代わりに奈良のルリセンチコガネに東京出張してもらいました。たしか、番組制作会社さんから6月初旬に連絡があり、「東京でセンチコガネとオオセンチコガネを採集して撮影に使う予定だが、もし採集できなかったら至急送ってもらえないか?」という内容でしたね。マスコミに対して【対処方針:A(積極対応)】のならまち糞虫館としては、断熱材や保冷剤をふんだんに使って特製の輸送箱を作って、ルリセンチコガネを万全を期して発送、それでも無事着いたという連絡をもらうまでは、ドキドキしてました。今となっては楽しい思い出です。1週間ほどの旅行を楽しんで無事帰ってきたルリセンチコガネは、まわりの他の糞虫達に東京の土産話を自慢げに話していたようです。
 その他、コガネムシ研究会の会員の方のお話や提供したお宝映像も使われており、「日本の糞虫界をリードするコガネムシ研究会」を再認識させられました。ちょっと、持ち上げすぎですね。でも、楽しい番組ですので、ぜひご覧ください。

今日はここまで。
また明日!
 
 

 昨日は羽化したばかりで白く神々しい姿をしていましたが、今日はどうなっているでしょうか?まだ色が若干薄めで赤茶色っぽかったりしますが(写真1,2枚目)、羽もきれいに伸びており、現在のところ容器内の温度や湿度に問題はなさそうです。まだ蛹や前蛹が10匹ほど容器の底でうごめいているので、7月はうまくいくとお誕生(羽化)ラッシュになるかもしれません。
P6260018-1
P6260011-1

 それにしても新成虫、きれいですねー。特にコブスジコガネの仲間は身体の表面に汚れが付きやすいのか、拡大写真を撮る時などはクリーニングに結構苦労します。
P6260028-1

 容器のフレークを少し掘ってみると、なんと1令幼虫が見つかりました。恐らく奈良で産卵した卵から孵化したものでしょう。コブナシコブスジコガネの出現期は5~9月ですから、時間的にはコイツも親になることは可能と思われます。新成虫は10月以降はどのように過ごすのでしょうか?昨年羽化した成虫もそのまま新成虫と一緒に冬を越すのでしょうか?答えは、来年発表いたしますっ!

今日はここまで。
また明日!

 幸運でした。今年の幸運をもう使い果たしたかもしれません。それくらい幸運でした。コブナシコブスジコガネが我が家に来た経緯といい、ちょうど蛹になった時に掘り出したタイミングといい、そして昨日たまたま再度様子を見ようと静かにフレークを除けたことといい、全てがこの瞬間のために仕組まれていたのではないかと思えるほどです。ほぼ羽化の直後らしく、まだ、一部蛹の皮が残っていました。脚は色付いてますが身体全体が透けるように白く、形は成虫ですが腹を蛹のようにクルクル回す動作を繰り返してました。(写真1,2枚目)
IMG_20190625_201213~2

IMG_20190625_200216~2

 生きたコブナシコブスジコガネを多数飼育できること自体、採集下手の私にとってはあり得ないのに、いただいた幼虫がうまく蛹になり、その羽化する瞬間に立ち会えるなんて、ほんとコーフンしてしまいます。ぜひ、この写真を見て、感動を多くの方と共有したいと思います。ピンボケですいません。突然だったので、スマホで撮影いたしました。

今日はここまで。
また明日!
 

このページのトップヘ