むしむしブログ

2019年07月

 いただいた神奈川県西部で採集されたコブナシコブスジコガネF-1世代の羽化が順調に続き、結局65匹になりました。ですが、最後に容器を全て掘り返した時、まだ蛹室内にとどまっている新成虫が十数匹いたのですが、そのうちの6匹がダニに憑りつかれてひどい状態に(写真1枚目)。よく見るとダニに憑りつかれて蛹室内で死んだとみられる蛹(写真2枚目)も7匹以上いました。
P7270164-1
P7270147-1

 3匹の蛹が見つかったので別容器に移すと、間もなく1匹の羽化が始まりました。しかし、3時間が経過しても脱皮があまり進まなかったので拡大して観察すると、なんと!翅の下など至る所にダニが潜り込んでいます(写真3枚目)。極細のピンセットで大きなダニは隙を見てつまみ出しましたが、潜り込んでいる小型のダニには手が出せません。蛹についているダニは羽化する際に脱皮殻と一緒に脱ぎ捨てられそうなものですが、実際はうねうねと脱皮している最中に移動して、白くて柔らかい成虫に憑りつくのです。この個体は結局脱皮できず、死んでしまいました。
P7270190-1

 ダニが憑りつくのは、動けない蛹だけではありません。幼虫にも容赦なく憑りつきます(写真4枚目)。今回終齢幼虫も3匹見つかりましたが、たくさんのダニがついていた幼虫2匹は死亡、比較的ダニ被害の少ない奴は生きていますが元気がありません。
P7270148-1

 親世代の容器が一番乾燥気味で、ダニの発生がほとんどなく、F-1世代(成虫)の容器は普通、F-1世代(蛹・幼虫)の容器が一番湿っていました。最近、ヌマエビや子魚を多く与えた容器ほど湿り気が多くダニも多く発生しています。飼育マットはいただいたものにカブトムシマットを濾したものを混ぜて徐々に増量して使っているので、ダニを含む共通の微生物がいるはずです。とりあえず、マットを冷凍してダニを殺し、少し乾燥気味で飼育することにします。それでコブナシコブスジコガネに憑りついたダニが逃げ出してくれればいいのですが・・・。でも、コブナシコブスジコガネの背中はアラメエンマコガネと違ってツルツルで、しがみつくものが無いように見えるんですが、やはり少しぐらい擦っただけでは全然とれません。不思議です。

今日はここまで。
続きはならまち糞虫館で!


 

 茨城県の海岸で採集されたアラメエンマコガネをいただいて6/11から飼っているのですが、交尾・産卵の気配が見られません。餌としてシカ糞とヌマエビ・小魚の生干しを入れていますが、チビチビと食べているようですがガッツリ喰っている感じはありません。餌のすぐ近くに穴を掘って活動しています。たまに2,3匹がウロウロしており、まあ平穏無事にすごしているのかな、ぐらいに思ってました。いつも砂粒をつけた感じで動き回っていましたが、ニッコウコエンマコガネが体に汚れが付きやすいのと同じかな、と軽く考えてました。
P7230062-1
P7230065-1

 実は、こういうことだったのです。身体についた砂粒みたいな汚れと思っていたものは、ダニ(写真1,2枚目)。糞虫にダニはつきものですが、裏側の脚の付け根等だけでなく背中にまで、しかも数えきれないほどたくさんのダニにたかられていたとは・・・。アラメエンマコガネは背中側にも剛毛がたくさん生えているので、ダニがしっかりと付着できるのかもしれません。身体が小さいので、完全に見落としていました。水で洗ったりピンセットで軽くこすったぐらいでは全く取れません。強くすると、アラメエンマコガネを傷つけてしまいます。無理やり剥がすのは諦めて、ダニが自分の意志で離れるようにするにはどうしたらいいか、考え中です。
P7030168-1

 エビや子魚の生干しが水っぽく、ダニの増殖を許していたに違いありません(写真3枚目)。気になってほかの飼育容器も注意深く観察すると、恐ろしい実態が・・・。それにしても、自然界で海岸に打ち上げられた生干し状態の魚の死骸にはダニはいないのでしょうか?いても糞虫の体に付着されない何かがあるのでしょうか? 奈良公園のオオセンチコガネの場合、春から夏にかけてくたびれてボロボロになった個体には多くのダニがついているような気がします。飼育すると大抵ダニだらけになります(オオセンチコガネの場合はブラシで洗い流します)。うちのアラメエンマコガネの飼育状態があまり良くなかったのが原因の一つと思います。また今回は、長雨や気温の急上昇、容器の通気性等々、今思えば、改善すべき課題が山積していました。今からでも、何とかこのダニ地獄から救出してやりたいと無い知恵を絞っています。よい方法をご存じの方、教えてください!よろしくお願いいたします。

今日はここまで。
続きはならまち糞虫館で!

 

ご近所の方がテレビ朝日の人気投稿番組「ナニコレ珍百景」に投稿してくださったようです。突然、テレビ朝日からDVDと番組特製のクリヤファイルなどの記念品が遅られてきました。手帳をめくると、確かに去年の12月14日(金)に取材を受けていました。そういえば担当の方が、映像が採用されるかどうかも含めて放映日等は決まっていないのでご了承くださいと言っていたような・・・。
 同封されていたお手紙によると、CS放送等の「ゲキレア珍百景」として2019年3月17日21:30~22:00に放映されたらしく、地上波放送に採用されると3万円いただけるらしい。我がならまち糞虫館は審査員の札が4枚上がり『珍百景』に登録されたものの、遂に地上波放送はされなかったようです。んー、残念。
IMG_20190728_124555

IMG_20190728_124857

 まぁ、ならまち糞虫館としては、CS放送等だけでも数百万人の人が見てると思うので、もの凄い宣伝効果が期待でき、大変ありがたかったです。でも、投稿者の方にテレビ朝日からの謝礼金3万円をプレゼントできなかったのは残念です。力及ばず、申し訳ないです。
IMG_20190728_124701

IMG_20190728_124753

 最近、いろんな投稿番組があるようですから、投稿する際は「糞虫館はとても素晴らしいところで、館長は親切で優しくて、カッコいい方でした。絶対おススメ!」という内容でお願いいたします(笑)!

今日はここまで。
続きはならまち糞虫館で!
 

 昨年2018年11月に神奈川県西部で採集された希少種コブナシコブスジコガネの成虫10数匹と(恐らく)その子供の1,2令幼虫多数を縁あってとある虫好きの方に送っていただき飼っているのですが、今月に入りその幼虫たちが次々に蛹化・羽化しています。既にF1世代の成虫は43匹になりました(写真1枚目)。まだあと10匹以上は前蛹・蛹が残っています。
P7180006-1

 どれくらい長生きするか確かめたくて、世代別に分けて飼育しているのですが、親世代(2018.11採集)は2匹死亡したものの残り11匹はとても元気。今も産卵しており、小さな幼虫が育っています。飼育を始めた5月以降、いつも小さな幼虫を見ることができるので、今のところあまり季節に関係なくだらだらと産卵しているような気がしています。
 餌として、虫と一緒にいただいた水鳥の羽、タヌキの毛、カラスの羽、シカの毛、ヌマエビや小魚の生干しを与えています。成虫は太いシカの毛やカラスの風切羽(フェザー)でも食べますが、成虫・幼虫ともやはり細くて柔らかい水鳥の羽毛(ダウン)やタヌキの細い下毛を好むようです。コブスジコガネって、あまり活動的なイメージがなく、食が細いと勝手に思い込んでいたのですが、結構バリバリ食べてます。まぁ、写真のタッパー容器にはこの時点ですでに約30匹の成虫が羽化していたので、過密状態ではあるけれど、3日間でほぼ柔らかい羽を喰い尽くすほどの食欲がありました。(7/9撮影:写真2枚目)(7/12撮影:3枚目)
P7090181-1

P7120023-1


今日はここまで。
続きは、ならまち糞虫館で!

 奈良県内の歴史・観光・文化・行事・自然・地理などを網羅した専門知識を身につけた人材や、奈良ファンの育成を目的として、奈良商工会議所主催で「奈良まほろばソムリエ検定」(略称:奈良検定)というものが行われています。2級、1級、ソムリエの3段階で、ソムリエはメチャメチャ難しく、試験には小論文が課せられています。すでに今年で13回目ですが、受験対策講座が開講され問題集まで発売されており、毎年1000人以上が受験するほどの盛り上がり。そんな奈良のエキスパート集団「奈良まほろばソムリエの会」の皆様を前に奈良公園の糞虫トークを90分やるわけですから、もー準備が大変でした。小学生公民館のセミナー受講生など、初心者向けは慣れているので、わかり易い説明とスライド構成が頭に入っているのですが、なんせ奈良の自然にも精通して観光案内できるレベルの人達ですからね。(写真1,2枚目)
DSC_0111-5-1
DSC_0104-5-1

 まぁ結果から言うと、集まった20数名の皆さん最初から大変和気あいあいとした雰囲気の中、少しでも新しい知識、おもしろいネタを仕入れようと、積極的でした。ほんと、なんか対話しているみたいで、とっても話しやすかったです。奈良検定試験は東京にも会場が設けられ受験できるようで、この日も静岡や愛知など県外からの参加者もチラホラいらっしゃいました。ホンモノの奈良好きの集まりなんで、この人たちが糞虫好きになってくれれば、もう百人力です。かなり濃い話をさせていただきましたが、そのせいで逆に皆さんが消化不良を起こすのではないかと今ごろになって反省しています。
 今年度、こういった講演会やテレビの取材ラジオ出演が途切れることなくいい感じで続いています。こういう機会が与えられるのは本当にありがたいことで、糞虫達になり代わり彼らの存在と奈良公園で果たす役割をしっかりアピールしていこうと思っています。

今日はここまで。
次は、ならまち糞虫館でお会いしましょう!
 
 

このページのトップヘ