むしむしブログ

2019年08月

 最近ダニに悩まされているものの、いただいたコブナシコブスジコガネの幼虫(1令)から成虫に至る興味深い多くのシーンを観察できて本当に楽しかったです。長野の糞虫師匠様には感謝感謝です。成虫の寿命を知りたくて、いただいた成虫(2018年採集)と幼虫から育った新成虫(F1)を分けて飼っているのですが、なんと!成虫(2018年採集)の容器から7/18に10匹の幼虫と共に6粒の卵を見つけました(写真1、2枚目)。
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 ダニの被害を少なくするため、フレークを一度冷凍させて使ったので、他の生き物が混入する可能性はほとんど無いと考えています。この卵とフレークをプラ容器に移して観察していたのですが、7/23に孵化直後と思われる幼虫を1匹発見(写真3枚目)、7/31に1令幼虫3匹を確認(写真4枚目)。8/3にはかなりしっかりとした1令幼虫(2匹)に成長していることが確認できました。
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 私は糞虫の幼虫を同定する知識も経験もありませんが、状況証拠とこの2か月間で延べ千匹以上見たコブナシコブスジコガネの幼虫ととても似ていることから、この2匹はコブナシコブスジコガネだと考えています。順調に成虫まで育ってくれるといいのですが・・・。

今日はここまで。
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 東京のタガメ博士の指導を受けながら繁殖に挑戦していたタガメ。無事に越冬させて、ついに産卵まで漕ぎ着けました。指折り数えて10日、シマシマ卵の上部の蓋がパカッと開いて、黄白色の幼虫の顔がいくつも見えてました。蓋が閉まっている卵も黒い目玉が殻越しに透けて見えていました。でも、出て来なかったのです。やがて、どこからともなく現れたダニに喰われてしまいました。
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 タガメ博士に報告すると、卵が乾燥して硬くなっていて幼虫が出てこれず、力尽きて死んだのでは?とのこと。死んで腐敗したのでダニが集まって来たと考えたほうが良いのではないかとの見解でした。エアコンもない部屋の中の水槽で飼っていたので、湿度が高すぎてカビるのではないかと警戒していたのですが、逆でした。9月頃まで何度か産卵するので、まだチャンスはあるとのこと。親虫の体力回復を待って、再度トライします。

今日はここまで。
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昨日の続きです。昨日のブログの幼虫の写真の中に、大きくて黄白色の個体がいます。こういった奴らは数日の内にあまり動かなくなり、蛹になる準備を始めるのです。で、実際に蛹も見つかりました。(写真1.2,3)
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 日本各地の生息地で絶滅が危惧されている最希少種オオコブスジコガネを飼育する機会に恵まれ、しかもその幼虫と蛹を一度に見れるなんて、一年前までは夢にも思ってませんでした。長い日本の糞虫研究の歴史を遡っても、オオコブスジコガネの生きた幼虫や蛹を実際に見たことがあるという日本人は、そう多くはないと思います。まぁ「見たい!」と言う人もそう多くはないと思いますけどね。

今日はここまで。
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 私は大変な糞虫好きですが、コレクターではないので、珍しい種類の標本はあまり持っていません。ダイコクコガネですら自分で採ったことがないので、超糞虫好きの九州大学の学生さんに借りて展示しているくらいです。なので、長野の師匠に送っていただくまでは、『日本産コガネムシ上科図説(食糞群)』で最希少種とされているオオコブスジコガネ(★★★★★)なんか、当然見たこともありませんでした。師匠に生息環境や飼い方のコツを伝授していただき、不思議な鳴き声に耳を傾けたりして、楽しく観察してました。でも、この種の出現期は5~9月と記載されており、南方系のコブスジコガネとの説もあって、季節に関係なく産卵し幼虫も育ちますが、冬になると成虫も幼虫も死んでしまうらしいのです。とすれば、ウチのも幼虫が育っているかも・・・。というか、鳥の羽根をよく食べてはいるし、じょりじょりと砂を掘っている音が聞こえたり、鳴き声が聞こえたりはするのですが、姿が見えない。砂の中にまで羽根を引きずり込んだ残骸も多数確認できており、もしかしたらという期待もありました。
 砂の状態は、表面はさらさら乾燥、1~2cm掘ると湿り気があり、握ると辛うじておにぎりが結べる感じ。狙い通りにコントロールできています。注意深く砂を除けていくと、5cmくらいの深さのところから、小さな幼虫がポツポツと10匹ほど出てきました。このプラケースにはオオコブスジコガネの成虫が6匹いるだけですから、その幼虫に間違いありません。(写真1枚目)
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かなり大きめの幼虫も出てきました。終令(3令)幼虫でしょう。成虫と比べても負けないくらい堂々たる大きさです。(写真2,3枚目)
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 オオコブスジコガネとコブナシコブスジコガネの幼虫を比べると、大きさ以外にも結構違いがあります。オオコブスジコガネの方が動きが早く、6本の脚を使ってスタスタとかなりのスピードで歩き回ります。そのせいでデジカメ写真はピンボケばかりです。外観の違いは、大顎が大きいこと。しかもけっこうケンカ好きで、ほかの幼虫にぶつかったりすると、大顎をガッ!と開いて威嚇します。でも、基本的にはこの大顎は骨や羽根の芯、干乾びた肉をかじるために大きく発達したものと思うのですが、どうでしょう?

今日はここまで。
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