むしむしブログ

2020年02月

 『月刊むし』の「今月の虫」のコーナーで標本にまつわることをエッセー風に書いたのですが、それに感動(?)したあの河原氏が素敵なプレゼントを持って、ならまち糞虫館に来てくださいました。「あの河原氏」でピン!ときた人は相当の糞虫ファンですね。そうです、あのむし社「糞虫本3部作」(糞虫館でも定価で好評販売中!)すべてに深くかかわった河原正和氏です(『日本産コガネムシ上科図説』の著者の一人でもあります)。そのプレゼントがこれ(写真1枚目)。
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 さすがに年代を感じさせますが、まぎれもなく1947年10月9日にウエズミ氏によって採集された奈良公園(奈良・春日山)のヤマトエンマコガネ(Onthophagus japonicus)です。この標本はその後、日本糞虫界の重鎮で日本列島糞虫記などでも有名な塚本珪一先生の手に渡り、さらに糞虫界を牽引するコガネムシ研究会の河原氏のもとで保管されていたものなのです(写真2枚目)。
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 ならまち糞虫館はオープンしてまだ1年半ですが、何とかあと27年間維持して、このヤマトエンマコガネの100歳のお誕生日を祝ってやりたいと思います。その頃は奈良公園の糞虫達はどうなっているでしょう?ヤマトエンマコガネが復活しているかも!? 少なくとも、ヤマトエンマコガネや最近のクロツブマグソコガネのように「昔はたくさんいたんだけどなー」とならないことを祈らずにはいられません。いや、祈るだけではダメですね。行動せねば。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!
 

 この3連休は、初日の土曜日は一時激しい雨が降ったものの、2日目の天皇誕生日も3日目の代休も快晴。風もなく気温も12℃を超えていたようで、奈良公園の梅林は満開でした。冬の糞虫といっても寒いのが好きかというとそんな感じはなくて、冬の暖かい日の方が活発に活動するようなので、いろんな種類に会えるに違いないと、かなり期待して行ってきました。
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 昼前頃に春日大社の大鳥居あたりから参道に沿って観察を開始、バス通りを越えて広い芝生が広がる飛火野の端まで行ってもほとんど糞虫を見つけられず、ちょっと焦りました。まあ、チャグロマグソコガネやミゾムネマグソコガネはしっとりとした森の中が好きなので気になりませんが、マグソコガネやネグロマグソコガネ(写真1枚目)も全然見つけられなかったのですよ。糞虫館に来る方には「冬でも数種類の糞虫がいろんな場所で活動しています」と言っている手前、いませんでした、では済まされませんからね。結局、這いつくばるように地面に顔を近づけてよーく探すと、小さな冬の糞虫達を見つけることができました。本当に小さいです。私の視力が落ちたのかもしれません。この日に確認できたのは、マグソコガネ1、ネグロマグソコガネ7、チャグロマグソコガネ10+、ミゾムネマグソコガネ10+、セマダラマグソコガネ7、オビモンマグソコガネ1、クロツツマグソコガネ1でした。
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 チャグロ、ミゾムネとも、湿り気のある森の中のしっとりした新しいイノシシの糞にたくさん来ていた(写真2枚目)のを観察できてよかったです。イノシシの糞は、地面が乾燥しているとすぐにカチカチに硬くなりますが、森の中の湿り気が多い場所だと表面が柔らかいままみずみずしさが保たれ、小型で非力な冬の糞虫でも潜り込めるようです。奈良公園でもイノシシの糞を見かけることが多くなっていますが、その多くに糞虫は来ていません。泥が多く含まれていてマズいせいだと思ってましたが、味よりも硬さが問題なのかもしれません。

今日はここまで。
続きは週末に糞虫館で!
 

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 虫好きの人は必ず一度は訪れる、東京中野のむし社(最近、中野の近くの高円寺に移転したらしい)。そのむし社の冊子『月刊むし』は、約50年間継続している隠れた超ロングセラーであり、その3月号(第589号 写真1枚目)が2月24日に発売されたのですが、その1ページ目の人気コーナー「今月のむし」になんと!私の書いた「ヒメコブスジコガネ」が掲載されました。もちろん、ただの糞虫好きの私の書いた文章なので専門的なものではなく、ちょっとしたエッセーなのですが、あの『月刊むし』に掲載されたことに違いはありません。この写真(写真2枚目)では読みにくいと思いますので、ぜひ1冊買って読んでください(笑)。
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『月刊むし』はここから注文できます。→ http://www.mushi-sha.com/products/list.php?category_id=27

今日はここまで。
また明日!
 

 素人ながら、”糞虫館”なんてものをオープンさせたおかげで、いろんな方とお話しさせていただけるようになりました。もちろんマニアックな虫好きの方もいらっしゃいますが、「子供が虫が好きで・・・・」というご家族や自然大好き!のシニアの方なども多く、これまでに2,000人ほどの方と『虫』をきっかけにお話しをした計算になります。
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 先週は、公益財団法人 大阪自然環境保全協会の会員の方とお話しして、自然観察インストラクター養成講座というものの存在を知りました(写真1枚目)。この協会は身近な自然を愛し、これを守り育てたいと願う市民がボランティアで活動している自然保護団体(当協会HPより)で、市民による里山管理・保全運動、市民環境調査、また啓発活動として自然やその保全について学ぶ講座や学習会、観察会などを開催しているのですが、インストラクターはそのリーダー的な役割を果たすようです。もちろん、参加者からの様々な質問に答えたり、自然観察のルールやマナーから野外での活動の危険回避策に至るまで、広い範囲の知識とスキルが必要なので、それを1年弱で効率的に学べるのがこの講座(写真2枚目)だそうです。
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 行き届いた指導が必要なので募集人数は20人ですが、29,000円で27回の講習が受けられるなんて破格の価格設定です。先週まだ空きがあると言っていたので「糞虫館のむしむしブログを見て申し込みました!」と言えば、定員オーバーでもOKになるかも?! 私も特定非営利活動法人 シニア自然大学校で1年間学んで、その流れで奈良・人と自然の会という里山の保全活動をするグループに入っています(でも幽霊会員です)。同じ価値観を持った新しい友達作りには最適だと思いますので、一度覗いてみてはいかがでしょう。
   
Webサイト    http://www.nature.or.jp   〔ネイチャーおおさか〕で検索!
Facebook     http://www.facebook.com/NatureOsaka

今日はここまで。
また明日!

 今はもうやってないのですが、結構変な人ばかりが出演する深夜の人気ラジオ番組「秘密結社大阪ぴかぴか団」の出演者のイベントでたまたま出会ったのが、コスタリカのバックマンこと西田さん。昆虫が好きで、中学卒業後アメリカに渡って、まだ大学院にいるうちに昆虫の宝庫コスタリカに行っちゃって、住みついて、結婚して、あちらでずーっと虫の事を研究しているらしい。虫を入れる大きなビニール袋を腰にいくつもぶら下げてジャングルを駆け巡るので、現地の人は彼をバックマンと呼ぶらしい。 
 詳細【コスタリカ昆虫中心生活】は、コチラ→https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20110512/269653/
 一度糞虫館に来てねーと言ってはいたものの、ホントに来てくれるとは。しかも家族で。こっちの方が驚きました。糞虫館では皆でスカラベがふんころがしてるビデオを見て楽しみました。中南米にはタマオシコガネは分布してないから、さすがのバックマンも興味深そうに見てましたよ。
 ああ見えても(写真1枚目の後列中央)彼はとても真面目で、このすばらしい地球環境を次世代に伝えるために、小さい時から子供が自然や生き物の親しみ、関心を持つようにすることの重要性をよく口にして、彼自身様々な機会をとらえて積極的に行動しています。ステキです。でも、彼から私へのアドバイスは「子供にウンチで自由に遊ばせるとメチャクチャ喜ぶよ。ぜひ、やってみてください。」 なんじゃ、それ?!
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 「汚いとか言って絶対触らないのは、大人がそう教えるから。」 彼は今の大人が作りだした人類や環境の歪みを何とか元に戻せないかと、苦悩しているようにも見えました。んー、私の見間違いかもしれません(笑)。

 西田賢司氏のホームページはhttp://www.kenjinishida.net/jp/indexjp.html  眺めるだけで感動する世界です。

今日はここまで。
また明日!
(写真はご本人の了解をいただいております)

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