むしむしブログ

2020年10月

 飛鳥公民館の主催で先週の日曜日(10/18)、奈良公園でたっぷりと糞虫の観察会を楽しんできました。飛鳥公民館は、私が小学3年生の夏から通った飛鳥小学校に隣接した場所にあり、映画の上映会や健康サロンなどの講座やこども食堂などの自主グループが様々な活動を行っています。昨年は縁あって糞虫講座をやらせていただいたのですが、話を聞くだけより実際に探して観察したほうがオモシロい!ということで、今年は1回目は講座(写真1枚目)、2回目は野外観察と、2部構成にするお話をいただき、やってみました。
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 コロナ対策で定員を半分にしており、さらに雨で1週間延期したので運動会と重なるなどして、結局観察会に親子で参加できたのは5組。前日は夕方まで雨が降っていたので良いコンディションとは言えず、内心ドキドキしながらの開催でした。前半は明るい芝地で探しましたが、ウスイロマグソコガネとカドマルエンマコガネが数匹見つかっただけで終了(写真2枚目)。ここでオオセンチコガネが見つからないのは想定通りですが、糞虫の数が少なく「ぜんぜんみつからなーい」なんて声も。なかなか辛い時間帯です。
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 後半は、薄暗い森に入った所でポイントを説明、再び糞虫探し。するとすぐに「あ、いた!」の声が。なんと、もうメインディッシュのオオセンチコガネが見つかっちゃいました。シナリオとしては、いろいろ探して、明るいところでは見られなかった種類の地味な小型の糞虫を見つけてから、最後にルリ色に輝くオオセンチコガネが見つかる、だったんですけどね。一匹見つかるとみんなのテンションが一気に急上昇、あちこちで歓声が上がるようになりました(写真3枚目)。たくさん見つかったので、余裕をもってオス・メスの見分け方とかゴホンダイコクコガネの掘り出し方とかを伝授することができました。
 はたして謎解きになっていたかどうかは怪しいのですが、子供も大人も虫や自然をいっそう好きになってくれたことは間違いありません。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!

糞虫館設立に至るまでをノンフィクション童話作家いどきえりさんが楽しい物語にした『糞虫に夢中』(くもん出版)。その出版記念イベントを啓林堂書店奈良店さんが企画してくださってたんですが、10/17はひどい雨で1週間延期に。10/24(土)はお天気良さそうなので、楽しみにしています。要予約なので、まずは啓林堂奈良店までご連絡をお願いいたします。
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今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!

 ならまち糞虫館のミッション(mission)として、①糞虫の存在を知ってもらう ②自然や環境に関心を持ってもらう というのがあります。同時に、事業として成り立つ経営を目指しています。テレビ出演は糞虫や糞虫館を知ってもらえるいいチャンスなので、ありがたいお話です。だって、ストレートに言えば、タダで広報活動できるわけですからね。でも、今回は生放送でめちゃくちゃ緊張しました。担当の方は、丁寧にこんな風に進めますからと事前に打ち合わせをしてくれていたのですが、実際に番組が始まると、緊張した時の悪い癖で、余計なことや細かいことを思い付きで勝手にしゃべりだしてしまったのです。それでも、あとで映像を見返すとそれなりにまとまっているのは現場の皆さんの臨機応変の対応のおかげなのでしょう。
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 ホントは、くもん出版さんに出していただいた『フン虫に夢中』(著:いどきえり)の紹介や啓林堂書店さんが今週末10/24(土)に企画してくれている『お話会&観察会』の告知をする手はずだったのですが、11分間の割り当て時間があっという間に過ぎ去り「残り45秒」というボードが出たので頭は真っ白、参加費の2,000円が「本代(税込)+糞虫館入館料+カラー小冊子」込みであることを言えなかったんです。悔やまれます。写真は番組終了後ですが、私だけまだ表情が硬いですね(写真1枚目)。
 幼い時も、学生の時も、サラリーマンの時も、こんな悔やまれることが山のようにあったはずなんですが、『フン虫に夢中』には出てきません。糞虫の魅力の前にはとるに足らないということなのかもしれませんね。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!

 ムネアカセンチコガネをとらえる術を身に着けたとたん「ムネアカセンチコガネは意外に身近にいるんですよ」なーんてエラそうに言うようになった自分が怖いんですが、これは人間性の問題ではなく、たんにFlight interception trap (FIT) という採集方法をやるかやらないかの違いだけですね。といいつつも、なんか自分の採集技術が大きくレベルアップしたような気がします。そりゃー40年間で死骸2個しか見つけられなかった虫を半月で10匹捕まえたのですから。
 この魔法のようなFITは、狙う虫によっていろんなタイプがあるようですが、最初に考えた人はスゴイ!糞虫に使い始めた人は本当にエライ!と思います。私なんて糞ばかりを追いかけてきたので、糞に来ない糞虫には出会えるわけないんですよねー。もちろん、この採集方法もいいことばかりではないんですが、とにかく実物を捕まえて観察しないと何も始まりませんから。
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 前置きが長くなりましたが、実は10/12昼頃設置したFITを暗くなってから見に行ったら、エンマコガネが1匹水盤に浮いていました。大きさはカドマルエンマコガネよりやや小さい感じで、なぜか滑って少しつまみにくかったのを覚えています。息を吹き返して動き回る姿をフィルムケース越しに見てもエンマコガネと思っていましたが、ふたを開けてみると胸や前翅に薄汚れたような肌色の模様が・・・(写真1枚目)。
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 ヤマトエンマコガネ?いやいや、ツヤがないし色も違うし、あれー、毛むくじゃらだなー(写真2枚目)。で、顔をよく見ると大きな牙が見えた(写真3枚目)のでようやく →あ、センチコガネ?! →アカマダラセンチコガネだ!! とわかりました。
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 FIT回収時すでに暗くなっていたので、普通のエンマコガネと思ったものの念のためその場で解放せずに持ち帰ったのは、持って生まれた”運”の強さかもしれません。ムネアカセンチコガネに続く「自分史上初」の世紀の大発見につながりました。以前、糞虫界のプリンスこと中谷君が、この場所に仕掛けたFITで1匹採れたよと教えてくれていたおかげです。ありがとー!
 何を餌にして飼えばいいのかわかりませんが、昆虫ゼリーで様子を見てます。うまく生きていれば今週末、糞虫館で生きたアカマダラセンチコガネとムネアカセンチコガネを見ることができます。

今日はここまで。
週末は糞虫館で会いましょう!

 40年間追い求めていたムネアカセンチコガネが続けざまに簡単にFITに落ちたので、そのあまりの効果にちょっと怖くなって、それに台風も来ていたので、10/2に撤収した後、しばらく使っていませんでした。
 10/12に再度FITを仕掛けに行ったのですが、その時に前回撤収漏れしていたFITがひとつ、そのまま台風にも飛ばされずに残っていて、なんとその水盤にムネアカセンチコガネが6匹沈んでいたのです。その他にオオセンチコガネ2匹、センチコガネ2匹などで、状態がかなり悪くなっていたので、台風が接近する前に落ちたと思われます。
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 FITは出来れば半日か1日に1回見回るのがいいと考えています。この間隔であれば、水盤の中で死んだように硬直した糞虫でも、大抵は翌日になると何事もなかったかのように動き回っています。無駄な殺生が避けられますし、糞虫の活動時間帯を推測することもできます。まあ、ゴミムシや羽アリ、バッタ等は救えませんが・・・。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!

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