むしむしブログ

2020年10月

 今までにコケシマグソコガネを見たのは、奈良公園のシカ糞の下の砂地からたまたま見つけたのが2回と兵庫県の夢前川河川敷の砂をふるって1匹見つけた計3回のみ。最も一般的な種類といわれるホソケシマグソコガネは、見たことがありませんでした。虫がいるのかいないのかもわからないところの砂をひたすら篩い続けるという気の遠くなるような作業は、なかなかフツーの人には出来ることではありませんから。
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 今回は、奈良市内を流れる富雄川の河川敷でハバヒロケシマグソコガネらしき虫を採ったとの情報を得て、意を決して篩を持って行ったのですが、30分もたたずにギブアップ。犬フンを探して河川敷をさまよったものの見つけられず。初めての場所での採集はやっぱりむづかしいなーとぼやきながら車に戻る途中、水の流れていない乾いたU字溝の底に少し溜まっていた砂と枯草を「こんなとこにいたりして」と見たら、いたんです!しかもB5版ほどの面積の砂と枯草の塊を丁寧に見ていくと、もう出るわ出るわ、数えるのを止めましたが、30匹以上いました。1mほど離れたところの同様の砂と枯草の塊にも、よーく見ると10匹以上確認できました。ちょっと色合いや大きさが違う個体がいるように見えた(写真1枚目)ので、20匹ほど持ち帰りました。で、実体顕微鏡でよく見ると、コケシマグソコガネ(写真2枚目)とホソケシマグソコガネ(写真3枚目)だったというわけです。
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 富雄川の土手の上に設けられたU字溝なので、普段は水は流れていないようでした。幅・深さとも30cmほどあるので、落ちたら最後、よじ登ったり飛んで逃げることができず、いうなれば超大型のピットフォールトラップ(落とし穴式の罠)みたいになっているのかも!? スナゴミムシダマシもたくさんいました。U字溝のゴミ溜りは、砂を篩う忍耐力の無い人にとっては、意外に狙い目なのかもしれません。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!
 

 奈良テレビで平日の夕方17:30~18:30に放映されている人気情報番組「ゆうドキッ!」には、以前出たことがあるのですが、その時は取材に来てくれて録画して編集後に放映されたので、しどろもどろの応対だったにもかかわらず、出来上がりは自分の予想を大きく上回る出来栄えでした。さすがプロですね。でも、今回はスタジオに行っての生出演なので失敗は許されません。入念な打ち合わせがあるのかと思ってましたが、始まる直前に30分程打ち合わせをする程度。まあ、テレビ局の人はみな忙しくしているので、ちょっとの間だけ出て、ちょっと喋るだけの人の世話を焼いている時間はないのでしょうね。もう、いまからドキドキしています。お楽しみに―!

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!
 

 私が書いたわけではありませんが、私の幼い時から糞虫館オープンするまでの半生が描かれた『フン虫に夢中』、特に小学生のいるご家庭にはぜひ読んで頂きたい、おススメの一冊です。ネット全盛の時代、活字離れが進む中、糞虫の聖地奈良公園とならまち糞虫館のある地元奈良での普及を目指し、啓林堂書店さんと一緒にイベントを開催いたします。

 日時 : 10月17日(土) 午前10:00~12:30
 場所 : 啓林堂書店 奈良店2F 近鉄奈良駅 出口④、小西さくら通り商店街入ってスグ
 内容 : 10:00 ならまち糞虫館館長の糞虫トーク&スライドショー
      11:00 奈良公園で糞虫観察会(現地解散)
   参加費:2000円(『糞虫に夢中』(税込1540円)と糞虫館入館チケット付き)
     親子同伴の場合、小学生1人まで参加費無料
 特典?:希望者には糞虫館館長がその場で本にサインします!
 申込先:啓林堂書店 奈良店 0742-20-8001

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 本をもう買ってしまった方でも、空きがあれば500円で参加可能(糞虫館入館チケット付)です。ぜひ、ご参加ください。お待ちしています。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!


 9/10(木)にいどきえりさんのノンフィクション『フン虫に夢中』が発売されて1ヶ月が経過。じつは、発売日に奈良市役所の記者クラブで、出版社のくもん出版様、著者のいどきえり様と並んで、約1時間にわたりこの本の刊行発表会見を行いました。読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、共同通信社、奈良新聞、奈良テレビなど多くの報道関係者が来て下さり、多くの質問がなされるなど奈良における糞虫関連書籍への関心の高さを感じることが出来ました。その後、糞虫関連の記事の掲載や取材が断続的にあって、多少なりとも糞虫の認知度向上に貢献できたのかな、と思っています。

9/10 奈良市役所 記者クラブ 刊行発表会見
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9/10~ 啓林堂書店 奈良店・大和郡山店 刊行記念「糞虫パネル展」
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9/16 産経新聞 掲載「糞虫に魅了 半生描く」
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9/20 読売新聞 掲載「シカのフン 食べるの夢中」
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9/22 朝日新聞 掲載「糞虫に夢中の半生 児童書に」
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10/6 朝日テレビ 取材 報道・情報番組「キャスト」(11月上旬放映予定)
10/13 奈良テレビ 放映 暮らしの情報番組「ゆうドキッ!」(スタジオ生出演) 

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!

 ご存じの通り、ムネアカセンチコガネは糞に集まる糞虫ではありません。奈良公園にも生息していますが、40年間糞を見てきた私も一度も見たことがないので、本当にそうだと思います。で、今回は初めてFIT(フライト・インターセプト・トラップ)を試してみたら、すんなり採れたのです。FITというのは、虫が飛びそうなコースに透明の板を立てて、板にぶつかって落ちた虫を水盤で受けるという、ホンマかいな?!というような方法です。
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私は、その方法があることは以前から知ってましたし、その方法でかつては珍種と言われていた糞虫がコンスタントに採集される話も聞いていました。だけどねー、A3サイズの濁った半透明の板に、いるかいないかわからない虫がうまい具合にぶつかってポトリと水の中に落ちるなんて、そんなウマい話があるかいな、と心の底で思ってて、仕掛けを作るのも面倒だったので、ただの一度もやったことがなかったのです。
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 今回は、糞虫界のプリンス中谷くんの手ほどきを受けて装置を作り、過去に採集記録のある公園で、自分が糞虫だってらここを飛ぶ、と思う場所10ヵ所に仕掛けました。ボイントはズバリ、設置場所ですね。ムネアカセンチコガネは明るい草地に住み、また低いところを飛ぶので、草地の中のけもの道や樹木の間が狙い目。まぁ、騙されたと思ってやってみてください。
 その後、9/28日に採れたその場所で、またまたムネアカセンチコガネ2匹が追加で採れています。今更ながら、FITは優れた採集方法であることに驚いた次第です。ただ、糞虫以外にゴミ虫などが結構たくさん落ちていて、翌日回収しても半分くらいは溺れ死んでいるので、少し心が痛みます。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!

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