むしむしブログ

2021年03月

 よくあることですが、正確なタイトルではありませんね。読売新聞の夕刊には、独自の視点で面白い場所を写真も使って〇〇の聖地として紹介する「あちこち聖地」という人気のコーナーが月2回あるのです。で、奈良公園の糞虫が取り上げられ、一緒にならまち糞虫館も紹介されたというわけです。すでに店頭から撤去されていると思いますが、昨日(3/30)の読売新聞(関西版?)の夕刊に載りました(写真1枚目)。中国、四国地方は夕刊がないので、そのうち朝刊に出るかもしれないそうです。
20210330読売夕刊あちこち聖地2-1
20210330読売夕刊あちこち聖地-1

 マスクで私の顔がほとんど出ていないし、カメラマンのこだわりで虫目線の奈良公園の写真だし、記者さんが実際にシカ糞をむぎゅっとしたときの感触を自然の循環に絡めてうまく表現してるし、糞虫の存在とその役割をしっかり世に伝えてくれたと喜んでいます。ホント、この記事を読むと、さっそく奈良公園に出かけて糞をほじりたくなりますよ。
 取材で奈良公園に案内したのがまだ肌寒い3月中頃で、しかも前日から雨が降っていたのでルリセンチコガネに会えなかったのですが、ぜひ自然の中でキラリと輝く「糞虫の聖地の宝石」を見つけてほしいものです。

今日はここまで。
週末、糞虫館で会いましょう!

 実験のスタートが3/11なので、ちょうど10日を経過した3/21時点でどうなっているか、中間結果の発表です。容器は4つで、いずれもスタート時の糞の量は33gです。
①29.2g(通気穴有りの容器に糞と冬のマグソ18匹)(写真1枚目)
➁29.1g(通気穴有りの容器に糞のみ)(写真2枚目)
Ⓐ32.1g(通気穴無しの容器に糞と冬のマグソ18匹)(写真3枚目)
Ⓑ32.0g(通気穴無しの容器に糞のみ)(写真4枚目)
 現時点での結果から言えることは「タニタのデジタル秤は0.1gまでしか計れないので、冬のマグソが食べた量は測定不能」でした!! 通気穴のある①と➁は10日で4g近く軽くなりましたが、ほぼ密閉状態のⒶとⒷは1gほどしか軽くなっていないので、4つの容器のシカ糞の重量が減った理由は水分の蒸発ですね。ⒶとⒷの容器の内側にはいつも水滴がついていたので、その水分が通気穴がある容器では外へ出ていたと考えられます。
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 不思議なのは、①やⒶのシカ糞は糞虫によって2~3割が粉砕されていたので、水分の蒸発が促されて➁やⒷよりも軽くなると思ったのですが、今日までに実施した5回の計測でも全く差が出ませんでした。容器に蓋に開けた小さな穴くらいではだめなのかな?
 マグソコガネの仲間は体重が軽くて、18匹合計でも0.1g未満(計測不能)でした。彼らが減べる量も水分の蒸発による重量変化の前にかすんでしまったようです。では、冬のマグソコガネたちは、奈良公園のシカ糞処理に役に立たないのでしょうか?長くなるので、今日はここまで。

週末、糞虫館で会いましょう!

 林の中で冬の糞虫たちに混ざってこのヌバタママグソコガネが見つかるようになると、春の訪れを感じます。昨年もほぼ同じ時期に「ヌバタママグソコガネ、出てます」とブログに書いてます。今年は、イヌ糞からですが、すでに3/9にクロツヤマグソコガネとクロマルエンマコガネを観察してますので、奈良公園の早春の糞虫は出そろった感じです。オマケでクロツツマグソコガネも1匹見つかりましたが、クロツツマグソコガネやヒメツツマグソコガネは一年を通して成虫の姿が見られるので、コイツらには全く季節は感じません。
 この冬は観察にあまり行かなかったせいか、オビモンマグソコガネをまだ見ていないのが気になりますが、すでに気持ちは4月以降のクロツブマグソコガネ、ヒメコマグソコガネ、マルツヤマグソコガネに行っちゃってます。コイツらは数が少ないうえに出現期間が限られているので、うっかりするとまた1年待たないと会うことができないので。その他、昨年初めてトライして予想もしなかった大きな成果を上げたFITも4月頃から仕掛けたいし。オオセンチコガネやゴホンダイコクの飼育・繁殖もやりたいし。なーんて考えるだけで楽しくなってきます。まあ、実際は考えることの半分もできませんけどね。でも、20個考えて10個やる方が10個考えて10個やるよりイイんじゃないかなー。だって、たくさん考えるだけたくさん楽しめますからね!

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!

 冬でも奈良公園にはたくさんのシカがいて、地面にへばりつく草や木の皮まで食べてたくましく暮らしています。春から秋に比べると食べ物が圧倒的に少なく、糞の量も半分以下になっているのではないか(根拠のない想像です)と思うのですが、それでも計算上は毎日約500㎏(120g×7回×1300頭)/2 にもなります。これだけ大量の糞に対し、冬の糞虫たちはどれくらい役に立っているのでしょうか?
 先日、このブログでも紹介しましたが、大阪教育大附属天王寺小学校3年の矢野さんがオオセンチコガネがどれくらいの糞を処理するか、興味深い実験をしていました。ちょっと先を越されてしまいましたが、私も冬のマグソコガネたちを使って、彼らの糞処理能力を測定してみました。私のエライ所は、水分の蒸発量も考慮してこの実験を計画したことですね(自画自賛!)。
 プラ容器4つにシカ糞を入れ23.0gに揃え、びちょびちょにならない程度にまで霧吹きで糞に水を含ませて、総重量を33.0gに揃えました(蓋は除く)。
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 容器①➁(写真1枚目の左側)は蓋に通気用の穴を開け、①はチャグロマグソ12匹+ネグロマグソ6匹を入れ➁は糞のみ。容器ⒶⒷ(写真1枚目の右側)は蓋に通気用の穴を開けず、Ⓐはチャグロマグソ12匹+ネグロマグソ6匹を入れⒷは糞のみ。
 実験に使ったマグソコガネたちは3月9日に採集し、その後2日間絶食させてから容器①Ⓐに移しました。重さの測定には、0.1gまで計れるタニタのデジタル秤を使っています。ちなみに、18匹のマグソコガネの投入後も容器の総重量に変化はありませんでした。
つづく

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!

 自然が守られ、1,300頭とも言われるシカのいる奈良公園は日本有数の糞虫の生息地で、多くの種類の糞虫がたくさんいることに間違いありません。で、私はあちこちで「糞虫がシカの糞を掃除してくれているので美しい奈良公園が保たれている」と言いふらしています。
 奈良公園には冬でも多くのシカがいて、かなり量は減るとは思いますが、やはり大量の糞を撒き散らしています。で、私はあちこちで「奈良公園には冬に元気に活動する糞虫がいて、そいつらがシカの糞の掃除をしてくれている。」と言いまくっています。一方で、冬の奈良公園で実際に糞虫を見たよ!と言う人は、ほとんどいません。本当に糞虫が頑張って掃除しているのでしょうか?
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 1枚目の写真は、3月9日午後に見つけたまとまった新鮮なシカ糞で、約150粒ほどありました。3日後の3月12日朝撮ったのが2枚目の写真。まだ私は糞には触れていないので正確にはわかりませんが、糞虫が来ている様子はありません。糞の粒数は少し減っているように見えますが、周囲に散らかっただけで、糞虫が食い散らかしている様子はありません。冬ですから、ルリセンチコガネが運び去ることも考えられません。
 もう少し、観察を続けて報告したいと思います。

今日はここまで。
週末、糞虫館で会いましょう!

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