むしむしブログ

2023年09月

 先週の9/8に奈良学園小学校で出張授業をやったのですが、その時にNHKテレビのほか奈良新聞の記者さんもいらっしゃいました。私にはあまり興味はないらしく、生徒から授業の感想や印象に残ったことをいろいろ聞いてました。それにしても、今どきの小学生(まだ3年生)は大したもんです。大きなテレビカメラを背にマイクを向けて来るおねーさんにひるむことなく、堂々と受け答えしてました。
 その日のうちにNHKニュースで放送されて「見たよー」というメールをあちこちからいただいたのですが、翌日友達が持ってきた奈良新聞を見てまたびっくり!「ならまち糞虫館 中村館長が解説」と大きな文字で出てました。こういうのって、やっぱりうれしいですよね。
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 私が糞虫のお話をする時に常に心がけていることは、糞虫が自然の中で果たす役割を知ってもらうことで生き物たちが暮らす環境に関心を持ってもらうということ。なので、記事の中で「シカの糞を糞虫たちが分解している。糞虫のおかげで奈良公園の環境が保たれている」ことをきちんと伝えてくれたことに感謝、感謝です。だって、今回私の糞虫の話を直接聞いてくれたのは約50人。奈良新聞のこの記事を読んでくれた人は奈良県だけでも数万人はいるんじゃないかな? だから「奈良新聞さん、ありがとう!」なのです。

今日はここまで。
週末は糞虫館で会いましょう!
『たくましくて美しい糞虫図鑑』(創元社)は全国の書店で好評発売中!
  

 一昨日、このブログで予告した通り、ペアのフンコロガシ(スカラベ・サクレ)が7/14に埋めた糞玉を掘り出して割ってみました。8/20に1個目を割った時はハチミツ色の美しい蛹が出てきたので、今回もかなり期待していました。でも、プラケースの外側からは地下室が見えていなかったので、そもそも糞玉は残っているのか?産卵したのか?わからない状態でした。ケースをひっくり返して土を出すと、そこに地下室が現れ、やや大きめの糞玉が見えました。ケースの底の真ん中あたりに地下室を作っていたようです。(写真1枚目)
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 糞玉はしっかり仕上げられており、出っぱりのある西洋梨型つまり産卵されたものでした。(写真2枚目) 周囲には繊維状の細い菌糸みたいなものが絡みついていましたが、特に異常は見られません。1個目の時は黒いヘドロのような薄い土壁一枚になってましたが、今回はなってません。
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 うまく育っていれば蛹がいるはずですから、カッターナイフで慎重に少しずつ切り込みをいれていきます。壁を貫通するとナイフの通りが軽くなるのでわかります。中の虫を傷つけないようにそこからはピンセットで穴を開け、穴を大きくしていきます。中はくりぬいたような空洞が出来ていますが、蛹がいません。空っぽです。よく見ると、幼虫の皮らしきものが残っています。(写真3枚目)
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 産卵、孵化までは順調だったものの、幼虫が少し育った段階で死んでしまったようです。糞玉の中心付近まで食べ進んでいましたが、糞玉の重さはまだ20gもある(写真4枚目)ので、水分の減少等も考慮すると恐らく3分の1も食べてないと思われます。空洞内にはダニの発生はなかったので、今年から実施している熱湯消毒は一定の効果があったと考えられます。この糞玉は大きくてしかもペアが埋めていただけに期待が大きかったのですが・・・本当に残念です。

今日はここまで。
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 奈良学園小学校で出張授業をするのは3回目。その他にもSDGs関連学習卒業遠足などで糞虫のお話をしているので、奈良学園小学校の子供たちの糞虫に関する関心と知識のレベルは日本一だと思います。まぁ、糞虫の聖地である「奈良」の名を冠する小学校ですから、当然かもしれません⁉
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 奈良学園小学校の理科室は、大型モニター2台にPC画面を鮮明に表示させて授業ができるほか、HDMI接続しているビデオカメラと簡単に画面切換ができるので、今回はフンコロガシ(スカラベ・サクレ)の糞玉作りや糞玉転がしの様子を動画で紹介することができました。さらに子供たち2人に1台の実体顕微鏡が用意されている(!)ので、前回(2021年9月)に続き今回も米粒サイズのマグソコガネの仲間の種の同定にもガチでチャレンジしてもらいました。顕微鏡の基本操作や糞虫の種の同定のポイントを学ぶとともに、顕微鏡を覗く楽しさや同定の難しさを肌で感じてもらえたと思います。
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 以前もこのブログに書いたことがあるのですが、奈良市内の小学校は毎年「糞虫学習」を実施すべきですね、マジで。今回、NHKテレビと新聞社(奈良新聞、産経新聞)がこの出張授業の取材に来たのは、この小学校の取り組みが「環境」について深く学ぶ「奈良らしい」好事例で、子供たちが糞虫を通して奈良の自然や生き物への関心を高めるのに適した内容だと思ったからではないでしょうか。ならまち糞虫館では、今までに小学校の子供たちだけでなく中学・高校の学生や先生を対象にした講演会や観察会も積極的に実施していますが、まだ活動は途に就いたばかりです。糞虫館の開設時から掲げるmission(使命)は「糞虫の面白さを通して、自然に関心を持ってもらう」。子供やそのご両親、さらにお爺ちゃんお婆ちゃんにも「糞虫っておもしろい!」と感じていただけることがすべての出発点と肝に銘じ、これからもフン虫王子としてガンバリマス。
 NHKテレビは当日9/8のお昼のNHKニュースで放送されたようですが、夕方6:30の「ならナビ」でも放送されました。放送後1週間はNHK+(プラス)という見逃し配信サービスで無料で見ることができます。ならナビは午後6:30からですが、午後6:37~6:39が「小学生が奈良公園のふん虫学ぶ」です。新聞を買いそびれたので未確認ですが、奈良新聞には9/9に掲載されたそうです。
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今日はここまで。
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 7/2に作って埋められた糞玉を49日後の8/20に割ってみると、まだ蛹になったばかりのタイミングでした(写真1枚目)。蛹は特に最近日々変化していて、昨日はこんな感じにかなり茶色くなってきました(写真2枚目)。
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 今回公開糞玉割りに使う7/14に作られた糞玉は、オス・メスペアの手で埋められているので恐らく確実に産卵がされていると考えています。既に57日が経過しているので、卵が順調に育っていれば蛹になっているはずです。ただ、このペアはプラケースの壁沿いに育児室をつくらなかったので、そもそも糞玉があるのかどうかさえも確認できていません。私がドキドキするのは、糞玉が無い可能性があるからかもしれませんね。今日9/9の午後2時を過ぎたあたりで掘り出してみたいと考えていますので、一緒にドキドキしたい方は、この機会をお見逃しなく。

今日はここまで。
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 フンコロガシ(スカラベ・サクレ)は大きな糞の塊から丸く糞玉をくり抜いて、最後に全体を点検してへこんでいるところには糞を貼り付け、出っ張っているところは手で押して形を整えて見事な球形にしてから転がし始めます。糞が適度に軟らかく量が十分にあれば、ビデオの早送りのような素早い動きでテキパキと作業を進め、5分もすれば糞玉作りを終えて転がし始めることもあります。しかし出来栄えには結構個体差があって、メチャクチャしっかり作り込む奴(写真1枚目)もいれば妙にデカい球(写真2枚目)を作る奴もいたりします(比較のために7月に地下から掘り出した仕上げ済み産卵前の糞玉2個を横に置いています)。糞玉の半径が25%長いと体積は約2倍(球の体積=半径の3乗×π)になりますから、2枚目の写真の糞玉なんかは土に埋めた後地下室で2分割すれば2つ卵が産めそうな気がしますが、そんなことはせず、先月8/25にこのブログでお伝えした通り、地下の育児室で親虫がしっかり食べるなどして大きさを調整しているようです。
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 地上にある糞塊から糞玉を切り出す作業は糞に集まる他の生き物との競争ですから、短時間で丸めて早く転がして持ち去らなければなりません。そのため、大きさにばらつきがあったり、形が「美しい球形」とは言えないことも少なくないのは当然だと思います。フンコロガシを1匹だけにして落ち着いて糞玉をつくれる環境を整えてあげた時も、おはぎのような糞玉を転がしてました。これは糞の柔らかさにも関係があるのかもしれません。いずれにしても、最後は地下に埋めて数日のうちにそれなりの大きさの美しい球形に仕上げることに変わりはありません。
 ネット上で見られるフンコロガシの画像は大抵形が整った完全無欠の糞玉を転がしていますが、「映え」を意識して歪な糞玉を転がす画像は意識的にアップしないのかもしれませんね。

今日はここまで。
週末は糞虫館で会いましょう!
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