会社勤めしている頃、しどろもどろの言い訳をすると「お前の日本語、わからん!」と、よく上司に怒られていたくらいなので、ましてや外国語なんて話せませんし、わかりません。ですが、外国語で書かれた糞虫の本を何冊か持っていて、わずかな写真や挿絵を見て楽しんでいます。今日、たまたま「オーストラリア南東部の放牧地の糞虫」(CSIRO:豪州連邦科学技術研究機構)というカラー写真付きの英語の本を見ていると、ヘラクレスオオカブトみたいで(よく見るとぜんぜん違いますが)カッコいい糞虫(Onthophagus nigriventris) を見つけたのでご紹介します。
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 この糞虫、出身地はなんと東アフリカの熱帯雨林と書いてありました。出身地(Distribution)って??? 実は、オーストラリアと言えば牛・羊を思い浮かべますが、これら家畜はもともとオーストラリアにはいなかったので糞を効率よく分解する糞虫がおらず、ハエだらけになり衛生状態が悪化したそうです。で、それを解決するための国家プロジェクトとして海外から牛や羊の糞の分解能力の高い糞虫を導入したわけです。1968年から1982年にかけて45種類以上の糞虫をアフリカ、ヨーロッパ、アジアから輸入して研究し、適応できそうな地域にリリースしたらしいのです。
 今、日本では生物多様性維持の観点から、外来種の駆除に力を入れています。ペットの廃棄(ミドリガメ、アライグマ、外国産カブトムシ等)は言語道断ですが、食糧難の解決(食用ガエル、アメリカザリガニ等)や毒蛇の駆除(マングース)という大義のある導入の場合も、日本の場合は計画通りになりませんでした。事前の研究がお粗末だったのか、結果ありきの研究だったのか・・・。いずれにしても、一度定着すると根絶することは時間とコストをかけても難しい、というのが現実です。
 有袋類が生息するオーストラリアと言えば、生き物の輸出入には非常に厳しい管理を課しているイメージがありますが、やはり背に腹は代えられないということでしょうか。しかし、経済的・政策的に成功しているように見えても、生態系への影響はどうなのか、沖縄のマングースがハブを食べずに家畜やヤンバルクイナを襲うのと同じようなことがオーストラリアで起きてなければいいのですが・・・。在来種の糞虫たちの言い分を聞いてみたいものです。

 あ、ちなみにこの”ヘラクレスエンマコガネ”ですが、体長は10~12mm、ツノの先まで入れても16mmしかありません。ヘラクレスオオカブトの1000分の1の大きさ(体積)ってことですね。


今日はここまで。
再見!