春は日本の糞虫観察のハイシーズンにあたるので国内ネタが続いてしまいました。まだまだ書きたいことはあるのですが、今日は久しぶりに「世界の糞虫」のご紹介です。
IMG_3513-1 
 先日5/16のブログでご紹介した「日本のセンチコガネとその仲間」(むし社)の37枚のカラープレートうち最後2プレートに海外のセンチコガネが掲載されていて、そこに1個体だけLethrus属のセンチコガネ(Lethrus politus)が載っていました(写真1枚目)。この写真では、糞虫にしては少し大顎が発達していますが、その他には何の変哲もない、黒い丸っこい糞虫にしか見えません。でも、本当は・・・  こうなんですっ!(写真2、3枚目)
IMG_3503-1
IMG_3508-1
 ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタン、キルギスタンなどに生息している(一般的かどうか知りませんが)オオキバセンチコガネと呼ばれるこのLethrus属の仲間のほとんどのオスは、このような特徴的な大顎を持っているようです。写真はLethrus geminatusでプレート個体とは種が違いますが、Lethrus politusと同様Lethrus属でも大型の種で、両者とも左右の大顎から下に向かってニョキッとキバが伸びています。もちろん大顎から伸びているだけなので単独で動いたりしませんし、虫が上を向いたりしたら地面に突き刺さってしまうような代物です。どのように使うのか私は知りませんが、メスにはない(写真4枚目)ので、オス同士の争いか交尾の際に役立つのかもしれません。でも種類によってはキバが針のように細かったり、前向きだったり、片方だけ(!)だったり。何なんでしょうね、これは。おそらくロシアの文献を探せばわかると思うのですが、当然ながら私にはわかりません。悪しからずご了承ください。
IMG_3506-1


今日はここまで。
再見!