私の標本箱には、ラベルを見ると約20種類のオオキバセンチコガネがいますが、そのほとんどが大型種小型種を問わず前回のブログで紹介したLethrus geminatusのように大顎から下向きにキバが伸びています(写真1枚目)。
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しかし、Lethrus karelini(写真2,3枚目) とLethrus cephalotes(写真4,5枚目) のキバは前向きに伸びており、しかもなぜか両種ともに左側だけが発達しているのです。また、キバの生え方も違っていて、大顎のかなり根元から前方に伸びている感じです(写真6枚目Lethrus karelini)。
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キバの使い方については、交尾の時にオスが振り落とされないように下向きの長いキバでメスの首根っこを挟むのではないか、と想像していたのですが、前向きにしかも片方だけが伸びるこの2種に対しては、納得感が全くありません。オス同士のケンカに使えるとは思えませんし・・・。そもそもセンチコガネ属やLethrus属は大顎が発達しており、ルリセンチコガネの場合は、メスをめぐってオス同士が争うときシュコシュコ音をたてながら取っ組み合って相手を押し倒し、足に噛みつくという行動をとります(春のセンチコガネに符節がとれた個体が多いのは、羽化後長い期間が経過していること以外に、オス同士のケンカも大きな要因のひとつではないかと私は考えています)。つまり、発達した実用的な大顎の下にひょろりと1本キバが伸びていたところで、じゃまになることはあっても役には立たないのではないかと思うのです。では、いったい何のために・・・ 

もしわかったら、ご報告いたします。期待せずに待っててください。


今日はここまで。
再見!