奈良公園の冬の糞虫といえば、ネグロマグソコガネ、チャグロマグソコガネ、ミゾムネマグソコガネ。これにやや数の少ないオビモンマグソコガネと近年ではマグソコガネが加わって、これら5種類が代表選手と言えるのではないでしょうか。あと、歩道の犬糞を探せばセマダラマグソコガネも見つかります。
 1週間ほど前、朝日新聞社の記者さんが取材に来るというので、その下調べに奈良公園に糞虫達の様子を見に行きました。いつもの習慣でいい感じに朽ちた木の皮を捲ってみると、なんと!クロツツマグソコガネの姿がありました(写真1枚目)。こんな時期に成虫が見れるとは思っていませんでしたが、少し離れた場所を捲ってみると、そこにもまたクロツツマグソコガネが。寒さを避けて朽木の中深くまでもぐっている様子もなく、6~9月に採集した時と同様、横たわっている湿った朽木(カシの木?)の皮をパカッと捲ったところにいました。本当に動き回って活動しているかどうかは、飼育して観察してみないと確かなことは言えませんが、採集してフィルムケースに入れるともぞもぞ動き出したので、深い眠りに落ちているわけではなさそうです。
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 「日本産コガネムシ上科図説〈食糞群〉」によると、発生時期は一年中になってはいますが、確かにその通りだと自分の目で確認できてよかったです。ヒメツツマグソコガネも同じく1年中発生すると表示されているので、これからは注意して観察していきたいと思います。
 いやー、寒い季節ですが奈良公園に出向く楽しみがまた一つ増えました。

今日はここまで。
再見!