これもカンボジアで採集したもの(写真1、2枚目)ですが、全長18mmと16mm。おそらくOnitis属の一種と思われます。この2頭は、体幅や色合い、前脛節の幅や棘の様子が少し異なっており(写真3枚目)、別種の可能性も否定できませんが、コートジボアールで採集されたOnitis viridulusのペア(写真4枚目)の色合いや前脛節の違いが本種と同様であることから、私が採集したものもオスとメスなのではないかと考えています。
Onitis属は日本には生息していませんが、世界には多くの種類がいるようで、例のお宝本には30種類が紹介されていました。主にアフリカ全域から地中海沿岸、インド、東南アジア全域に広く生息しているので、カンボジアも含まれています。近縁のChironitis属も13種類紹介されており形や大きさが似ているのですが、こちらはアフリカ南部と地中海沿岸からインドにかけて生息していますがインドより東の東南アジアには生息していないようです。
Onitis属の特徴は、私的にはナガスネエンマコガネ(Onthophagus ohbayashii)のようにオスの前脛節が長く発達していることで、トルクメニスタンのOnitis humerosus(写真5枚目)やタイのOnitis falcatus(写真6枚目)を見ると「なるほど! 納得。」でしょう。でも今回、Onitis属でもオスの前脛節がそれほど発達しない種がいることに気付かされました。いやー、私のように知らないことが多いとちょっと調べると新たな発見がすぐに出来ちゃうので、ホント楽しいです。
今日はここまで。
再見!
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先ほどインタネットでたまたま見つけました。「第2回虫たべっ会 虫はたべもの‥ラオスの昆虫食文化‥」なるブログに、フン虫成虫がありました(写真)。種類までの同定ありませんが、複数種で中にはOnitisと思われるものもあります。
卑近なことですが、「BIZARRE FOOD」と言うところから、『Edible Buffalo Dung Beetles』として、タイのOnitis sp成虫20~30匹いりのパックが$5.60で販売されているようです。