この一週間、奈良公園は暖かいお天気が続き、桜の花が一気に満開。日曜日は観光客があちこちにいるので観察はパスしたいところですが、この時期はいろんな糞虫の出現期であり、また消えていく時期でもあるので、人目を気にしながらも行ってきました、奈良公園。
IMG_6161-1

 今年も桜が咲くのに合わせたようにクロツヤマグソコガネ Aphodius atratus が大量に出現。粒糞にはいないことが多いですが、程度のいい塊糞ならウジャウジャ入っていることも珍しくありません。明るい芝地にたくさんいるし、活発に動き回るし、ナガスネエンマコガネなどと大きさも変わらないので、この時期の主役といってもいいでしょう。ただ、出現期間は短く、5月のGWを過ぎるとその数が急速に減るように思います。私はトゲクロツヤマグソコガネAphodius superatratusを見たことがなく、クロツヤマグソコガネの大きい個体やツヤの強い個体がいると、「もしかしたら・・・」と期待しつつ肩歯を確認するようにしています。日本産コガネムシ上科図説では★★(普通種)となっているのですが、探し方が悪いのか未だ出会うことができていません。コイツに会うには山の方に行かないといけないのかもしれません。
IMG_6095-1
IMG_6094-1
 今日の新発見は、シカ糞でセマダラマグソコガネAphodius nigrotessellatus を見つけたこと。私自身これまでシカ糞で見つけた記録も記憶もありませんし、図説の解説にもシカ糞に集まるとの記述がないことから、もしかしたら結構珍しい記録なのではないかと思っています。「オビモンマグソコガネ Aphodius okadai じゃないの?」なんて言われるといけないので、これは標本に残すため採集しました(写真1,2枚目)。

 IMG_6082
IMG_6081

 冬のマグソコガネ3種(ネグロマグソコガネ、チャグロマグソコガネ、ミゾムネマグソコガネ)の飼育も再度セットしなおしました。今回はシカ糞をたっぷり入れてあります。粒糞セットと塊糞セットを比較のため準備しました。さらにクロツヤマグソコガネもたくさん採れたのでセットしました。1ヶ月ほどで産卵するのではないかと淡い期待を抱きつつ・・・。二日続けて糞の写真はどうかとも思いましたが、こんな感じです。(写真3,4枚目)


今日はここまで。
再見!