先日、ヘボな推理をして「クロマルエンマコガネか?」と言っていましたが、さっそく訂正です。実際にクロマルエンマコガネ Onthophagus ater の繁殖を半世紀前にやってのけた大先輩から「エンマコガネ類の幼虫の背中はコブのように出っ張っているのでは?」とのコメントをいただきました。また、昭和48年初版ながら現在も私のバイブルである益本仁雄先生の「フン虫の採集と観察」にも背中が出っ張った幼虫が大きく描かれていました。私の手元の幼虫はお尻の方が太くなっているだけで、背中あたりにコブのようなものはどの角度から見てもありません。バイブルのこの絵は何度も見ているはずですが、実際に初めて糞虫の幼虫に突然出会ったので、冷静さを失ってしまったようです(得意の言い訳です)。
では、なぜこれがクロツヤマグソコガネ Aphodius atratus の幼虫と断言できるのか。実は飼育セットのひとつを少し掘り返してみると、出るわ出るわ何十匹も大小さまざまな大きさの幼虫が見つかりました。4/1に容器をセットして成虫12頭を入れた(後日6頭を追加)ので、まだ17日しか経過していないのに、すごい成長スピードです。このままだと夏がくる前に蛹になり、遅くとも夏~秋には成虫が出てきそうなものですが、私はクロツヤマグソコガネを晩春以降は翌春になるまで見たことがありません。まあ、私が見たことないだけなのかもしれませんけど・・・。
日本産コガネムシ上科図説(監修:コガネムシ研究会)にも、出現期は3~6月となっており、秋には出現しないことに間違いはなさそうです。では、この幼虫たちはどうなるのか? もしかすると、こいつらはさっさと成虫になって、もう一度産卵するのかもしれません。その卵もしくは小さな幼虫が9か月間眠り続けるとか・・・。あ、でもそうしたら春に目覚めた時に食べる糞が無くなっていそうです。蛹で眠り続けるのがいいかも。春に羽化して出てくればいいだけだし、桜の開花と共に一斉にクロツヤマグソコガネが出現するのにも納得がいきます。全くの想像ですけどね。
来年の春まで私の根気が続けば、良い報告ができると思います。あまり期待せずに待っていてください。
今日はここまで。
再見!
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