昆虫文献六本脚から出版されている糞虫愛好家必携の「日本産コガネムシ上科図説(食糞群)」を監修したコガネムシ研究会。そのコガネ研の総会が奈良市で開催され、それに先立って奈良公園にて糞虫観察会が催されたので、参加してきました。

集合場所に行くと、そこには「日本列島フン虫記」「フンころがしの生物多様性」など多数の著書のある塚本先生と「日本産コガネムシ科図説」の著者の稲垣氏や河原氏といった面々が。いろいろお尋ねしたい事はあったのですが、本人を前にすると緊張しちゃいましたね。あまりお話しすることができず、我ながら残念です。でも、塚本先生のお名刺はGETしたもんねー。
観察会は親子連れの方の参加も多く、そうそうたるメンバーながら、糞虫ギネス等の趣向を凝らし和気あいあいの楽しい観察会でした。ちなみに糞虫ギネスで優勝したのは私の友人家族でした。ステキな商品(ふんコロ昆虫記)をもらっていましたねー、うらやましい。
今日はここまで。
(つづく)

集合場所に行くと、そこには「日本列島フン虫記」「フンころがしの生物多様性」など多数の著書のある塚本先生と「日本産コガネムシ科図説」の著者の稲垣氏や河原氏といった面々が。いろいろお尋ねしたい事はあったのですが、本人を前にすると緊張しちゃいましたね。あまりお話しすることができず、我ながら残念です。でも、塚本先生のお名刺はGETしたもんねー。
観察会は親子連れの方の参加も多く、そうそうたるメンバーながら、糞虫ギネス等の趣向を凝らし和気あいあいの楽しい観察会でした。ちなみに糞虫ギネスで優勝したのは私の友人家族でした。ステキな商品(ふんコロ昆虫記)をもらっていましたねー、うらやましい。
今日はここまで。
(つづく)
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残念ながら私は遅刻で、皆さんとはご一緒できなかったのです。翌日に検体用にチビコエンマコガネを9匹を採取し持ち帰りました。表題のこと、いつものようにテストしました。結果は、鹿0.765* (9/18/17/13)でした。この表現の仕方は、9匹を2回繰り返して試行回数が18で、翌日に設置したフンに来たのが17、うち13が鹿を選びました。それで多いほうの鹿にきた割合が13/17で0.765で、つぎの1つ*は区別しなかった・すなわち割合1/2に対する有意差(帰無仮説1/2を誤って棄却する危険率)が5パーセント未満を表します。こちらの三原市および徳山市は都市部の犬フンに居る個体群ですが(本種の通常の状況)が、それらの鹿:人の選択では三原市は人0.640 (15/30/25/16)、徳山市は人0.679* (33/66/53/36)でした。じつは、1988年に奈良公園のものを調べているのですが、その際は鹿0.742**(危険率p<0.01)(17/34/31/23)だったのです。それで、今回あらためて実施したのです。犬フンに依存していたのが奈良公園にきて鹿を食べるようにようになり、鹿に傾いて来たのでしょう。もちろん、奈良公園のものでも人だけの場合は、ちゃんと食べます・・。
言い忘れていました。私が行なっている二者択一の実験方法は、容器の両端に異なるフンを1塊ずつ置き、真ん中に検体虫を1匹放します。そして、翌日にどちらに来ていたか(食べていたか)を記録します。2回繰り返す場合は、今回もそうですが、原則として中1日絶食させ、次の日に実験を行ないます。試行回数(サンプル数)は1回・2回の合計です。
もっとも、その前に市街地における犬フンの存在場所・密度なども変化してきたのではないかとも思っております。飼い主の行儀が良くなり?落し物は持ち帰るようになってきましたし、これまで放置されていた河原河川敷では散歩する犬が急に減ってきました。散歩に同道する人が老齢化したからか、犬種はプードルはチワワ、ダックスフンド、シーズーなどの小型犬が多くなり、1990年代までよく見かけたゴルデンレトリーバーやラブラドルレトリーバーなどの大型犬はほとんど見かけなくなりました。小型犬なら屋内での世話もより簡単ですし、運動も、遠出はしなくても、人家近くの緑地を散歩するだけで済むからでしょう・・。
以上、私ら周辺だけの現象かどうか、興味があります。犬飼養は、趣味の社会学的観点だけではなく、フン虫の生態学的観点からも、おもしろい問題、と思っております。
フチケマグソコガネは奈良盆地の田園地帯の牛糞にごく普通にいました。奈良公園ではすくなくとも1965年までは見られなかったのです。本種の場合、食べるものを探し求めて放浪していた個体がたまたま奈良公園の鹿に居付いたと考えています。九州阿蘇から広島県までの4箇所の牛糞に依存しているものは、牛:鹿では、いずれも圧倒的に牛を選択しました。奈良公園のものは1988年と1996年の2回試みましたが、牛0.636、牛0.586で、サンプルサイズが小さいこともあり、牛:鹿五分五分に対して有意差がありません。そして、上記の牛の4個体群とはその選択性に差が認められました。
私が行なってきた一連の容器内食物選好性観察に選んだ食物は、原則として、牛・鹿・人ですが、これらは安定して入手しやすいということもありますが、私の経験から、日本列島のフン虫相と関係しているのではないかと考えたからです。じつは、市街地では犬ですが、コブマルエンマコガネ・セマダラマグソコガネなどの経験から、人で代行できると判断したのです。このことは、今回チビコエンマコガネ、クロマルエンマコガネやマグソコガネなどでも示されたと思っております。
フチケマグソコガネは1977~80年の頃すでに、芝地で普通に見かける種類でした。腹部後縁あたりに毛が生えているので、当時の私でも確実に同定できた糞虫です。1965年までは見られなかったとは意外です。時代背景から推測すると、牛糞に依存していた奈良の個体群が、牛がいなくなるにつれてシカ糞に順応したと考えるのが自然ですね。