日本のマグソコガネの仲間では比較的大きくて観察しやすく、深く潜らないので飼育しやすいからだったのでしょう、初めて糞虫の繁殖に挑戦した私でも蛹まで育てることができたクロツヤマグソコガネ。しかし、ビギナーズラックもここまででした。掘り出したこと自体が良くなかったのか、やはりフラッシュたいて写真を撮りまくったのがよくなかったのかもしれません。霧吹きで湿気を与えたことが関係したかもしれません。とにかく、蛹になったばかりという非常にデリケートな時期に刺激を与えすぎたことがストレスとなり、良くなかったことに間違いはないでしょう。
IMG_7450-1

 蛹になって5日程が経過し、少し気が緩んで3日ほど放置していて、ふと見たらすでにこの状態(写真1枚目)だったのです。中まで菌糸が入り込んでいて、なかなか崩れないほどでした。部分的に符節や腹が確認できましたが、大部分は原形をとどめないほどになっていました。こんなことなら、ホルマリン漬けにしておけばよかったと思いましたが後の祭り。
 「春だけ出現する奈良公園のクロツヤマグソコガネは初夏に土の中で成虫になり、そのまま夏・秋・冬を過ごし、春になって初めて地表に現れる」という説を自分の目で確かめることができた(もしくは、そうではないという反例の確認ができた)のになー。そう考えると本当に残念です。クロツヤマグソコガネには申し訳ないことをしてしまいましたが、決して無駄に死なせたわけではない、と言い切れるよう頑張ります。

今日はここまで。
再見!