以前、タイの衛生的で近代的な工場で糞虫の一種(Onitis sp)のフリーズドドライ製品がスナックとしてネットで売られていることをブログで紹介しましたが、どうやらタイの昆虫食事情はそんな生易しいもんじゃないらしいです。
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 現地で「クッチー・ヤイ」(大きな糞虫)と呼ばれるセアカナンバンダイコク(Heliocopris bucephalus)(写真1枚目)のこの糞玉は市場で売られていたもの(写真2枚目)で、3つで35円(2000年当時)。この中には、生きた幼虫がうごめいているとのこと。当然ながら食用。私もタイを旅行した時、屋台でタガメやバッタのフライとか佃煮みたいなのは見たことがありましたが、糞玉が食材になっているとは知りませんでした。もちろん中にいるムッチリした幼虫を食べるのであり、糞でできている糞玉そのものを食べるわけではありません。が、料理する際にまな板に糞玉がゴロンとのっていて、玉ねぎを切るように糞玉に包丁を入れる妻の姿を目にしたら、やはり衝撃を受けるでしょうねー。

 今日のブログのネタと写真は、昨年の9月、京都山科の牛尾山での「ミドリセンチコガネと土壌動物の観察会」(主催:渡辺先生と自然Wao!)でお世話になった渡辺弘之先生(京都大学名誉教授)にご提供いただいた資料(NEJIREBANE No.88 Jun.2000)からいただきました。先生からはそのほかにも、シバとシカと糞虫に関する示唆に富んだ資料等もいただいており、今後の観察のテーマとして意識していきたいと考えています。まぁ、私にできることはたかが知れてますが、課題や問題意識を次世代につなぐ役割を果たすことでお許しいただきたいと思います。

 ちなみに、渡辺先生はこのタイの糞玉を奈良県橿原市にある橿原昆虫館に寄贈されているので、興味のある方は事前に連絡して一生懸命お願いすれば見せてもらえるかもしれません。


それでは、明天見!