明けましておめでとうございます。2020年元旦。今日から書かなければ、いつブログを再開できるのか。
・・・というわけで、元旦からまたブログ始めました。
 
 冬の寒さが厳しさを増すこの時期、”糞虫の聖地”である奈良公園と言えども、センチコガネやエンマコガネの類は見ることはできません。夏の終わり、ピカピカの姿で現れたルリセンチコガネの成虫も地中に潜り春まで出てきません。春から夏にかけて、ビギナーズラックでどんどん増えて楽しませてくれた糞虫館のコブナシコブスジコガネは、酷暑で夏バテしたのか活動が鈍り、秋のいい季節になってもあまり活発に活動をしないまま、冬になってしまいました。2019年の7/31時点では、前年の成虫が11匹、新成虫が64匹いましたが、いったい今何匹生存しているのか?ホントに生きているのか?確かめたいのですが、この寒い時期に掘り返すことは、虫にとっては百害あって一利なし。3月まではそっとしておくしかないと思ってました。
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 今日、1匹が地表で、もう一匹が半分埋まった状態で死んでいるのを見つけました。よく見るともう一匹。珍しい種類なのでせめて手足が残っていれば標本にしようと、軽く霧を吹いてから3匹をつまみ出して、実体顕微鏡の下に置きました。1匹は腹の部分だけでしたが、後の2匹は関節もやわらかく、符節も残っていていい状態です。コイツらは、成虫でいただいた個体なので、1年以上は成虫で生きていたことになりますが、この冬で全滅するようであれば、コブナシコブスジコガネは2年を超えて生き続けることは稀であると考えちゃいますね。
 ぶつぶつ独り言を言いながら、展足しようと再び顕微鏡を覗くと、死骸の腹だけしか視野にはありません。なんと、2匹とも生きていて、ゆっくりですが這って移動してました。悶えるようなゆっくりとした動きは、新成虫が夏から翌春までずーっと眠り続けるクロツヤマグソコガネを掘り出した時と同じ動きです。もしかしたら、この2匹は寒さが緩んだ日に地上に這い出てきたものの、また寒くなったので動かなくなったのかもしれません。2018年産の残りは計算上はあと9匹。何とか春を迎えてもらって、元気に鳥の羽根をバリバリ喰う姿をまた見せてほしいものです。

今日はここまで。
また明日!