糞虫館に来る人にマグソコガネの仲間をいろいろ紹介すると、よくこんな小さい虫を見分けられますね、と驚かれることが多いです。虫めがねではよくわからなくても、捕まえた糞虫の身体についたウンコを落として実体顕微鏡(20~70倍)で見れば、種の同定はさほど難しくはありません。しかし、薄暗い森の中でウンコにまみれた米粒ほどのマグソコガネの仲間を次々に見分けていくというのは、なかなか高度なワザのような気もしていて、AI技術が進歩してもロボットなんかに負けない自信があります。まあ、そもそもAIを使って糞虫の種類を瞬時に判別する機械を開発しようなんてことを考える人はいないでしょうけど・・・。
野外で観察をする場合、季節や環境、糞の種類なども参考にしながら頭の中で糞虫の種類を絞り込んでいきます。標本にすればじっくりと見ることができるので、まず間違うことはないでしょう。でも、スマホの写真を見せられて「これは何と言う糞虫ですか?」という質問に答えるのは容易ではありません。それが黒い小さなマグソコガネの仲間だったりすると、もうお手上げです。模様がある種類でも、2次元の画像情報だけでは意外に間違えたりするものです。上の糞虫の写真、何と言う種類かわかりますか?オビモンマグソコガネは、奈良公園以外ではあまり見ることができない種類なので、ちょっと難しいかもしれません。ちなみに台紙の大きさは15mm☓7.5mmです。
今日はここまで。
答えは糞虫館で!
野外で観察をする場合、季節や環境、糞の種類なども参考にしながら頭の中で糞虫の種類を絞り込んでいきます。標本にすればじっくりと見ることができるので、まず間違うことはないでしょう。でも、スマホの写真を見せられて「これは何と言う糞虫ですか?」という質問に答えるのは容易ではありません。それが黒い小さなマグソコガネの仲間だったりすると、もうお手上げです。模様がある種類でも、2次元の画像情報だけでは意外に間違えたりするものです。上の糞虫の写真、何と言う種類かわかりますか?オビモンマグソコガネは、奈良公園以外ではあまり見ることができない種類なので、ちょっと難しいかもしれません。ちなみに台紙の大きさは15mm☓7.5mmです。
今日はここまで。
答えは糞虫館で!
コメント
コメント一覧 (3)
居てる場所ではネグロマグソ、チャグロマグソ、ミゾムネマグソの冬マグソ3種に混じって、ごく少数見つかる程度で、個体数はかなり少ない印象を受けています。
昔の奈良公園の記録を拝見したり、管理人様の過去の経験でも昔は普通に見つかる種だったようですので
近年になってからオビモンは減っているのでしょうか?
また、オビモンは公園内でも必ずしもシカ糞に依存しているようではなく
イノシシの糞やヒトの糞からでも得られており、シカが居れば良いというわけでも無い様で、全国的にも局所的な分布をしている点も謎な種ですね。
ぼくは、獣類の生息分布と関連して、何種類かのフン虫の記録を検索していますが、オビモンマグソもその1種類です。ぼくが知る本種の記録(生息)地は9か所で、都道府県別では滋賀・三重・奈良・兵庫・広島・島根・徳島・宮崎の8県です(山梨県の記録は誤りとみなされます)。9か所のうち何カ所では、牛糞トラップで初めて記録されていますが、いずれも鹿が生息していることは共通しています。
奈良公園では、オビモンマグソの生息は、ネグロマグソ・チャグロマグソ・ミゾムネマグソに比べて、局所的のようです。ぼくらは1965年に、およそ2週間の間隔で、鹿糞のフン虫成虫を数えたことがありますが、1年間1人あたりに換算して、23種類計4632.3匹のうち、オビモンマグソは110.9匹・ネグロマグソ530.2匹・チャグロマグソ類(当時未記載のミゾムネマグソを含む)324.0匹でした(実数は8801匹のうち、201・969・669匹)。その後、2000年代初期まで時おり訪れて瞥見した際の印象では、この1965年の状況とあまり変わらないように思うておりました。