日本人はファーブル昆虫記を読んだ方が多いせいか「糞虫」=「フンコロガシ」、つまり糞を丸めて転がす虫と思っている方が多いようです。なので、私が「日本の糞虫の99%は糞を丸めて転がすことはしません」と説明すると、「えーっ!!」と驚かれると同時に、残り1%の糞玉を作って転がす糞虫に関心を示されます。で、全長2mmほどのマメダルマコガネというチビコエンマコガネよりまだ小さい糞虫が森の中で密かに糞の玉を転がしている、とお話しています。でもねー、私は今まで生きたマメダルマコガネを見たことがなかったのです。本州・四国・九州に生息し、それほど珍しいというわけでもないようなのですが・・・。


シカ糞のそばにゴホンダイコクコガネの死骸があり、「あー、死骸や。残念。」とピンセットでつまみあげると、その下に小さな甲虫が隠れていました。丸っこくて光沢があったその甲虫はあまりに小さかった(写真1,2枚目 下部の球は直径1㎜)ので、糞虫ではないだろうなと思いながらもマメダルマコガネかもねと心の片隅で思いながら、ピンセットでつまんで手に載せるとすぐに死んだふりを止めて動き出しました。「ん!?これって本物のマメダルマコガネちゃう?」 今日は、鳥の羽毛や動物の骨にも詳しい若手の糞虫好き山田氏と一緒に奈良公園に観察に行ったのですが、彼は学校の裏山のトラップにかかったマメダルマコガネを見たことがあり、たぶん間違いないとのこと。このほかにも目と勘のいい彼のおかげで、ルリセンチコガネが40匹以上集まっているところやセンチコガネやコブマルエンマコガネが多数集まっている大きなキノコ、ゴホンダイコクコガネ、ノコギリカミキリの交尾、シカの白骨死体など、様々な場面を目にすることができましたが、マメダルマコガネは最高の収穫でした。(写真3枚目)

マメダルマコガネは半世紀以上前から「糞玉を転がす日本のフンコロガシ」と言われていましたが、恥ずかしながら私は40年間その姿を奈良公園で見たことがなく、玉を転がす姿は夢のまた夢でした。今、元気に動き回るマメダルマコガネを目の前にして思うことは、コイツが糞玉を作って転がす姿を見たい。ただそれだけです。
今晩絶食させて、明日の午後、ならまち糞虫館の特設ステージで糞を与える実験を行ないます。うまくいけばニッポンの糞虫がフンをコロガシてる姿を皆さんと一緒に見ることができるかもしれません。
今日はここまで。
今週末、糞虫館で会いましょう!


シカ糞のそばにゴホンダイコクコガネの死骸があり、「あー、死骸や。残念。」とピンセットでつまみあげると、その下に小さな甲虫が隠れていました。丸っこくて光沢があったその甲虫はあまりに小さかった(写真1,2枚目 下部の球は直径1㎜)ので、糞虫ではないだろうなと思いながらもマメダルマコガネかもねと心の片隅で思いながら、ピンセットでつまんで手に載せるとすぐに死んだふりを止めて動き出しました。「ん!?これって本物のマメダルマコガネちゃう?」 今日は、鳥の羽毛や動物の骨にも詳しい若手の糞虫好き山田氏と一緒に奈良公園に観察に行ったのですが、彼は学校の裏山のトラップにかかったマメダルマコガネを見たことがあり、たぶん間違いないとのこと。このほかにも目と勘のいい彼のおかげで、ルリセンチコガネが40匹以上集まっているところやセンチコガネやコブマルエンマコガネが多数集まっている大きなキノコ、ゴホンダイコクコガネ、ノコギリカミキリの交尾、シカの白骨死体など、様々な場面を目にすることができましたが、マメダルマコガネは最高の収穫でした。(写真3枚目)

マメダルマコガネは半世紀以上前から「糞玉を転がす日本のフンコロガシ」と言われていましたが、恥ずかしながら私は40年間その姿を奈良公園で見たことがなく、玉を転がす姿は夢のまた夢でした。今、元気に動き回るマメダルマコガネを目の前にして思うことは、コイツが糞玉を作って転がす姿を見たい。ただそれだけです。
今晩絶食させて、明日の午後、ならまち糞虫館の特設ステージで糞を与える実験を行ないます。うまくいけばニッポンの糞虫がフンをコロガシてる姿を皆さんと一緒に見ることができるかもしれません。
今日はここまで。
今週末、糞虫館で会いましょう!
コメント
コメント一覧 (3)
例の容器内における牛・鹿・人の二者択一選好実験では、こちらの検体では、人>牛>鹿で、鹿のみでは翌日にはほとんど来ませんでした(来た割合0.056=1/18)。
虫体の大きさと転がす糞球の大きさ(いずれも重量で測定)の関係を調べたことがあります。テンや人では大小の破片が含まれていますのでふさわしくないと思われましたので、比較的細かい粒で均質なセキセイインコのそれ(黒い部分)を使用しました。ちなみに、セキセイインコ:人=15:4で、セキセイインコを有意に好みました。
メッシュを通した細土を湿らせて敷いた容器(c15×8cm)に、テンあるいはセキセイインコのそれを設置して、1匹ずつ放しますと、すぐに糞球をつくり容器の隅まで転がします。覆いとして小さな枯葉を置いたところ、たいていその蔭まで運び、そこで半日~一日くらいもじもじ?していました。その間に、少し(かけら~せいぜい半分くらい)を食べただけで、また糞塊に来て新たに糞球をつくり転がす作業を繰り返しました。糞球を土中にうずめる行為は見られなかったのです。ただし、セキセイインコの場合、たいていぼくが測量のために横取りしましたけれども。
たまころがし類でも、Sisyphusに近縁のNeosisyphusの中には、糞球を土に埋めずに、植物の根際のひっかけておくだけを育児丸とする種類もいるそうですね。