いきなりの「その後」ですが、ならまち糞虫館では2019年5月から長野県在住の糞虫好きの方にいただいたコブナシコブスジコガネの飼育を続けています(写真1枚目)。送られてきた容器(タッパー)でそのまま飼育していただけなんですが、どんどん増えて65匹が新成虫になりました。過密状態になったので少し大きな容器(プラケース)に移しました(写真2枚目)。フレークが足らないのでカブトムシマットを足したのですが、それが良くなかったのか、風通しが良すぎるのか、昨年(2020年)はケース越しに見る限りは繁殖している気配はありませんでした。餌となる鳥の羽やシカの毛は食痕があるので生きているはずなのですが、60匹以上いるのに減り方が少なく、一時期を除いてあまりその姿を見ることがなかったので心配してました。
昨日、ちょっと掘ってみると死骸が出てきたので、ちゃんと調べることにしました。容器は糞虫館の2階に置いてますが、平日は人がいないので5℃を下回ることもあります。たまにエアコンを入れるせいか上半分はやや乾燥気味でしたが、下半分は「強く握れば固まるけど指で押すと簡単に崩れる」程度の湿り気が残っていました(写真3枚目)。捜索の結果は、2019年春~夏に羽化した成虫65匹は、生存60匹、死骸2匹、行方不明3匹。ほとんどが生きていたので「良かったー!」と喜んだのもつかの間、「やはり繁殖してなかったか・・・」と残念に思う気持ちがムクムクと。殖えなかった原因は、ダニの発生を恐れて乾燥気味にしていたせいかもしれません。しかし、コブナシコブスジコガネがフクロウの巣から大量に見つかった話が本に載っていたので、湿気が多いのを好むとは考えにくいしなー・・・。
別のケースで飼育していた2018年秋に野外(神奈川県西端)で採集された元の成虫9匹は、生存4匹(友人に提供分を除く)、死骸3匹(写真4枚目)。これらのコブナシコブスジコガネは、飼育下で2年半生きていることになります。どんどん増えた2019年が嘘のように、こちらも2020年は繁殖していません。飼育環境が繁殖に適していなかったことは間違いなさそうです。どうすればいいんだ・・・。
今日はここまで。
週末、糞虫館で会いましょう!
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