冬でも奈良公園にはたくさんのシカがいて、地面にへばりつく草や木の皮まで食べてたくましく暮らしています。春から秋に比べると食べ物が圧倒的に少なく、糞の量も半分以下になっているのではないか(根拠のない想像です)と思うのですが、それでも計算上は毎日約500㎏(120g×7回×1300頭)/2 にもなります。これだけ大量の糞に対し、冬の糞虫たちはどれくらい役に立っているのでしょうか?
 先日、このブログでも紹介しましたが、大阪教育大附属天王寺小学校3年の矢野さんがオオセンチコガネがどれくらいの糞を処理するか、興味深い実験をしていました。ちょっと先を越されてしまいましたが、私も冬のマグソコガネたちを使って、彼らの糞処理能力を測定してみました。私のエライ所は、水分の蒸発量も考慮してこの実験を計画したことですね(自画自賛!)。
 プラ容器4つにシカ糞を入れ23.0gに揃え、びちょびちょにならない程度にまで霧吹きで糞に水を含ませて、総重量を33.0gに揃えました(蓋は除く)。
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 容器①➁(写真1枚目の左側)は蓋に通気用の穴を開け、①はチャグロマグソ12匹+ネグロマグソ6匹を入れ➁は糞のみ。容器ⒶⒷ(写真1枚目の右側)は蓋に通気用の穴を開けず、Ⓐはチャグロマグソ12匹+ネグロマグソ6匹を入れⒷは糞のみ。
 実験に使ったマグソコガネたちは3月9日に採集し、その後2日間絶食させてから容器①Ⓐに移しました。重さの測定には、0.1gまで計れるタニタのデジタル秤を使っています。ちなみに、18匹のマグソコガネの投入後も容器の総重量に変化はありませんでした。
つづく

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!