フンコロガシ(スカラベ・サクレ)は大きな糞の塊から丸く糞玉をくり抜いて、最後に全体を点検してへこんでいるところには糞を貼り付け、出っ張っているところは手で押して形を整えて見事な球形にしてから転がし始めます。糞が適度に軟らかく量が十分にあれば、ビデオの早送りのような素早い動きでテキパキと作業を進め、5分もすれば糞玉作りを終えて転がし始めることもあります。しかし出来栄えには結構個体差があって、メチャクチャしっかり作り込む奴(写真1枚目)もいれば妙にデカい球(写真2枚目)を作る奴もいたりします(比較のために7月に地下から掘り出した仕上げ済み産卵前の糞玉2個を横に置いています)。糞玉の半径が25%長いと体積は約2倍(球の体積=半径の3乗×π)になりますから、2枚目の写真の糞玉なんかは土に埋めた後地下室で2分割すれば2つ卵が産めそうな気がしますが、そんなことはせず、先月8/25にこのブログでお伝えした通り、地下の育児室で親虫がしっかり食べるなどして大きさを調整しているようです。


地上にある糞塊から糞玉を切り出す作業は糞に集まる他の生き物との競争ですから、短時間で丸めて早く転がして持ち去らなければなりません。そのため、大きさにばらつきがあったり、形が「美しい球形」とは言えないことも少なくないのは当然だと思います。フンコロガシを1匹だけにして落ち着いて糞玉をつくれる環境を整えてあげた時も、おはぎのような糞玉を転がしてました。これは糞の柔らかさにも関係があるのかもしれません。いずれにしても、最後は地下に埋めて数日のうちにそれなりの大きさの美しい球形に仕上げることに変わりはありません。
ネット上で見られるフンコロガシの画像は大抵形が整った完全無欠の糞玉を転がしていますが、「映え」を意識して歪な糞玉を転がす画像は意識的にアップしないのかもしれませんね。
今日はここまで。
週末は糞虫館で会いましょう!
『たくましくて美しい糞虫図鑑』(創元社)は全国の書店で好評発売中!


地上にある糞塊から糞玉を切り出す作業は糞に集まる他の生き物との競争ですから、短時間で丸めて早く転がして持ち去らなければなりません。そのため、大きさにばらつきがあったり、形が「美しい球形」とは言えないことも少なくないのは当然だと思います。フンコロガシを1匹だけにして落ち着いて糞玉をつくれる環境を整えてあげた時も、おはぎのような糞玉を転がしてました。これは糞の柔らかさにも関係があるのかもしれません。いずれにしても、最後は地下に埋めて数日のうちにそれなりの大きさの美しい球形に仕上げることに変わりはありません。
ネット上で見られるフンコロガシの画像は大抵形が整った完全無欠の糞玉を転がしていますが、「映え」を意識して歪な糞玉を転がす画像は意識的にアップしないのかもしれませんね。
今日はここまで。
週末は糞虫館で会いましょう!
『たくましくて美しい糞虫図鑑』(創元社)は全国の書店で好評発売中!
コメント