引き続き「フンコロガシ」改め「タマオシコガネ」のお話です。
 その昔、クレオパトラがいた時代のエジプトでは、タマオシコガネは聖なる生き物として扱われていたようです。西に沈んだ太陽が再び東の空から昇る事とタマオシコガネが玉(=太陽)を運ぶ姿を重ね合わせたと考えられています。エジプトの王家の墓などの副葬品からスカラベ(=タマオシコガネ)を刻んだ貴石が数多く見つかっています。 
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 エジプトは世界四大文明発祥の地で、高度な文明が栄えていたわけですから、その時代の人がスカラベが転がす玉は動物の糞であることくらいは知っていたと思います。しかし小さな虫が完全とも言える程の球体とともにどこからともなく現れ、消えていく。闇夜に終りをもたらす太陽を崇める当時の人がスカラベを聖なる生き物とした気持ちは、何となくですがわかる気がします。
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 欧州の博物館では、スカラベを普通に見ることができます。王家の墓に帰りたそうな顔をしながら、退屈そうにガラスケースの中に並んでいます。僕の標本箱に並ぶタマオシコガネと同じ顔で。
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(写真は全て大英博物館2008年)