むしむしブログ

カテゴリ: 虫の話題

 この本のお話をいただいたのは2019年の9月頃だったと思うので、すでに2年近くの月日が流れています。正直、こんなに長くかかるとは思っていませんでしたが、原因は明らかで、私がなかなか原稿を書かなかったからなのです。というか、書けなかったんですね。ブログや雑誌のちょっとしコーナーを埋める文章は結構書いているし、私のような虫が好きなだけの一般の人が本を出すなんて普通こんなチャンスは滅多にありませんから、喜んでとりかかったのですが、150ページを文字や写真で埋めるなんてシロウトには無理でした。『フン虫に夢中』(くもん出版)の時は、私は取材されていろいろお話するだけで、実際に本を書くのは作家のいどきえりさんでしたからね。今回は編集の方の助けを借りてなんとか完成にたどり着けたからよかったものの、下手したら永遠に完成しなかったかもしれません。この『たくましくて美しい糞虫図鑑』は、文章のほかに写真やイラストをふんだんに使ったこともあってか、沢山の方のご協力があってようやく完成することが出来たわけで、本当に皆様に感謝しています。
20210715たくましくて美しい糞虫図鑑

 タイトルに「図鑑」とありますが、図鑑として使うならコガネムシ研究会監修の『日本産コガネムシ上科図説(食糞群)』(昆虫文献 六本脚)がベストでしょう。『たくましくて美しい糞虫図鑑』は、糞虫の面白さに気付いてさらにもう一歩進もうとしている糞虫入門クラス~初級クラスの方が読むのに最適の本だと思います。というのも、ならまち糞虫館もそうなのですが、まずは糞虫の存在を知ってもらい、少しでも関心を深めてもらえることを願って書いているので。読み終わった後、山や公園に糞虫を探しに行きたくなる、そんな本を目指しました。内容はかなり経験と記憶と推測と伝聞によるところが多く、専門家の方にはツッコミどころ満載です。ただ、誤りはあるかもしれませんが嘘・偽りはありませんので、笑ってご容赦いただければと思います。書店や図書館で見つけたら、手に取っていただけたら嬉しいです。
 【追加】この本に込めた思いなどを7/19(月)のNHKラジオ第一「関西ラジオワイド」で半時間(17:20~17:55)にわたってお話します。久しぶりのラジオ生出演なのでかなり緊張しているのですが、よかったら聞いてみてください。 

今日はここまで。
週末は糞虫館で会いましょう!
『たくましくて美しい糞虫図鑑』(創元社)は全国の書店で好評発売中 ‼ 
『フン虫に夢中』(くもん出版)もよろしく。

  

 自然が守られ、1,300頭とも言われるシカのいる奈良公園は日本有数の糞虫の生息地で、多くの種類の糞虫がたくさんいることに間違いありません。で、私はあちこちで「糞虫がシカの糞を掃除してくれているので美しい奈良公園が保たれている」と言いふらしています。
 奈良公園には冬でも多くのシカがいて、かなり量は減るとは思いますが、やはり大量の糞を撒き散らしています。で、私はあちこちで「奈良公園には冬に元気に活動する糞虫がいて、そいつらがシカの糞の掃除をしてくれている。」と言いまくっています。一方で、冬の奈良公園で実際に糞虫を見たよ!と言う人は、ほとんどいません。本当に糞虫が頑張って掃除しているのでしょうか?
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 1枚目の写真は、3月9日午後に見つけたまとまった新鮮なシカ糞で、約150粒ほどありました。3日後の3月12日朝撮ったのが2枚目の写真。まだ私は糞には触れていないので正確にはわかりませんが、糞虫が来ている様子はありません。糞の粒数は少し減っているように見えますが、周囲に散らかっただけで、糞虫が食い散らかしている様子はありません。冬ですから、ルリセンチコガネが運び去ることも考えられません。
 もう少し、観察を続けて報告したいと思います。

今日はここまで。
週末、糞虫館で会いましょう!

 今日は関西での緊急事態宣言の最終日。相変わらず”密”には縁遠いならまち糞虫館ですが、先週、カブトムシの幼虫を譲ってくれた小学1年生の親子がまた遊びに来てくれました。私がちゃんと飼えているか心配してくれたのかもしれませんね。私は小学生の時ハムスターを飼っていて、殖えた子供をクラスの友達にあげてましたが、ちゃんと餌をやってるかなとか、かわいがってくれてるかなとか、すごく気になりました。なのでお二人を飼育室に案内してあげたかったのですが、お部屋がちょっといろいろ散らかっていてので、ゴメンね。でも大丈夫!こんな感じで、大きい容器は2匹、小さい容器は1匹飼いです(写真1,2枚目)。カブトムシなので、もう少し分解の進んだ腐葉土を混ぜて、かるく握ると固まるぐらいに水分調節しました。かおりちゃん、こんな感じでよろしいでしょうか⁉ 春には全て1匹飼いにして、ツノが曲がらないように気を付けます。先週、このブログでこのカブトムシ(幼虫)の里親を募集しましたが、反応ありませんね。みんな遠慮してるのかな?それとももっと成長したやつをいただこうという作戦か? でも10数匹しかいないので、早い者勝ちだよ!一人1匹、予約不可です。
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 僕が子供の頃は、農家の畑のわきに堆肥があって、そこからカブトムシの幼虫がゴロゴロ出てきました。クヌギ林からも腐葉土をバケツにとって来てましたが、今はカブトムシマットなる便利でしかも大きなカブトムシに育つスグレモノを売ってますねー。そういえば、カブトムシの餌は何?と子供たちに聞くと、たいていの子は「昆虫ゼリー」と答えます。スイカの皮やモモの種にカルピスやビールを振りかけて餌にする子供はいませんねぇ。「スイカの皮はカブトムシが下痢をする」という話を聞いたことがあります。スイカの皮は2日もすればドロドロになって発酵臭が充満しますし、たしかにスイカにとりついたカブトムシは糞尿を飛ばしながら食べ続けますね。でも、カブトムシはずっと元気でしたし、すごく嬉しそうにスイカを喰っていたと記憶しています。私がカブトやクワガタを今でも大好きなのは、小さい頃に同じ釜の飯(同じスイカやモモ)を喰った仲間だからなのかもしれません。さすがに糞虫と同じものを喰うのはムリですが・・・

今日はここまで。
今週末、糞虫館で会いましょう!

 コロナ禍で緊急事態宣言の出た東京や大阪等は言うまでもありませんが、奈良も大変です。特に飲食店を含む観光関連産業のこの一年に及ぶ落ち込みは、もはや我慢の限界。博物館等観光施設の端くれのならまち糞虫館も、来館者の6割が県外というのがたたってか、閑散としています。「コロナ前から閑散としてたやないかい!」とツッコミが入りそうですが、今は「より一層、閑散としている」状態です。で、集客のために人気のあるカブトムシを始めました!ということではありません。
 先週来館した親子から「一昨年、カブトムシが卵を産んで昨年オス3匹とメス1匹が成虫に。それが秋にまた産卵し、学校や近所の友達に幼虫をあげたけれどまだたくさんいるので糞虫館にも献上したい」とのありがたい申し入れがあったのです!子供の頃、数えきれないほどカブトムシの幼虫を死なせてきた私からすると、お母様のフォローがあるものの小学1年生の女の子が3年続けて命を繋げて飼育を続けていること自体驚きです。実はこの子、アサリの解剖に挑戦したりカマキリに卵を産ませたり、いろいろな生き物が大好きで、結局2時間以上お話してしまいました。先日ご紹介した筑波大学の「科学の芽」賞を受賞した心乃香ちゃんにも劣らない科学の子なのかもしれませんね。そー言えば糞虫館がオープンしたての頃(2018年8月)、東京から親子で来た小学4年生の女の子もすごい子だったなあ。ぜひ当時のブログをご覧ください。(引き取ったカブトムシの幼虫は糞虫館で育ててますが、飼育してみたいという子がいたら差し上げますので、腐葉土を入れた容器を持って取りに来てください。)
 ちなみにこの女の子は、私が2019年12月に糞虫のトーク&スライドショーをしに行った済美小学校の1年生。私を小学校に呼んでくださった藤井先生、元気かな?2年生のみんなが作ってくれた『ふん虫のひみつクイズ』も好評展示中です!不思議な縁を感じます。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!
 

 もちろん、受賞したのは私ではありません。いやー、今どきの昆虫少年・少女はスゴイですね。大阪教育大学附属天王寺小学校に通う3年生の矢野さんが奈良公園のルリセンチコガネの生態を調べて、2,000件を超える応募作品の中から見事、「科学の芽」賞を受賞されました!
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~奈良公園の鹿の糞をきれいにしているのは、だあれ?~ などと可愛らしいタイトルがついてますが、中身は興味深い糞虫の生態についての実験と観察です。生息場所の調査では、温度やPHといった客観的な測定のほか、樹木や他の昆虫にも注目しており、糞虫が生態系の中で生きていることをよく認識していると感心させられました。
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 ルリセンチコガネが粒糞を運ぶ様子も、疑問に対し仮説を立てながら、細かいところまでよく観察しています。巣穴の大きさをノギスで測るなど、単によく見るだけでなく、データをとりながら考察を進める姿勢にも脱帽です。
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 私が一番興味をそそられたのが、ルリセンチコガネが一日にどれくらいの量の糞を食べているかを調べる実験です。ホント、すばらしいです。私も調べてみたいなーと思いつつもだらだらとやらずに過ごしてきたので、しまった!先を越された‼ という感じです(笑)。中身は糞虫館に来てレポートを読んでいただきたいのですが、私が一番驚いたのは、観察や実験の結果を実にクールに分析し、様々な可能性に考えをめぐらしていく豊かな発想力です。これからの矢野さんに注目です。

 皆さん!実は糞虫館に来なくてもネットで矢野さんの『糞虫研究』は読めます。審査員の講評の最後に「シカの糞や糞虫に抵抗感を持たずに観察・実験を進めていくところが素晴らしい。」とあるのは、余計なお世話ですよね⁉
 
 んー、ちょっとここには書ききれないほどの感想があるのだけれど、今日はここまで。コロナが収まったら、糞虫館で会いましょう!

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