むしむしブログ

カテゴリ: 奈良公園の糞虫

 1ヶ月ほど前、マグソコガネの仲間の幼虫と共に卵の殻と思われるものが見つかりました。野外から持ち帰った糞の中から見つけたものだったので、それ以上のことはわからなかったのですが、今度はセマダラマグソコガネ等を飼育している容器の糞塊の中から、こんなものが出てきました(写真1、2,3枚目)。
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 卵は非常にみずみずしく、産み落とされたばかりのように見えます。容器の中には、セマダラマグソコガネ、ネグロマグソコガネのほかチャグロマグソコガネも少し入っています。どれが産んだのかはわかりませんし、そもそも糞虫の卵かどうかも自信がありませんが、飼い始めて2週間ほどたっているので、採取した糞の中に始めからあったとは考えにくいと思います。糞も土も粉々にして確認はしてませんが、糞虫以外に目立った生き物はいないと思われます。糞虫の様子は、イヌ糞好きのセマダラマグソコガネはやはりシカ糞はお好みではないらしく、糞に潜り込まずに歩き回っていることが多いです。ネグロマグソコガネは幸せそうに暮らしてますが、身体に対して卵が大きすぎるような・・・。そもそも、クロツヤマグソコガネだと産卵前にあちこちで交尾をしていましたが、こいつらは交尾をしている姿がまだ1組も観察できてません。あちこち掘り返してみましたが、同じような卵も見つかりません。

 んー、たぶん違うんでしょーねー。あまりムシっぽくない卵ですもんね。あまり期待せずに観察を続けます。

今日はここまで。
再見!

 日本最大の糞虫は、もちろんダイコクコガネ(Copris ochus)。ガッチリした身体に太いツノ。まさにキングオブ糞虫です。残念なことに、近年はイベルメクチンとかいう駆虫剤の影響もあり各地で激減し、近畿では大阪府で絶滅したほか、京都や兵庫でもほとんど見る事ができない糞虫になってしまいました。さて、地元の奈良県なんですが、『日本列島フン虫記』塚本珪一:著)の巻末にある「表C 奈良県フン虫リスト」(写真1、2枚目)を見てのとおり、これまで生息が確認されていません。ダイコクコガネは牧場のイメージが強く、シカだらけの奈良公園とは相容れませんが、50年くらい遡ればまだあちこちの農家で牛が飼われていたようですし、現在でも牧場があります。でも、これまで奈良ではダイコクコガネは見つかっていないというのが定説でした。これまでは、です。
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 先週、虫好きの人たちの集まりで、昔は奈良にもダイコクコガネがいたのではないかという話を耳にしました。詳細は不明ですが、たしかに55~60年前には『日本列島フン虫記』(塚本珪一:著)P142のリスト(写真3枚目)にあるとおり、ダイコクコガネは京都や大阪にいたわけですから、奈良にいたとしても不思議はありません。いると思って探すと、もしかすると見つけることができるかも。『日本産コガネムシ上科図説』(コガネムシ研究会:監修)によると、「・・・新鮮な牛糞から見つかることが多いが、シカ糞に依存している個体群もある。」とのことですから、この春以降、ヒメコマグソコガネクロツブマグソコガネに加えてダイコクコガネも探してみます。大きな角がカッコいいダイコクコガネとルリ色に輝くオオセンチコガネのツーショットが見られるかも、なんて考えるだけでワクワクしちゃいます。

今日はここまで。
また明日!

2/10 晴 10:00~11:30 奈良公園 山田調査員同行
環境Ⅱ(芝地と林の境界)鹿糞・塊・新中 
オビモンマグソコガネ4
ネグロマグソコガネ10+
チャグロマグソコガネ5+
環境Ⅳ(林)鹿糞・粒・中
ネグロマグソコガネ4
ミゾムネマグソコガネ2
ほか4ヵ所でネグロ、チャグロ(ミゾムネも)
うち1ヵ所でオビモン1
環境Ⅱ(車道と林の境界)犬糞・新中(2~3日経過程度)
セマダラマグソコガネ3

この時期、ほぼ予想通りの生息状況を確認できた。
今回、マグソコガネ、クロツツマグソコガネ等は見られず。

寒いけど、ぜひ奈良公園でシカ糞に顔を20cmまで近づけて、糞をほじほじしてみてください。3mm前後の丸くて小さい(=カワイイ)糞虫に出会えますよ。他の大きな糞虫がいなくなる冬に活動する、ちょっと変わったシャイな糞虫達ですが、みんないい奴ばかりです!

また明日!


 

 日本産コガネムシ上科図説第1巻〔食糞群〕(監修:コガネムシ研究会)によると、クロツツマグソコガネもヒメツツマグソコガネも1年を通して出現するとなっています。両種とも奈良公園ではそれほど珍しくもなく、カシの木やナンキンハゼの朽木の皮をパカッと剥がせば意外と簡単に観察することができます。特にここ数年は「ナラ枯れ」や台風などで多くの木が倒れており、朽木に住む糞虫達のいい住み家になっています(写真1枚目)。
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 先週観察したヒメツツマグソコガネは、伐採された「ナラ枯れ」のクヌギの樹皮をめくって見つけました。一昨年の5月と6月に奈良公園で私にとって初めてこの両種を見つけてからは、「ホンマに一年中いるんかいな?」と気にかけていましたが、見つけるのが下手な私でもこの1年半の間観察して、ほぼ毎月のように見ることができましたので、間違いありませんね。よく見つかるのは広葉樹の倒木で樹皮が微妙に浮いていて、パカッと捲れるくらい朽ちている幹。地面に横たわるなどしていてかなり湿っていることが重要と感じています(写真2,3,4枚目)。
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 子育てをするのか、7月頃幼虫と一緒にいるという情報があるのですが、まだ確認できてません。ネグロマグソコガネの幼虫よりさらにスリムで小型の可能性もあるので、見過ごしているのかもしれません。どんな形をしているのか?何を食べているのか?どれくらい生きるのか? わからないことだらけの奴らですが、少し珍しい糞虫でもあるので、出会えるだけでもありがたいと思わないといけないのかも。

 ところで、奈良公園に朽木を粉々に粉砕する人が来てますねー。何かお目当ての虫を探してるんでしょうが、朽木は集合住宅みたいなもんで、お目当ての虫以外の生き物もたくさん住んでいます。寒空の下に裸で放り出されるわけですから、かわいそーと思わないのでしょうかね。ほかの生き物のことを考えていないという点で、ある種の害虫を殺そうと殺虫剤をまいて関係のない生き物まで皆殺しにしてしまうのと同じじゃないかなー。

今日はここまで。
また明日!

 先週、マグソコガネの仲間の幼虫を見つけたので家に持ち帰りました。で、お皿に移してルーペで糞を細かくほぐしながら幼虫を見ていると、なんと卵の殻が見つかりました!ほぼ球形と思われる卵の殻を丸く切って、パカッとふたを開ける感じで孵化したようです(写真1,2枚目)。
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 マグソコガネの幼虫が孵化する瞬間を見たわけではありませんが、幼虫の体内にはすでに食べた糞が茶色く溜まっているので、孵化して数日経過していると考えれば、卵の殻と幼虫の大きさも「こんなもんやろー」と言えるのではないでしょうか(写真3,4枚目)。糞の中からはハエの幼虫らしきものも10匹以上出てきましたが、ハエの卵とは大きさも形も全く違います。
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 幼虫は、昨年クロツヤマグソコガネを繁殖させたときに見たものと頭の形状やお尻の割れ具合等が似ており、マグソコガネの仲間であることは間違いないと思います(写真5,6枚目)。
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 この時期奈良公園のシカ糞で主に活動しているのは、ネグロマグソコガネ、チャグロマグソコガネ、ミゾムネマグソコガネ、(オビモンマグソコガネもいるけど少ない)ですが、マグソコガネの仲間でもこれら3種はやや小型なので、卵が大き過ぎるような気がしないでもありません。まあ、オオセンチコガネの卵は4mm前後もあるそうですから、ありえない大きさではありません。やや大きいマグソコガネ(Aphodius rectus)ということも考えられます。ちなみに、比較のために置いている金属は昆虫針(2号)です。また、幼虫は大きさの比較のために卵の殻の近くに移動させて撮影しています。
 何とかこの幼虫たちを無事に成虫まで育てたいものです。並行してネグロマグソコガネ(成虫)の飼育を開始していますので、こちらが産んだ卵を見つけることができれば、謎は解けるかもしれません。

今日はここまで。
また明日!
  

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