
写真(出典:Introduced Dung Beetles in Australia)はアフリカ北部やヨーロッパに生息していてファーブル昆虫記にも登場するイスパニアダイコクコガネ(Copris hispanus)ですが、こういったアフリカやヨーロッパなど国外の糞虫がオーストラリアに移入され糞公害に対処した話は、このブログを読む人であればご存じの方も多いと思います。実はニュージーランドでも同様の問題が発生しており、10年程前から本格的に糞虫の活用について研究されるようになったそうです。2018年、糞虫館オープン予定の新聞報道を見たニュージーランドで糞虫の繁殖の仕事をしているYK様から次のようなメールをいただきました。「ニュージーランドでは主に牛の糞が原因で水質汚染や大気汚染の問題が深刻になったので、私は糞虫の繁殖に大きなスケールで4年前から取り組んでます。帰国したら糞虫館に遊びに行きます。」
時が流れて2022年9月、見知らぬ人から「ニュージーランドでフンコロガシの重要性を訴えてフンコロガシを輸入できるようにジョン・ペアス(John Peace)さんと一緒に働きかけて成功させた人」が糞虫館に行きたがっているとの連絡があったのですが、私はすぐにその人がYK様に違いないと確信しました。

で、連絡をくれた方も含めた3人と11月に糞虫館でお会いして、糞虫トークを楽しみました。オーストラリアの場合は公的機関が社会問題解決への対応として外国の糞虫を研究し移入しましたが、ニュージーランドではERMA(環境リスク管理局)を巻き込んで民間主導で進められたようで、国の許認可取得なんかは大変だったそうです。
ネットを検索すると2008年9月のニュースに「農業の生産性を高める計画の下で、フンコロガシは3年後に導入される可能性がある」と出ていました。実際、2011年に最初の2種類の糞虫が輸入されたようです。なお、私の英語力、理解力、記憶力には限界がありますので、ご参考程度でお願いします。この続きは、また次回。
今日はここまで。
週末は糞虫館で会いましょう!
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