むしむしブログ

カテゴリ: 日本の糞虫

PA240280
PA240297
 
 見やすい写真がふんだんに使われた糞虫図鑑がある現在では考えにくいことですが、キレイな黄色い斑紋が前翅にあることから、過去にはヤマトエンマコガネと間違われていたこともあるというミツコブエンマコガネ(写真1,2枚目)。その分布が偏っていることから、港から上陸した”外来種”の可能性が高い本種は、『日本列島フン虫記』(著:塚本珪一)にもあるように、夢前川あたりが震源地となっているようで、私も2017年に夢前川2019年に揖保川でこの目で生息状況を観察しています。1ヶ月程前、糞虫館に来た虫好きの方から「ミツコブエンマコガネなら姫路では普通にみられますよー」とあっさり言われ、「ほんまかいなー?!」と10/20に高速代5000円使って見に行ってきました。
PA200272

 たしかに、教えてもらった場所に行くと、フツーにいました。イネ科の草が表面を覆ってますが、海岸沿いなのでピンセットで簡単に掘れるほどサクサクの砂地で、適当な犬糞にはほとんどミツコブエンマコガネが来てました(写真3枚目)。揖保川の河川敷ではカドマルエンマコガネもたくさん来てましたが、ここは波の荒い日はしぶきがかかるような場所だからか、カドマルエンマコガネは1匹もいませんでした。
 ミツコブエンマコガネは川沿いに生息地を広げているようですが、もしかしたら海水に耐性があって、海岸沿いにもイヌやネコの糞を糧にやすやすと分布を広げているのかも知れません。たしか市川の河川敷ではすでに見つかっていますから、次は加古川でしょうけど、それも私が知らないだけで、実はもう明石をぬけて神戸のすぐ近くにまで来ているのかもしれません。50年くらい継続して観察すれば、この虫が日本に分布が広げる様子が見えてくるかもしれません。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!

P7250033-1
 P7290112-1

 長野の糞虫好きの方から送っていただき、奈良公園のシカ糞での繁殖に挑んでいたダイコクコガネですが、行方不明になっていたオスの遺体が1匹、飼育容器の隅の土塊の中から見つかりました(写真1枚目)。菌類が中に入り込んでいるようですが、まだきれいに外観を保っており(写真2枚目)、容器に侵入しているエンマコガネの活動による破損もないところから、春の終わりごろまでは生きていたのではないでしょうか。ピッカピカの元気なオスだったので寿命だったとは思えません。コイツには申し訳ないことをしてしまいました(もちろん、失敗は今回が初めてではないですが・・・)。
P7250026-1

 が、冬を越すことでオスが生殖能力を持つとすれば、存命中のメス(写真2枚目)と既に交尾を済ませていて、2匹いるメスが糞玉を作って産卵する可能性があるのではないでしょうか。ゴホンダイコクコガネ等はオスメスのペア育児室を作ってそこに糞塊を準備し、糞玉を5,6個作ってメスが産卵する(オスは途中で出ていく)らしいのですが、どのタイミングで交尾するのか私は知りません。ルリセンチコガネは地上で交尾している様子が何度も観察されており、穴を掘って糞を集める段階ではメスは単独ですでに受精卵を産卵できる状態になっていると私は考えています。スカラベ(タマオシコガネ)を飼っていた時も、ひとりで糞玉を作り、転がし、穴に埋め、地下で卵を産み、幼虫になりました。シロウトの希望的観測ではありますが、もしかしたら、残されたダイコクコガネのメスに十分なシカ糞を与えて飼っていると一人で地下に育児室を作って、糞玉も作って、受精卵を産んでくれるのではないか、とわずかな希望を持っています。「それはムリでしょう」というデータや観察事例がありましたら、そっと、やさしく、教えてください。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!

 一週間前にダイコクコガネの飼育容器を総ざらいした時、ゴホンダイコクコガネの糞玉とともに、大きく育ったエンマコガネの幼虫が見つかりました。その大きさからカドマルエンマコガネだと考えています。エンマコガネ属はコガネムシ科なので、その幼虫は基本的にはカブトムシの幼虫みたいな感じなのですが、背中に大きなコブがあるのが特徴です。なーんて、知ったかぶりして書きましたが、生きているエンマコガネの幼虫をじっくり見たのは実は初めてなのです。感想としては、あれはコブというよりお尻ですね。ぼーっと見てるとむにゅむにゅ動くコブがお尻に見えてきます(写真1,2枚目)。
P7150098-1
P7150096-1

 エンマコガネの幼虫は自分の周囲を押し固めた丸い部屋の中にいて、その部屋が壊れるとスカラベ(タマオシコガネ)と同じようにお尻からドロドロのウンコを出して、割れ目や穴をふさぎます。周囲の獣糞に含まれる繊維と混ぜ合わせて修理しているようです(写真3,4枚目)。その作業をする時はお尻と口を割れ目付近に持ってくるので、背中のコブで体を安定させる必要があるのでしょう。コブの先端は自由自在に形を変え、どんな体勢の時でもしっかり体を支えていました。そう考えると、コブはお尻というより足に近いかも。
P7150120-1
P7150151-1

 クロツヤマグソコガネを飼育した時は、幼虫を掘り出してもあわてて潜って逃げて行きましたし、コブナシコブスジコガネの幼虫も同じでした。どちらもコブはありません。スカラベやエンマコガネの仲間には”自分の部屋(=限られた食糧)”という意識があって、だから、そこを壊されても逃げ出さずに修理するという行動に出るのかもしれません。そしてそのために必要なのがコブではないでしょうか。スカラベは糞玉に住んでいるのでわかりやすいですが、エンマコガネも坑道に詰め込まれた限られた量の糞ソーセージの中に住んでいると考えれば納得です。
 いや、でも、センチコガネの幼虫はどうなんでしょう?ダイコクコガネの幼虫は? コブ、ありましたっけ? あれれ? 謎は深まるばかりです。

今日はここまで。
週末、糞虫館で会いましょう!

 越冬後、元気なメスだけが確認されているダイコクコガネ。一昨日、容器の土を全て掘り起し、ダイコクコガネのオスのご遺体を回収するつもりで土の塊を崩していきました。と、出てきたのがこれです(写真1,2,3枚目)。おおーっ、これはまさしく糞玉!ホントに”玉”なので一目でわかりました。
P7150005-2
P7150017-1
P7150022-1

 糞玉は3つありましたが、形はほぼ真ん丸で、どれも直径21~24㎜に収まっており、重さは6g前後。見事なまでに粒ぞろいの糞玉に仕上げています。しかし、ダイコクコガネは体長25㎜以上ありますから、彼らの糞玉にしては小さすぎます。じつは、これらはゴホンダイコクコガネの糞玉のようです。長野のフン虫好きの方がゴホンダイコクコガネも一緒に送って下さったので、とりあえず一緒に容器に放り込んだことを思い出しました。玉を掘り出した時、糞玉の近くにゴホンダイコクコガネのメスが1匹(写真4枚目)、表面近くにはオスが1匹いました。
P7150010-1

 その他にもこの容器からは、たくさんのナガスネエンマコガネ、クロツヤマグソコガネ、ウスイロマグソコガネなどが見つかりましたが、これらは餌のシカ糞と共に飼育容器に潜り込んだようです。細かく見ていくと、ゴホンダイコクコガネやカドマルエンマコガネ、ナガスネエンマコガネ等の死骸もいくつか見つかりました。しかし、ダイコクコガネの死骸はおろかオスのツノの欠片さえ見つけることができませんでした。2匹のオスがいたはずなんですが・・・。
 ゴホンダイコクコガネの糞玉をこの目で見たのは初めてでしたので、普通だったら大喜びするのですが、日本最大種ダイコクコガネをシカ糞で繁殖させるという大きな目標が果たせなかったので、今は残念な気持ちが強いです。
 ところで、この糞玉には卵が入っているのでしょうか?スカラベ(タマオシコガネ)は糞玉に卵を産むとその部分を盛りあげて洋梨型にするので明確にわかりますが、ダイコクコガネやゴホンダイコクコガネはどうなんでしょう。名著『ふんコロ昆虫記』(トンボ出版)には地中の糞玉の写真が載っていますが、どれも丸くて少なくとも洋ナシ型には見えません。ということは、私の手元のこの3つの糞玉の中には卵、もしくは幼虫が入っているかもしれません。育児室を完全に破壊してしまったので、土を押し固めてくぼみを作り、そこに糞玉3つとゴホンダイコクコガネのメスを置いて、上からそっと土を10 cmほどかぶせました。メスが育児室を作って糞玉の世話を再開することを祈るばかりです。
 
今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!
 

 今飼育しているコブナシコブスジコガネも、もとは長野の糞虫好きの方から送っていただいたのです。送られてきたタッパーでそのまま飼育を続けているとどんどん増えて、結局60匹以上の新成虫が誕生しました。ビギナーズラックって、本当にあるんですね。幼虫やさなぎの貴重な写真も撮影できて本当にラッキーでハッピーでした。ただ、8月になると夏バテしたのかあまり活動しなくなり、秋になっても活動がイマイチのまま冬がきてしまったので心配してました。暖冬のせいか途中ウロウロすることはありましたが、先月頃からようやく活発に活動するようになってきました。今ではエサの羽毛やシカの毛、エビ、金魚などをバリバリ食べています(写真1枚目)。去年悩まされたダニの発生も気にならない程度なので、ビギナーズラック・アゲインといきたいところです。
P7100023-1

 それにしても、オオコブスジコガネにしてもコブナシコブスジコガネにしても、私のような飼育のシロウトがプラケースに入れて飼っても繁殖するのに、野外ではめったに見ることのできない超珍しい糞虫だなんて、不思議です。彼らが安心して暮らせる場所がないからかなーなどと考えてしまいます。それとも、この虫に誰も興味がないので、本当はたくさんいるけど人の目に留まらないだけなのでしょうか? いずれにしても残念なことです。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!
 

このページのトップヘ