むしむしブログ

カテゴリ: 日本の糞虫

  先月1月は観測史上最も暖かい1月だったそうです。そのせいでしょうか、今迄は掘り出しても寝ぼけたような動きしかしなかったコブナシコブスジコガネが1匹、自力で地上に現れ、歩きまわっていました(写真1枚目)。12〜13℃という気温を虫がどう感じているのか知る由もありませんが、少しぎこちなさはあるものの元気で、30分くらいウロウロした後、写真やビデオ撮影に驚いたのか、またフレークの中に潜ってしまいました。
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この種がフクロウの巣から見つかる話は有名ですが、鳥は体温が高いですから、自然界のコブナシコブスジコガネは、冬眠などせずにフクロウの巣の中で 一年中ぬくぬくと暮らしているのかもしれません。もちろん、これは私の空想ですけどね。

きょうはここまで。
また明日!

 むし社の糞虫3部作の第2弾が、ちょうど今から3年前に出版されたこの『日本のセンチコガネとその仲間』。センチコガネは、オオセンチコガネに比べると色彩が地味で、しかもどこにでもいる種類なので、オオセンチコガネの陰に隠れがちでした。しかし、日本各地の色彩変異を眺めると、オオセンチコガネに劣らず様々な色彩に彩られていることがわかります。21世紀になって九州の通称「レインボーセンチ」が広く知られるようになると、センチコガネに対する注目が一気に高まったことは記憶に新しいと思います。
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 「レインボーセンチコガネ」というのは俗称で、正式に図鑑に載っているわけではありませんが、九州の一部の地域では体色が見る角度によって異なり、七色に輝くセンチコガネが生息しているのです。恐らくそこには昔から七色に輝くセンチコガネは生息していたけれど、地元の人はそれが当たり前なので何とも思ってなかったのかもしれません。それをどこかの虫好きが「ややっ⁉ なんだこの美しい虹色は!奈良のルリセンチコガネに勝るとも劣らない美しさだ。よし、レインボーセンチコガネと名付けよう。」と言ったかどうかは知りませんが、とにかく「レインボーセンチ」はブレイクした(?)のです。
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 この本にはセンチコガネ科だけではなくムネアカセンチコガネ科やアカマダラセンチコガネ科の珍しい糞虫もたっぷり綺麗な写真で紹介されています。たまたま何かの幸運が重なったときにしか採集できないムネアカセンチコガネやアカマダラセンチコガネ等が綺麗に可愛く、しかもしっかり生態を捉えた写真がたくさん載っているので、本当に胸がキュンキュンしてしまいます。同時に、生態観察好きの私としては「俺もナマで観察したい」という欲望がメラメラと湧き出してきます。まあ、彼らの100分の1の努力さえもしていない私には天も味方しないでしょうけど・・・。
 センチコガネとその仲間のことを生態も含めて楽しく詳しく知りたいのであれば、一番のおススメでしょうね。この本もお値段は『日本のオオセンチコガネ』と同じ6,400円(税別、送料無料)で、売切れ次第販売終了です。普通の本屋さんには置いてないので、まずは糞虫館で実物をご覧ください。絶対欲しくなりますよ。糞虫館には10冊しかありませんが、むし社 や 昆虫文献 六本脚 など昆虫の専門書を扱うお店ならネット通販で購入できます。

今日はここまで。
また明日!



 

 たいていの人は「むし社」というとキョトンとして「ムシシャ?」と聞き返します。しかし、東京都中野区にあるむし社(2019年4月に中野駅から高円寺駅の方に移転)こそ、昔から我々虫好きが必ず何度かはお世話になる超有名な虫屋さんです。生きた虫も、虫の標本も、虫の採集道具も、虫の本も、そして虫の情報も、とにかく虫に関することならここに行けば何とかなるというそんなオールマイティなお店。『月刊むし』を何十年にわたって毎月発行し続けているのもこのお店です。もちろん関西出身の私も何度もお世話になってます。
 いや、別に私はむし社の手先ではないのですが、先月12月にコガネムシ研究会のメンバーの方々が作ったダイコクコガネの本がむし社から出版されたので、そのお祝いパーティーに行ってきました。出版記念パーティーといっても糞虫好きのおじさんの飲み会とどこが違うんだ?! みたいな十数名の集まりでしたが、めちゃくちゃ糞虫愛にあふれておりました。そこで、むし社の方と懇意になり、なんとならまち糞虫館で『むし社の糞虫本3部作』と呼ばれる百年に一度しか出版されない(⁉)隠れた名著の3冊『日本のオオセンチコガネ』『日本のセンチコガネとその仲間』『日本のダイコクコガネの仲間』を委託販売することになったのです!
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 いずれもハードカバーでA4くらいあるので持ち運びには適しませんが、カラー写真満載で、見ているだけでも十分楽しめます。読めばさらに楽しめます。糞虫館で最も手に取って見てもらう機会が多いのは『日本のオオセンチコガネ』。生息地によってオオセンチコガネの色が異なっており、ルリ色をしているのは奈良だけだという私の説明に驚いた人がこの本を手にすることが多く、各県の様々な色合いのオオセンチコガネが紹介されているこの本はすごく人気があります。
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 ただ、丁寧にページをめくると、三重県の伊勢神宮や熊野市、和歌山県、屋久島にもルリ色の個体がたくさんいることがわかるので追加の説明が必要になり、ちょっと面倒臭いんですけどね(笑)。子供が買うには値が張るので、ご両親から未来の昆虫博士へのプレゼントにいかがでしょう。売切れ次第、販売終了ですのでお早めに。

今日はここまで。
また明日。
 

 昨年の10月、何度か滋賀県に出かけて生きたヤマトエンマコガネを観察してきました。このあたりにはたくさん生息しているらしく、公園とか車道の脇とかのイヌ糞やタヌキの溜め糞からフツーに見つかりました。でも、奈良公園では見ることができなくなって久しい貴重な種類です。見つけた5匹を持ち帰り、悩んだ末にオス・メスの1ペアを標本に、3頭を飼育してました。11月に1頭を死なせてしまったので、残されたオス・メス1匹づつの飼育を続けています。11月末頃でも何度か姿を見かけたのですが、12月以降はさすがに気温が低いためかご無沙汰しています。ただ、12月に入れたシカ糞の塊や地表に新しい穴ができていたので、まだ生きている可能性が高いです。
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 私の1世代前の糞虫好きの先輩方は「若草山で野グソを一発かませば、何十匹も飛んで来たもんだ」なんていうほど奈良公園にも生息していたようです。1950年代までの話のようですが・・・。なぜ、いなくなってしまったんでしょうね。記録では、ヒト糞やイヌ糞、タヌキ糞を好むようで、シカ糞はそれほど好みではないのかもしれません。ホントにシカ糞ではダメなのか?この単純な小さな謎を解くために、私がこの秋に往復2時間かけて5回滋賀まで車を走らせ、連れて帰ってきたヤマトエンマコガネ。かつての飼育実験で、シカ糞を拒んで全滅したセマダラマグソコガネとは違い、何となくうまく生きているような感じなので、春まで掘り返さずそっと置いておくことにします。もし奈良公園のシカ糞で繁殖できるようなら、奈良公園から姿を消した謎がさらに深まるわけで、全然問題解決しないんですが、まあ、それはそれで良しとしましょう。

今日はここまで。
また明日!
 

明けましておめでとうございます。2020年元旦。今日から書かなければ、いつブログを再開できるのか。
・・・というわけで、元旦からまたブログ始めました。
 
 冬の寒さが厳しさを増すこの時期、”糞虫の聖地”である奈良公園と言えども、センチコガネやエンマコガネの類は見ることはできません。夏の終わり、ピカピカの姿で現れたルリセンチコガネの成虫も地中に潜り春まで出てきません。春から夏にかけて、ビギナーズラックでどんどん増えて楽しませてくれた糞虫館のコブナシコブスジコガネは、酷暑で夏バテしたのか活動が鈍り、秋のいい季節になってもあまり活発に活動をしないまま、冬になってしまいました。2019年の7/31時点では、前年の成虫が11匹、新成虫が64匹いましたが、いったい今何匹生存しているのか?ホントに生きているのか?確かめたいのですが、この寒い時期に掘り返すことは、虫にとっては百害あって一利なし。3月まではそっとしておくしかないと思ってました。
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 今日、1匹が地表で、もう一匹が半分埋まった状態で死んでいるのを見つけました。よく見るともう一匹。珍しい種類なのでせめて手足が残っていれば標本にしようと、軽く霧を吹いてから3匹をつまみ出して、実体顕微鏡の下に置きました。1匹は腹の部分だけでしたが、後の2匹は関節もやわらかく、符節も残っていていい状態です。コイツらは、成虫でいただいた個体なので、1年以上は成虫で生きていたことになりますが、この冬で全滅するようであれば、コブナシコブスジコガネは2年を超えて生き続けることは稀であると考えちゃいますね。
 ぶつぶつ独り言を言いながら、展足しようと再び顕微鏡を覗くと、死骸の腹だけしか視野にはありません。なんと、2匹とも生きていて、ゆっくりですが這って移動してました。悶えるようなゆっくりとした動きは、新成虫が夏から翌春までずーっと眠り続けるクロツヤマグソコガネを掘り出した時と同じ動きです。もしかしたら、この2匹は寒さが緩んだ日に地上に這い出てきたものの、また寒くなったので動かなくなったのかもしれません。2018年産の残りは計算上はあと9匹。何とか春を迎えてもらって、元気に鳥の羽根をバリバリ喰う姿をまた見せてほしいものです。

今日はここまで。
また明日!
 

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