むしむしブログ

カテゴリ: 日本の糞虫

 立冬も過ぎ、暦のうえではもう冬です。日中は20℃程になりますが、朝晩は10℃を下回るようになりました。長野の師匠によると、オオコブスジコガネ(写真1枚目)は東南アジアの種らしく、普通に飼育していると冬の気温低下で幼虫も成虫も死んでしまうそうです。ウチのは暑い8月はぱったり姿を現さなくなり心配しましたが、9月になるとまた元気な姿を見せるようになり、夜中に5匹が一度に動き回ることもありました。でも、いまだに新成虫らしき個体は見当たらず、今年の成果は8月に掘り出した大小様々な幼虫蛹(1匹・羽化せず)という結果に終わりそうです(写真2、3枚目)。
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 問題は気温が下がるこれからで、実際のところ10月の下旬からまた成虫がまたぱったり出て来なくなったのです。日本産コガネムシ上科図説をみても出現期は9月までなので、放置するとこのまま死んでしまう可能性が高いような気がします。で、エアコンで室温を24℃に設定してみました。すると、その日の晩に早速3匹がウロウロ歩き回っていました。夜行性なので、夜に冷えると活動しなくなるのかもしれません。夜の24℃は過保護だと思うのでもう少し下げて様子を見ることにします。それにしても、自然界ではどのようにして越冬しているのでしょうか?8月上旬に1匹だけですが蛹を確認しているので、オオセンチコガネのように夏の終わりに新成虫が出現し、成虫で越冬する、と考えたくなりますが、夜の室温15℃で出て来なくなるほどの寒がり屋では、成虫での越冬は難しいようにも思えてきます。いろいろ試したい気持ちはありますが、絶滅が心配されるほど稀少なこの小さなカワイイ虫を、まずは無事越冬させてあげることを最優先に飼育したいと考えています。

今日はここまで。
また明日!

 日本最大の糞虫、ダイコクコガネ。デカくてツノがあってカッコよくて、丸っこくて少し愛嬌があって。こんな奴らがウンコの中にいて、しかも地中で丸い大きな糞玉を作って子育てするんです。面白すぎますよね!この目で見てみたいですねー。じつは今、手元には師匠にいただいたダイコクコガネが元気に動き回っています(写真Ⅰ枚目)。最初の頃、ダニが特にたくさんついていたオスとメスを水道水で洗い流しながらブラシでダニ取りをしたところ、数日後にその2匹が続けて死んでしまいました。水道水が原因だと特定できたわけではありませんが、その後はたまにブラシで軽くダニを落とすだけにしています。アフリカ産のタマオシコガネは、ダニ取りの時に水道水で洗っても平気だったので、ダイコクコガネも同じようにしたのですが・・・。良かれと思ってしたこととはいえ、可哀そうなことをしてしまいました。
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 ダイコクコガネは牧場の牛糞で生活しているイメージが強いですが、シカ糞で暮らしている個体群もいるようで、それを私は飼育しています。ふだんからシカ糞を食べていたせいか、夜に奈良公園のシカ糞を投入すると穴からごそごそ這い出てきて、嬉しそうに投入したばかりの糞を掻き分けて潜っていきます。体が大きいだけあって、毎週400~500g投入するシカ糞は3日もすれば跡形もなくなり、ふかふかのマットのようになってしまいます。自然状態では、シカは1回100g前後しか糞をしませんから、いつも食べ物(シカ糞)を探し回っているのかもしれません。でも、育児球を作る時はどうするのでしょう?直径3cmの糞玉でも30gくらいありますから、仮にひとり占めして全部かき集めることができたとしても、3つ。自然界では2つできればいい方ではないでしょうか。単なる私の想像ですけど。んー、今の飼育方法だとシカ糞が不自然にたくさんにあるので、糞玉をたくさん作るかもしれません。1回の糞の投入量は100gくらいに抑えたほうがいいかも・・・。まあ、産卵は春になってからのようですから、そんな心配より、まずはこの冬を無事に乗り切ることが最大の課題です。
 メスは特に丈夫で、3年くらい生きるそうです。今の私にとっては気の遠くなるような長い期間ですが、いまや絶滅の危機に瀕しているといっても過言ではない貴重なダイコクコガネをできるだけ長生きさせてやりたいと思います。

今日はここまで。
また明日!

 

 以前、コブナシコブスジコガネに大量のダニが憑りついて可哀そうなことになっていましたが、その後についてご報告いたします。最も大切なことはなぜこんなことになるのか、原因を考えることですが、同じ時期に羽化して同じ環境(容器)で飼育しているのに一部の個体(1割程度)のみが極端に被害が酷いことから、比較的弱い個体が狙われたのではないか、ぐらいのことしか思いつきません。でも、ほかの個体と同じくらい元気なんですよねー。でもこの状態を何とか改善してやりたいので、特に酷い8匹を隔離して乾燥気味にして飼育してみました。「握ると団子になるけどすぐに崩れる」程度の湿り気で飼育してましたが、フレークがサラサラになる程度まで乾燥させて飼育しました。すると徐々にダニの数が減少し、10日もしないうちにほぼキレイにダニはいなくなりました!(写真1枚目7/27、2枚目8/3、3枚目8/5)
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 でも、それから1週間ほどしてこの8匹は全て死んでしまいました。ダニが生きていけない程の乾燥は、コブナシコブスジコガネにとってもよくなかったと考えざるを得ません。一方、少し湿り気のある元の容器の50匹余りのコブナシコブスジコガネからは、また5,6匹がダニに覆われた個体が発生していました。気持ち悪いけど、このダニは一体何をしているのでしょう?関節部分でなく固い前翅の表面に何かオイシイモノがついているのでしょうか?同じ容器で飼っているのになぜダニが前翅を覆うほど取りつく個体と全然つかない個体がいるのでしょう?謎は尽きませんが、このまま飼育してこのダニが重大な害を与えている(=個体が早く死んでしまう)かどうかを見極めたいと思います。

今日はここまで。
また明日!

 糞虫好きの大御所、塚本珪一先生はたくさんの糞虫に関する本を書かれていますが、その中の『日本列島フン虫記』には、塚本先生ご自身がフン虫学の師と仰ぐ 河野伊三郎氏と二人で1994年10月13日に楽しそうにミツコブエンマコガネを採集された時の様子が書き記されています。ミツコブエンマコガネは1990年の日本昆虫学会で「外国から日本に侵入したと推定される糞虫」として横井氏から報告されており、当時は同様の黄色い斑紋をもつヤマトエンマコガネと混同されていた例が散見されるなど、かなりのインパクトがあったようです。私は、この本を読んでミツコブエンマコガネに関心を持ち、2017年の5月と9月に兵庫県の夢前川に観察に出かけたのでした。しかし、本の中でお二人はいとも簡単にミツコブエンマコガネを見つけるのですが、虫を見つけるセンスのない私は大苦戦し、この時は2回とも夕方帰る直前に奇跡的に1匹だけ採集できたという、まるで伊三郎氏が私を可哀そうに思って天から遣わしてくれたような不思議な体験をすることになりました。
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 ただ、前の2回の観察で春と秋に成虫が出現することを私なりに確認できたので、今回は1993年9月に夢前川の西を流れる揖保川で伊三郎氏が採集したことの追体験を目指しました。さすがに三度目ですから、今回はバッチリ。干からびた犬糞の下の穴からオス・メス各1匹、メチャメチャ臭い獣糞(イタチ?)から大小4匹のミツコブエンマコガネ(写真1枚目♀、2枚目♀)を見つけることができました。一番多かったのはカドマルエンマコガネで、同じ獣糞から50匹以上見つかりました。河川敷の草地にはシカ糞もあちこちに落ちてましたが乾燥したものが多く、糞虫を見つけることはできませんでした。伊三郎氏は夢前川の東部を流れる市川(1994年10月)や台湾(1980年6月)でもミツコブエンマコガネを採集されています。
 河野伊三郎氏は1997年9月に亡くなられていますが、チャグロマグソコガネ(Aphodius isaburoi ← イサブロイ)やミツコブエンマコガネの名を聞くたびに私の脳裏によみがえり、今なお生き続けています。一度もお会いしたこともお話ししたこともないんですけど、不思議なご縁です。

今日はここまで。
また明日!

 この一か月間で5回滋賀県に糞虫観察に行き、念願のヤマトエンマコガネに会えたのですが、実はもう一つビッグニュースがあります。なんと、シカ糞からマルツヤマグソコガネを1匹見つけました!何百粒というシカ糞を見ても、シカ糞からはヤマトエンマコガネは1匹も見つからなかったのですが、4回目の10/16に見た新鮮なシカ糞にマルツヤマグソコガネが身体を半分突っ込んでいたのです。この丸っこさ、もうサイコ-にカワイイですよね!(写真1枚目)
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 昨年8月に奈良県の宇陀郡で牧場の牛糞から1匹見つけているので、これで2度目。『日本産コガネムシ上科図説』(監修:コガネムシ研究会)によると「広域分布種であるが産地は比較的局所的。春季に個体数を増す」とあり、発生時期が4~10月になっているので、ちょっと貴重な記録かも。
 奈良では、1965年頃は奈良公園の山間部でも観察できたという話があるようですし、『奈良春日山原始林と周辺のコガネムシ』(1998年三木氏ほか)によると、日陰のシカ糞に4~6月に成虫が見られるとのこと。もちろん私は、奈良公園で一度もマルツヤマグソコガネを見たことはないのですが、いるかもしれない、と妄想するだけで楽しくなってきます。

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