むしむしブログ

カテゴリ: 日本の糞虫

 マルとかツヤとかクロとかオビとか形や色などを組み合わせたわかりやすい名前の多い糞虫たちですが、この「ヌバタマ」はちょっとわかりにくいですね。と、ここまで書いてネットで「ヌバタママグソコガネ」を検索したら、6年前の2020年4月に私が同じネタで書いたむしむしブログが出てきました。(笑) なので、こちらをご覧ください。 
 → http://insect.nakamura.business/archives/40299944.html
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 本種は日本産コガネムシ上科図説では★2つの普通種で、県内では東吉野村や宇陀郡などでも見つけているので、ナルホド!ですね。でも、三重県ではレッドデータブック2015、佐賀県ではレッドリスト2023版にそれぞれ絶滅危惧種Ⅰ類(「絶滅」の一つ手前のカテゴリー)に記載されています。また、私は奈良公園での観察記録をもとに「春マグソ」としていますが、頼りにしている図説によると出現期は3月〜12月。機械的に考えると???ですが、少し想像力を働かせると実態が見えてきます。
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 ヌバタママグソコガネはほぼ日本中に生息する普通種なので、真冬以外はどこかで普通に見つかるという確かな記録があるのだと思います。そんな中で、三重県や佐賀県では昔はいたけど、今はいくら探してもなかなか見つからないということなのではないでしょうか。AIがどんなに進化し普及しても、我々虫好きの標本や記録の積み重ねがないとどうしようもないんですね。さらに突っ込んで言うと、レッドデータブックに載ってないから大丈夫なんて考えるのは、間違いです。鳥や動物、爬虫類、両生類、魚類、どれと比べても昆虫はケタ違いに種類が多いですから、単にその虫が調査対象になっていないだけと考えたほうがいいんじゃないかと思ってます。例えばクロツヤマグソコガネ(奈良公園にはたくさんいる)とかマルエンマコガネ(沖縄にはたくさんいる)とかは、日本全国レベルでその生息状況を考えた時、大丈夫なのかな?と心配になります。まぁ、そこらへん詳しくないので、間違ってたらごめんなさい。

今日はここまで。週末は糞虫館で会いましょう!
奈良公園(若草山)糞虫観察会5/10(日)の参加申込をお忘れなく!!
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 奈良公園では1年を通して様々な糞虫を観察することができますが、出現期が短くその時期を逃すと翌年までお目にかがれない種も少なくありません。希少なヒメコマグソコガネは別格ですが、クロツブマグソコガネ(写真1枚目)も要注意です。コイツは米粒型のマグソコガネの仲間のなかでは特に丸っこくてもっこりしているので、大変わかりやすい種類です。
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 春は様々な糞虫たちが次々に姿を現すので、奈良公園に行く機会は多いのですが、クロツブマグソコガネは他の糞虫達が見向きもしないような古いシカ糞に好んで潜り込む(写真2枚目)ので、意識して探さないと全く見つかりません。香り高い新鮮な糞は好みではないのです。もちろん干乾びた糞はNGです。
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 クロツブマグソコガネは近年乾燥化が進む奈良公園では見つけにくい糞虫になってしまいました。しかしやや標高がある青山高原辺りだと、おそらくよく霧が出るのでしょう、森全体がしっとりしていて、落ち葉に埋もれていないシカ糞でも干乾びることなくいい感じで熟成が進むようです(写真3枚目)。なのでここではクロツブマグソコガネを簡単に見つけることができます。インバウンド景気に活気づく奈良ですが、奈良公園の林における生物多様性は確実に低下してきているように思えてなりません。

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 マルエンマコガネは沖縄あたりだと珍しくないらしいのですが、本州では激減している種として知られており、少なくとも奈良、大阪、滋賀の辺りではまず見つけられないのではないでしょうか。私が半世紀近く通う奈良公園でも、これまで一匹も見たことがありません。私にとってはほとんど幻のエンマコガネです。が、昨年あらゆる昆虫に精通し人生を賭して虫を採集してきた(⁉)三重のA氏のお宅を伺う機会があり、標本箱の古いマルエンマコガネを見て私が「コイツはもういませんよねぇ」とぼやくと、「最近は標本にしてないけど、確か3年ほど前まではいたと思うよ。まだいるんじゃないかな。」と。早速、トライしましたが良いイヌ糞を見つけられなかったせいか、残念ながらその年は結局一匹も見つけられませんでした。A氏と私の採集能力の差を考えれば、10倍努力しないと見つからないと自分に言い聞かせ、今年は牛糞を置いて待ち伏せ作戦を実行したところ、ついに採集に成功いたしました!!!(1枚目:オス、2枚目:メス)
IMG20251004172955マルエンマ雄
IMG20251004173727マルエンマ雌
 A氏によるとこのあたりのマルエンマコガネは飼いイヌの糞に依存しているので、住宅地の公園や空き地でも見つかるそうです。いるところにはいるんですねぇ。でも奈良のような地方都市でも飼い主のマナー向上により糞を持ち帰って処分するようになっており、例えばイヌ糞が大好きなセマダラマグソコガネみたいな普通種でも、うちの近所ではイヌ糞が見つけられず、昨年は採集できませんでした。なので、ここのマルエンマコガネの未来は決して明るくはないのではないかと心配しています。今回の採集でなんとなくマルエンマコガネが好む生息環境を体感できたので、この感覚を頼りに来年は新たな生息地を開拓したいと考えています。うまく見つけられたら、またむしむしブログで報告いたします。可能性は低いと思いますけど・・・
IMG20251004173449マルとコブマル
 参考までに、名前の似ているマルエンマコガネ(右)とコブマルエンマコガネ(左)のオスを並べてみました。似てませんね(メスは、マルエンマコガネにはコブが無いのに対しコブマルエンマコガネにはなだらかなコブが二つあります)。同じ場所で採集した個体ですが、環境的にはコブマルエンマコガネがあまり好むとは思えないような砂質の土壌で、実際マルエンマコガネのほうが圧倒的に多かったです。

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 読書の秋、食欲の秋、芸術の秋という感じでなにかと忙しい季節ですが、もちろん私は糞虫の秋。ムネアカセンチコガネ、アカマダラセンチコガネ、マルエンマコガネ、ヤマトエンマコガネ、ミツコブエンマコガネ等々、冬が来る前に出合いたい糞虫達が目白押し。先週は満を持してヤマトエンマコガネを見に滋賀県まで行ってきました。去年観察することが出来たのと同じ時期を狙って、週間天気予報を見ながら10/9(水)に10か所以上に糞を仕掛け、10/11(金)に回収。もう1,2日後でも良かったのかもしれませんが、人目に付きやすい場所なので、10/12(土)からの3連休前に回収に行ったのでした。エンマコガネが飛びたくなるようなお天気が続いていたので、かなり期待してました。
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 ところが、連休前だからか芝刈り機で丁寧にシバが隅々までしっかり刈り込まれていて、仕掛けたフンの半分以上が押しつぶされたり粉砕されてました。さらに目印に置いていた枝や小石が跳ね飛ばされて仕掛けたフンの位置がわからなかったり、もう散々。結局この日は数匹のカドマルエンマコガネを見ただけで終了。
 毎年いろんな場所に仕掛けているのですが、ヤマトエンマコガネの新たな生息地を見つけることはできていません。去年ここのヤマトエンマコガネは鹿糞から見つかったので、シカ糞で世代を繋いでいると思っているのですが、採集個体によるシカ糞での繁殖は失敗続きです。失敗の原因は、私の飼育管理のマズさなんですけどね。奈良公園からコイツが姿を消してもう数十年になりますが、滋賀のこの地で生きながらえることを祈るばかりです。(写真のヤマトエンマコガネは2019年に採集・飼育したもの)

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【お願い】
 オープン7年目に突入したならまち糞虫館は「日本のすべての糞虫が展示されている糞虫館になる!」ことを目指しています。まだ糞虫館に展示されていない、もしくは数匹しか展示されていない種をお持ちの方は、寄贈や預り等どのような形でも結構ですので、ご協力いただけるとありがたいです。ちょこっとタッパーに入れて持ってきてくださるのも大歓迎。私個人は遅かれ早かれいずれ朽ちてしまうので、今後は法人化、できればNPO法人を設立して未来永劫糞虫のすばらしさを伝えていくハブ施設にすることを夢見ています。ご支援・ご協力いただけると幸いです。


 糞虫館の館長をやっていると、世界のあちこちで糞虫を採集しているとか、日本のほとんどの糞虫を採集したことがあるとか思われがちですが、私は学生時代から奈良公園で糞虫を観察して楽しんでいる単なる糞虫好きなので、糞虫の専門家からすると驚くほど少ししか標本を持っていません。マグソコガネの仲間なんて『日本産コガネムシ上科図説(食糞群)』に書いてある以上のことはわかりませんし、星一つ★の最普通種と言われる種でも採ったことが無い種はたくさんいます。その中でもツノコガネは、長いツノがカッコいいしなんとか自分で捕まえたいと思ってました。
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 先月、糞虫館に来た子供のお父さんから三重県の高原にたくさんいるという情報をいただき、今月8/13にバケツ一杯の牛糞を車に積んで地図で見つけた高原に向かいました。シカ糞が確認できた場所を中心に小分けした牛糞を20か所ほど置いて回って、8/15に見に行くと40~50匹のツノコガネを見つけることができました!一番多かったのはツノコガネで、その次はオオセンチコガネとセンチコガネとゴホンダイコクコガネがそれぞれ20~30匹で同じくらい。マエカドコエンマコガネは数えきれないほどたくさんいましたが、カドマルエンマコガネやフトカドエンマコガネは数匹しか確認できませんでした。夕方で見落としたのかもしれませんが、マグソコガネの仲間は見つけられませんでした。ツノコガネは約9割がメスだったのが不思議なのですが、大小5匹のオスも採れたのでペアでお持ち帰りさせていただき、末永くならまち糞虫館で活躍してもらうことにいたしました。今乾燥中なので、早ければ来週にも糞虫館デビューです。
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 ツノコガネですから、多くの糞虫好きの方からすると珍しくもなんともないと思いますが、実にカッコイイ姿をしています。セオリー通り頭・胸・腹を水平にして標本にすると長いツノが寝てしまってイマイチなのですが、アゴを引いてツノを立てるとダイコクコガネにも劣らないほどカッコよくて、ずっと見ていられます。今回はコーフンしてしまい採集時にほとんど写真を撮ることができなかったのですが、次回は落ち着いてこの虫の魅力を最大限引き出せる1枚を撮りたいと思っています。還暦を迎えた大人をこんなにワクワク楽しませるなんて、すごいぞ!ツノコガネ、サイコーだぜ!糞虫。

今日はここまで。
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