むしむしブログ

カテゴリ: 日本の糞虫

 昨年6月、長野の糞虫好きの方から授かった6匹のオオコブスジコガネコガネ。ビギナーズラックでいつの間にか産卵し、幼虫~まで観察することができました。幼虫は動きが活発で、普段は砂の中にいることが多いですが、夜になると穴から出て来て鳥の羽根などを穴に引きずり込んでは食べているようでした。ところが10月下旬以降、成虫が地上にあまり出てこなくなり、砂地に穴は確認できても姿を見ることはありませんでした。一度掘り起こしてざっくり捜索したところ、幼虫はおらず成虫のみ5匹確認できたのでそれ以降は触らず、鳥の羽根と金魚の死骸をたっぷり入れて、時々霧吹きで水分補給しながら静観してました。
 オオコブスジコガネは南方系で成虫も幼虫も低温には弱いと聞いていたので、冬の間も外には出さず糞虫館内のエアコンの無い場所に飼育容器を置いてました。大変貴重な種で『日本産コガネムシ上科図説(食糞群)』(監修:コガネムシ研究会)でも★5つの最稀種になっているほどなので、生存確認をしたいと何度も思いましたが、冬に掘り出すのは虫にとっては迷惑な話なので、我慢してました。
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 で、昨日。気温が20℃近くまで上がる暖かい日が続いたためでしょうか、1匹が地中から出て来て、しっかりとした動きで歩いていたのです(写真1枚目)! 羽根の隙間から穴がいくつか開いているのが見つかったので(写真2枚目)、他の奴らも無事冬を越せたのではないかと少しホッとしています。
 しかし、うちのオオコブスジコガネは8月に夏眠(?)して活動が鈍った後、再度活動した秋に繁殖行動が見られなかったのが気になります。もしかしたら、昨年の7~8月頃は採集したてで元気だったのが、飼育環境が良くないためにだんだん活動しなくなった可能性も否定できません。春以降の活動状況に注意していきたいと思います。
 でも、生きていてホントによかったです!!!

今日はここまで。
週末、糞虫館で会いましょう!
 

 日本には160種類以上の糞虫がいるようですが、マンマルコガネの形態の面白さは格別です。手足にひだのようなものがついていて、着ぐるみを着ているようにも見えます(写真1、2枚目)。それだけでも十分特徴的ですが、ダンゴ虫やアルマジロのように丸くなるなんて、昆虫離れしています。シロアリの巣からも発見されることから、シロアリの攻撃から身を守るためにこのような形態に進化したのだとか。
 
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 九州や沖縄など南の島に行かないと観察できない珍しい種類なので、糞虫館には残念ながら標本が無いのですが、最近糞虫館に来る人から「まんまるコガネ、いますか?」とちょくちょく聞かれます。センチコガネを知らないのにマンマルコガネを聞くので不思議に感じていたのですが、どうやらガチャガチャのラッキーアイテムとして人気だそうです。普通はダンゴムシ等が出るんですが、たまにマンマルコガネが出るそうで、レアアイテムなんだとか。確かにカワイイし関節が動くのできれいに丸くなります(写真3枚目)。
 
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 このことを勤務先で話題にしたら、さっそく女性職員が1匹ゲットしてプレゼントしてくれました!ありがとー!! でも、彼女の部屋にガチャのダンゴムシが10匹飾ってあったら、なんと言えばいいのでしょう?ま、おかげで「マンマルコガネはコレです。」と言えるようになりました。でも、やっぱりホンモノを見せてあげたいですね。九州の糞虫好きの皆さーん、糞虫館に来る時は「マンマルコガネ」持参でお願いします!

今日はここまで。
週末、糞虫館で会いましょう!

 コガネムシ研究会の河原氏のプレゼントはもう一つありました(写真1枚目)。エンマコガネの仲間ですねー。黄色い模様がはっきり見えますから、これもヤマトエンマコガネでしょうか?ラベルから、兵庫県広畑区の夢前川で採集されたものであることがわかります。
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  そうです。『日本産コガネムシ上科図説(第1巻 食糞群)』にも生息地として夢前川やその西を流れる揖保川が紹介されているミツノエンマコガネ(Onthophagus trituber)です。私は、この美しいエンマコガネの存在を『日本列島フン虫記』(塚本珪一:著 2003年 青土社)で知りました。塚本先生は、「14章ミツコブエンマコガネ・河野伊三郎さんのこと」のなかで、1994年10月13日に河野氏と二人で夢前川の河川敷を糞虫話を交わしながら、ミツコブエンマコガネの撮影や採集を楽しんだ様子を描かれていらっしゃいます。それを読んだ私も2017年5月に夢前川を訪れ、お二人が四半世紀前に歩いたであろう河川敷を辿り、辛うじて1匹のミツコブエンマコガネに出会うことができたという、わたしにとっては思い入れのある糞虫なのです。
 もうお気付きでしょうか。この写真の標本は、お二人がその日その時に採集された14頭の中の1頭なのです。今日、この1994年生まれのミツコブエンマコガネを私が採集した2017年2019年生まれのミツコブエンマコガネ達と同じ標本箱に並べたのですが、もしかしたらこんなところで25歳年下の後輩たちに出会ってびっくりしているかもしれません。もしかしたら25世代後の遠い親戚か子孫かもしれません。
 塚本先生がフン虫記のなかで「私のフン虫学の師匠の一人」と書いている河野伊三郎さんは、チャグロマグソコガネ(Aphodius isaburoi)などにも名を残されていますが、残念ながら1997年に亡くなられています。あの日塚本先生と一緒に採集したミツコブエンマコガネが、コガネムシ研究会の河野さんの手を経て、ならまち糞虫館に渡り、四半世紀後に同じ場所で採集されたミツコブエンマコガネと一緒に標本箱に並んでいるのを見たら、何とおっしゃるでしょうか。私はあの世に行っても糞虫ネタで楽しく暮らせそうです。

今日はここまで。
週末、糞虫館で会いましょう!



  先月1月は観測史上最も暖かい1月だったそうです。そのせいでしょうか、今迄は掘り出しても寝ぼけたような動きしかしなかったコブナシコブスジコガネが1匹、自力で地上に現れ、歩きまわっていました(写真1枚目)。12〜13℃という気温を虫がどう感じているのか知る由もありませんが、少しぎこちなさはあるものの元気で、30分くらいウロウロした後、写真やビデオ撮影に驚いたのか、またフレークの中に潜ってしまいました。
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この種がフクロウの巣から見つかる話は有名ですが、鳥は体温が高いですから、自然界のコブナシコブスジコガネは、冬眠などせずにフクロウの巣の中で 一年中ぬくぬくと暮らしているのかもしれません。もちろん、これは私の空想ですけどね。

きょうはここまで。
また明日!

 むし社の糞虫3部作の第2弾が、ちょうど今から3年前に出版されたこの『日本のセンチコガネとその仲間』。センチコガネは、オオセンチコガネに比べると色彩が地味で、しかもどこにでもいる種類なので、オオセンチコガネの陰に隠れがちでした。しかし、日本各地の色彩変異を眺めると、オオセンチコガネに劣らず様々な色彩に彩られていることがわかります。21世紀になって九州の通称「レインボーセンチ」が広く知られるようになると、センチコガネに対する注目が一気に高まったことは記憶に新しいと思います。
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 「レインボーセンチコガネ」というのは俗称で、正式に図鑑に載っているわけではありませんが、九州の一部の地域では体色が見る角度によって異なり、七色に輝くセンチコガネが生息しているのです。恐らくそこには昔から七色に輝くセンチコガネは生息していたけれど、地元の人はそれが当たり前なので何とも思ってなかったのかもしれません。それをどこかの虫好きが「ややっ⁉ なんだこの美しい虹色は!奈良のルリセンチコガネに勝るとも劣らない美しさだ。よし、レインボーセンチコガネと名付けよう。」と言ったかどうかは知りませんが、とにかく「レインボーセンチ」はブレイクした(?)のです。
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 この本にはセンチコガネ科だけではなくムネアカセンチコガネ科やアカマダラセンチコガネ科の珍しい糞虫もたっぷり綺麗な写真で紹介されています。たまたま何かの幸運が重なったときにしか採集できないムネアカセンチコガネやアカマダラセンチコガネ等が綺麗に可愛く、しかもしっかり生態を捉えた写真がたくさん載っているので、本当に胸がキュンキュンしてしまいます。同時に、生態観察好きの私としては「俺もナマで観察したい」という欲望がメラメラと湧き出してきます。まあ、彼らの100分の1の努力さえもしていない私には天も味方しないでしょうけど・・・。
 センチコガネとその仲間のことを生態も含めて楽しく詳しく知りたいのであれば、一番のおススメでしょうね。この本もお値段は『日本のオオセンチコガネ』と同じ6,400円(税別、送料無料)で、売切れ次第販売終了です。普通の本屋さんには置いてないので、まずは糞虫館で実物をご覧ください。絶対欲しくなりますよ。糞虫館には10冊しかありませんが、むし社 や 昆虫文献 六本脚 など昆虫の専門書を扱うお店ならネット通販で購入できます。

今日はここまで。
また明日!



 

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