むしむしブログ

カテゴリ: マグソコガネ

 今までにコケシマグソコガネを見たのは、奈良公園のシカ糞の下の砂地からたまたま見つけたのが2回と兵庫県の夢前川河川敷の砂をふるって1匹見つけた計3回のみ。最も一般的な種類といわれるホソケシマグソコガネは、見たことがありませんでした。虫がいるのかいないのかもわからないところの砂をひたすら篩い続けるという気の遠くなるような作業は、なかなかフツーの人には出来ることではありませんから。
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 今回は、奈良市内を流れる富雄川の河川敷でハバヒロケシマグソコガネらしき虫を採ったとの情報を得て、意を決して篩を持って行ったのですが、30分もたたずにギブアップ。犬フンを探して河川敷をさまよったものの見つけられず。初めての場所での採集はやっぱりむづかしいなーとぼやきながら車に戻る途中、水の流れていない乾いたU字溝の底に少し溜まっていた砂と枯草を「こんなとこにいたりして」と見たら、いたんです!しかもB5版ほどの面積の砂と枯草の塊を丁寧に見ていくと、もう出るわ出るわ、数えるのを止めましたが、30匹以上いました。1mほど離れたところの同様の砂と枯草の塊にも、よーく見ると10匹以上確認できました。ちょっと色合いや大きさが違う個体がいるように見えた(写真1枚目)ので、20匹ほど持ち帰りました。で、実体顕微鏡でよく見ると、コケシマグソコガネ(写真2枚目)とホソケシマグソコガネ(写真3枚目)だったというわけです。
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 富雄川の土手の上に設けられたU字溝なので、普段は水は流れていないようでした。幅・深さとも30cmほどあるので、落ちたら最後、よじ登ったり飛んで逃げることができず、いうなれば超大型のピットフォールトラップ(落とし穴式の罠)みたいになっているのかも!? スナゴミムシダマシもたくさんいました。U字溝のゴミ溜りは、砂を篩う忍耐力の無い人にとっては、意外に狙い目なのかもしれません。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!
 

 奈良公園の桜は満開、すでに糞虫たちも春を感じているようです。先週、この時期にしては観光客の少ない奈良公園で見つかったのは、冬のマグソコガネ達や朽木に潜むクロツツマグソコガネに加え、センチコガネ、クロマルエンマコガネ、ナガスネエンマコガネ、ヌバタママグソコガネ。クロツヤマグソコガネとの出会いはなかったのですが、4月は1日で10種類以上の糞虫に出会うチャンスがあります。幻のヒメコマグソコガネにも出会える可能性だって否定できません。
 ヌバタママグソコガネ(Aphodius breviusculus)は、、やや小型のマグソコガネの仲間といってもいいと思います。奈良公園ではミゾムネマグソコガネやチャグロマグソコガネなどと同じような所にいますが、冬の糞虫達に比べると一回り大きく、真っ黒でツヤがあるのですぐにわかります。体型も特徴的で、前胸が丸くて大きいのでヒョウタンのように見えます。他の人にはそうは見えないようですので、わかり易い角度で写真を撮ろうと格闘したのですが・・・(写真1、2枚目)。
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 この丸っこさは、出現期の重なるクロツブマグソコガネにも通じるものがありますが、最近では奈良公園ではクロツブマグソコガネはかなり見つけにくくなっていることと、落葉に埋もれたかなり古いシカ糞を好むので、普通目にすることができるのはこのヌバタママグソコガネです。
 ところで、名前になっている「ヌバタマ」って何かご存じでしょうか?ヒオウギという植物の黒くて光沢のある種子のことで、そこから和歌の世界では「黒」「夜」さらに「髪」などにかかる枕詞にもなっています(今、グーグルで調べて書きました)。見たまんまのわかり易い名前の多い糞虫の中においては、文化の香りがほのかに漂うちょっと変わった名前ですね。和名を付けた方は和歌をたしなむ方だったのかもしれません。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!
 

 糞虫館に来る人にマグソコガネの仲間をいろいろ紹介すると、よくこんな小さい虫を見分けられますね、と驚かれることが多いです。虫めがねではよくわからなくても、捕まえた糞虫の身体についたウンコを落として実体顕微鏡(20~70倍)で見れば、種の同定はさほど難しくはありません。しかし、薄暗い森の中でウンコにまみれた米粒ほどのマグソコガネの仲間を次々に見分けていくというのは、なかなか高度なワザのような気もしていて、AI技術が進歩してもロボットなんかに負けない自信があります。まあ、そもそもAIを使って糞虫の種類を瞬時に判別する機械を開発しようなんてことを考える人はいないでしょうけど・・・。
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 野外で観察をする場合、季節や環境、糞の種類なども参考にしながら頭の中で糞虫の種類を絞り込んでいきます。標本にすればじっくりと見ることができるので、まず間違うことはないでしょう。でも、スマホの写真を見せられて「これは何と言う糞虫ですか?」という質問に答えるのは容易ではありません。それが黒い小さなマグソコガネの仲間だったりすると、もうお手上げです。模様がある種類でも、2次元の画像情報だけでは意外に間違えたりするものです。上の糞虫の写真、何と言う種類かわかりますか?オビモンマグソコガネは、奈良公園以外ではあまり見ることができない種類なので、ちょっと難しいかもしれません。ちなみに台紙の大きさは15mm☓7.5mmです。

今日はここまで。
答えは糞虫館で!

 奈良公園のシカ糞では、本当にいろいろな糞虫を見ることができます。イヌ糞好き(と私は思っている)のコブマルエンマコガネやチビコエンマコガネだって、ふつうに見ることができます。一方で、奈良公園にいるんだけどもシカ糞には来ない種類もいます。よっぽど嫌いなんでしょうね。その代表がセマダラマグソコガネ。こいつは奈良公園に隣接する道路脇に放置されたイヌ糞で冬になるとふつうに見つけることができます(写真1枚目)が、シカ糞では見つかりません。今まで奈良公園で何万個もシカ糞をほじくってきた私が言うのですから間違いないです。昨年、初めてシカ糞の下からセマダラマグソコガネを発見して驚き、念のためその個体は証拠として標本にしたくらいです。で、今度は初めてイノシシの糞の下から見つかりました(写真2枚目)。糞に潜り込んでいなかったし、食痕もなかったので、食べたとは言い切れませんが、イノシシ糞に誘引されたことは確かでしょう。飛んできたけどもうかなり硬くなっていて潜り込めなかったのかもしれません。
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 最近はイヌを飼う人のマナー向上に伴い、道端のイヌ糞も少なくなりました。その昔、奈良公園付近の街道沿いで荷役用牛馬の糞で暮らしていたオオフタホシマグソコガネやツノコガネが牛馬と共に姿を消したように、セマダラマグソコガネを見かけなくなる日が来るかもしれません。好き嫌いを言わずに、イノシシ糞やシカ糞を食べてくれたらいいんですけど。『日本産コガネムシ上科図説(第1巻 食糞群)』によると、セマダラマグソコガネは日本中に広く生息しているごく一般的な種類で「イヌ糞で見つかることが多く、ヒト、ネコ、タヌキ、サル、ウシ等の糞にも集まる。」と書いてありました。日本の自然界に最も多く存在するシカ糞やイノシシ糞を食べないのに日本中でたくさん見られるなんて、不思議だと思いませんか?

今日はここまで。
週末、糞虫館で会いましょう!

 この3連休は、初日の土曜日は一時激しい雨が降ったものの、2日目の天皇誕生日も3日目の代休も快晴。風もなく気温も12℃を超えていたようで、奈良公園の梅林は満開でした。冬の糞虫といっても寒いのが好きかというとそんな感じはなくて、冬の暖かい日の方が活発に活動するようなので、いろんな種類に会えるに違いないと、かなり期待して行ってきました。
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 昼前頃に春日大社の大鳥居あたりから参道に沿って観察を開始、バス通りを越えて広い芝生が広がる飛火野の端まで行ってもほとんど糞虫を見つけられず、ちょっと焦りました。まあ、チャグロマグソコガネやミゾムネマグソコガネはしっとりとした森の中が好きなので気になりませんが、マグソコガネやネグロマグソコガネ(写真1枚目)も全然見つけられなかったのですよ。糞虫館に来る方には「冬でも数種類の糞虫がいろんな場所で活動しています」と言っている手前、いませんでした、では済まされませんからね。結局、這いつくばるように地面に顔を近づけてよーく探すと、小さな冬の糞虫達を見つけることができました。本当に小さいです。私の視力が落ちたのかもしれません。この日に確認できたのは、マグソコガネ1、ネグロマグソコガネ7、チャグロマグソコガネ10+、ミゾムネマグソコガネ10+、セマダラマグソコガネ7、オビモンマグソコガネ1、クロツツマグソコガネ1でした。
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 チャグロ、ミゾムネとも、湿り気のある森の中のしっとりした新しいイノシシの糞にたくさん来ていた(写真2枚目)のを観察できてよかったです。イノシシの糞は、地面が乾燥しているとすぐにカチカチに硬くなりますが、森の中の湿り気が多い場所だと表面が柔らかいままみずみずしさが保たれ、小型で非力な冬の糞虫でも潜り込めるようです。奈良公園でもイノシシの糞を見かけることが多くなっていますが、その多くに糞虫は来ていません。泥が多く含まれていてマズいせいだと思ってましたが、味よりも硬さが問題なのかもしれません。

今日はここまで。
続きは週末に糞虫館で!
 

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