むしむしブログ

カテゴリ: 地域活動

 コロナが流行する前は学校に出張授業にいったらその話や質疑応答した内容から『ふん虫のひみつクイズ』の本を作ったり、コロナの時は糞虫館に来れない生徒の代わりに先生が質問書を持ってやって来たこともある奈良市立済美小学校。『ふん虫のひみつクイズ』や生徒からのお礼のメッセージが綴られた小冊子は今も糞虫館に展示してあって、たくさんの人が手に取る人気のアイテムです。今年は4年生のグループが来て取材を受け、なんと「となりの人間国宝さん」(関西TVの人気番組です)ならぬ「せいびの人間校区宝さん」に認定されました(写真1枚目)。1ヶ月ほど前には、生活科「町探検」の学習で先生と2年生15人が糞虫館に来て、事前にまとめた質問をもとに私にいろいろインタビューしたことがありました(写真2,3枚目)。
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 その時に担任の先生から、創立150周年記念式典で発表するのでぜひ見に来てくださいと言われていたのです。私は式典とかはあんまり好きじゃないのですが、インタビューの内容がしっかりしていてみんなが熱心で予定時間をオーバーするほどだったので、どんな感じにまとめて発表するんだろう?と興味が湧いたので、有名な建築家が設計した「100年会館」という立派な建物(写真4枚目)で開催された記念式典を覗きに行ってきました。
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 さすがに150年もの歴史があると卒業生だけでも相当いますから、約1,500もある大ホールの座席がほぼ満席。家族連れが多く、みなさん学習発表会を楽しみに来ているようでした。1年生の校内探索に始まり2年生は学校周辺へ、学年が上がるにつれて校区全体や世界遺産へと対象を広げ、人の暮らしや奈良の歴史を踏まえた興味深い発表内容になっていました。発表のやり方も学年ごとに工夫されていて画一的な発表でなく、自分たちで作り上げている様子が伝わってきましたよ。舞台での発表の時、みんな原稿なしでやっているところもスゴイ!なかなかできることではありません。
 2年生の15人が調べてくれた糞虫館の掲示発表と舞台発表はこんな感じ(写真4~6枚目)。
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 4年生になると、量も質もかなりのものになってますね(写真7,8枚目)。
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 こういった活動を6年間続けて鍛えられた6年生の発表は、(6年生の)62人が選んだこれからも残していきたい奈良市のすてきな風景、名付けて『新・南都六十二景』(写真9枚目)。舞台発表では新・南都八景を紹介してくれました。観光ガイドブックより面白くて役に立つ、そんな素晴らしい出来栄えでした。
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ホントに今日は楽しくて、ブログが長くなっちゃいました。
今日はここまで。
週末は糞虫館で会いましょう!
『たくましくて美しい糞虫図鑑』(創元社)は全国の書店で好評発売中!

 先週お知らせしていたコガネムシ研究会の公開シンポジウム(大会)ですが、参加申込みの期限が今週末の10/22(日)まで延長されました。まだ間に合います!参加ご希望の方は、ここから ↓ 申し込むことができます。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSejY9UDEvWykEK3eeIrHBpP-lxjHO-jFCr7zGiBLeU81YbWGA/viewform?usp=sf_link

 東京まで行けない人はオンライン参加も可能です。同様にこの ↑ 大会参加登録フォームから申し込んでください。
 会場参加もオンライン参加も、いづれも大会参加登録をしてから、参加費1000円を振り込む必要があります。詳細はコガネムシ研究会のHPをご覧ください。

【コガネムシ研究会のHPより抜粋】

今年の大会は昨年同様対面とオンラインで開催します.標本交換などもありますので奮ってご参加下さい.

日時:2023年10月29日(日曜日)10:00~17:00
場所:学習院女子大学(東京都東京都新宿区戸山3丁目)

*会場へのアクセスは下記の学習院女子大学ホームページ をご覧下さい.
https://www.gwc.gakushuin.ac.jp/about/access.html

【重要:当日参加はできません】
会場となる大学のセキュリティー管理のため,事前登録が必須です.参加登録締切は,10月16日(月)です.参加登録の詳細は下記の「参加登録」の項を参照ください.

*22日(日)まで参加登録締切日を延長しました。

【大会プログラム】
10:00~12:00 公開シンポジウム 「地域食文化としての昆虫食」
体験的昆虫食論-地域食文化,昆虫の大量生産-(木内 信)
昆虫食の食育とその意義(渡邉 瞳子)
ラオスの市場で販売されている食用昆虫と糞虫の食用利用(細谷 忠嗣・田川 一希・百村 帝彦)
伝統的食文化-タイの昆虫食を中心に(宇都宮 由佳)
総合討論

12:00~13:00 昼

13:00~13:30 総会(経過報告,活動計画,決算,予算など)
13:30~15:30 一般講演
電子顕微鏡時代のコガネムシ研究(野村 周平)
幼虫のすゝめ-ハナムグリを対象とした調査・飼育-(瀬島 勇飛)
国内外来種リュウキュウツヤハナムグリが生態系に及ぼす影響の評価(鍵和田 さくら)
飛べないクワガタムシの魅力(柿沼駿輔)
学校の授業で蟲好きは育てられるか?~モデル教材を使った節足動物を学ぶアクテイブラーニング・カリキュラムの提案~(和田 薫)

ポスター発表(予定)

【大会参加費】
大会参加費は会員・非会員,現地参加・オンライン参加とも1,000円です.事前の払い込みが必須なのでご注意下さい.

【懇親会】
懇親会(コガネ研サロン)は,大会前日の10月28日(土)18:00~21:00,池袋駅最寄りの老舗中華料理店・地球飯店(東京都豊島区西池袋1-22-8 第2三笠ビル3F https://chikyuhanten.com/)で開催します(懇親会費6,000円.学生会員は3,000円).

恒例のオークションも開催します.今回は,出品物を懇親会会場へ出品者が直接持ち寄る形式で行いますので,出品したい参加者は懇親会に出品物をご持参ください.オークションの詳細については,後日追って連絡いたします.

【大会および懇親会参加登録】
大会および懇親会への参加は,現地参加およびオンライン参加とも,10月16日(月)までに大会参加登録フォーム(https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSejY9UDEvWykEK3eeIrHBpP-lxjHO-jFCr7zGiBLeU81YbWGA/viewform?usp=sf_link)から事前登録(必須です)して頂くとともに,10月18日(水)までに郵便振替あるいは銀行振込による参加費,懇親会費の払い込みをお願いします.

*22日(日)まで参加登録締切日を延長し、参加費振込締切日を23日(月)まで延長しました。

郵便振替:00180-0-543440 コガネムシ研究会
銀行口座:みずほ銀行日本橋(にほんばし)支店 普通1863085 コガネムシ研究会

【その他】
不明な点は大会事務局(taikai@kogane.jp)にお問い合わせ下さい.


今日はここまで。
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『たくましくて美しい糞虫図鑑』(創元社)は、全国の書店で好評発売中!

 奈良市東部の山添村有数の観光スポット「フォレストパーク神野山」にある めえめえ牧場。もう何回目なのかわからないのですが、今年もここで先週末(9/17)糞虫トーク&観察会をやらせていただきました。名前でわかるように、ここにいるのはヒツジなので、どんな糞虫がいるのか私も大変興味があって、いつもワクワクしながら観察しています。一方で、牧場は陽当たりがいい草地なので、参加者が期待するルリセンチコガネが見つかりにくい環境です(写真1枚目)。
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「糞虫」観察会なので、場所や季節、糞の種類が違えば観察できる糞虫の種類は異なって当然なのですが、ほとんどの親子は生きた「ルリセンチコガネ」を見たいと思っています。チラシに大きくルリセンチコガネの写真を使っている我々サイドにも責任はあるんですけどね(写真2枚目)。
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 もちろん生息していない虫を見せることはできませんが、この神野山にはルリセンチコガネが生息しており、牧場の側溝などにもよく死骸が転がっているので、何とか見つかるようにしてあげたいわけです。そこで、ルリセンチコガネを誘い出すために、観察会の前日にめえめえ牧場のスタッフがヒツジの糞を牧場内外の数か所に山積みしています。そして観察会の前半は牧場内の明るい草地で観察、後半は脇の林の中に置かれたヒツジ糞の山をつついてどんな糞虫が来ているか観察しています。小学校低学年の子供も多いので「環境の違い」を言葉で説明するより、憧れのルリセンチが実際にどんな場所で見つかるかを体験することで、そこから環境に違いを意識するようになるんじゃないかなーと考えています。さらに、観察会の終了後にお話した家族はルリセンチよりも「牧場にどんなエンマコガネがいるか見たかった」と言っていたので、糞虫沼にズブズブとハマりつつある家族も出てきたようです。 
 今朝は神野山から大雲海! | 奈良観光JP さん
 山添村は幻想的な雲海を見ることができることで有名ですし、奈良市内から一番近い星空観察スポットとしても売り出し中です。また、森林を切り開いてメガソーラーを設置する本末転倒の開発には反対の声を上げるなど、都市の後追いをするのではなく村の「地域資源」を活かす取り組みを積極的に行っているようです。私の糞虫トーク&観察会に参加した子供たちがこうした村の考え方を引き継ぎ、推し進めるチカラになってくれることを期待しています。

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 奈良学園小学校で出張授業をするのは3回目。その他にもSDGs関連学習卒業遠足などで糞虫のお話をしているので、奈良学園小学校の子供たちの糞虫に関する関心と知識のレベルは日本一だと思います。まぁ、糞虫の聖地である「奈良」の名を冠する小学校ですから、当然かもしれません⁉
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 奈良学園小学校の理科室は、大型モニター2台にPC画面を鮮明に表示させて授業ができるほか、HDMI接続しているビデオカメラと簡単に画面切換ができるので、今回はフンコロガシ(スカラベ・サクレ)の糞玉作りや糞玉転がしの様子を動画で紹介することができました。さらに子供たち2人に1台の実体顕微鏡が用意されている(!)ので、前回(2021年9月)に続き今回も米粒サイズのマグソコガネの仲間の種の同定にもガチでチャレンジしてもらいました。顕微鏡の基本操作や糞虫の種の同定のポイントを学ぶとともに、顕微鏡を覗く楽しさや同定の難しさを肌で感じてもらえたと思います。
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 以前もこのブログに書いたことがあるのですが、奈良市内の小学校は毎年「糞虫学習」を実施すべきですね、マジで。今回、NHKテレビと新聞社(奈良新聞、産経新聞)がこの出張授業の取材に来たのは、この小学校の取り組みが「環境」について深く学ぶ「奈良らしい」好事例で、子供たちが糞虫を通して奈良の自然や生き物への関心を高めるのに適した内容だと思ったからではないでしょうか。ならまち糞虫館では、今までに小学校の子供たちだけでなく中学・高校の学生や先生を対象にした講演会や観察会も積極的に実施していますが、まだ活動は途に就いたばかりです。糞虫館の開設時から掲げるmission(使命)は「糞虫の面白さを通して、自然に関心を持ってもらう」。子供やそのご両親、さらにお爺ちゃんお婆ちゃんにも「糞虫っておもしろい!」と感じていただけることがすべての出発点と肝に銘じ、これからもフン虫王子としてガンバリマス。
 NHKテレビは当日9/8のお昼のNHKニュースで放送されたようですが、夕方6:30の「ならナビ」でも放送されました。放送後1週間はNHK+(プラス)という見逃し配信サービスで無料で見ることができます。ならナビは午後6:30からですが、午後6:37~6:39が「小学生が奈良公園のふん虫学ぶ」です。新聞を買いそびれたので未確認ですが、奈良新聞には9/9に掲載されたそうです。
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『たくましくて美しい糞虫図鑑』(創元社)は全国の書店で好評発売中!

 金融機関を51歳で早期退職したあと入学したのが「認定NPO法人シニア自然大学校」で、毎回自然に関する様々なテーマでその分野の専門家から講義を受けたり実習をおこなったり、本当に充実した1年を送ることができました。私は本科を卒業後、地域の里山保全活動グループに移ったのですが、さらに探求心のある方たちは「研究科」に進学するんです。今回糞虫館に来てくれたのはその研究科の「森と海の自然科」に所属する17名(帰り際に名刺交換してわかったのですが、なんと!シニア自然大学のHPに大きく顔写真が載っている代表理事 金戸様もいらしてくださいました)。
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 シニア自然大学校は東京大学とか早稲田大学といった「大学」ではなく自然を大切に思う人が学び合う場なので、研究科といってもアカデミックな研究をしているわけではありませんが、相応の知識を持った方が多いのでお会いするまでは少し緊張してました。実際にお会いすると、本科と同じように和気あいあいとした自然が大好きな方ばかりで、懐かしい感じさえしました。ただ、トーク&スライドショーの内容をやや詳しい内容に組み替えてお話したので、ちょっとしゃべりすぎてしまいましたね。糞虫館の展示を見る時間が十分に確保できず、申し訳なかったです。
 シニア自然大学校関係では、この5年間に私が在籍した24期の仲間など卒業生や多くの在校生の方々、さらに卒業生が所属する各地の自然観察グループ等の仲間と一緒にならまち糞虫館に来てくださり、毎回楽しい糞虫話に花を咲かせています。私は昔から人に会ったり人前で話したりするのは苦手で避けてきましたが、糞虫館ではちょっと別人(フン虫王子)になってますね。たくさんの人たちに支えられて夢中でやっているうちに5年が経っていたわけですが、あと5年ほどは続けたいですね。皆様、今後ともご支援ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。m(__)m

今日はここまで。
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