むしむしブログ

カテゴリ: ダイコクコガネ

 むし社の「糞虫本の三部作」なんて勝手に書いてしまったので、3冊目の『日本のダイコクコガネの仲間』を紹介しないわけにはいきませんよね。
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 この本は2019年6月に出版されたばかりですが、三部作の中では一番人気が出そうな本だと思っています。というのも、糞虫好き以外の人は、ダイコクコガネの仲間が地下で密かに糞玉を作っているなんて夢にも思っていないので、この本のきれいに丸められた丸いウンコの写真に驚嘆の声を上げ、そしてなぜか笑います。丸い糞玉には、日本人の心に響く何かがあるように思われます。
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 糞虫館の無料館内ツアー(私の手が空いた時にやっている簡単な説明)の時も「日本の糞虫約160種類の99%は糞を転がさない」と聞いてテンションが下がる来館者が多いのですが、すかさず「でも、ダイコクコガネの仲間は地下で見事な糞玉を幾つも作る。しかも母親が糞玉の世話をする。」という話をして、テンションの回復を計ります。特に女性には人気ですね。
 ダイコクコガネは、かつてはあちこちの牧場で普通に見られた日本最大の糞虫なのですが、今ではすっかり姿が見られなくなり、絶滅寸前と言われている地域が増えています。なぜか? この続きは、この本を手に取ってご確認ください。

【参考】むし社HPにあるこの本の紹介
http://mushi-sha.life.coocan.jp/nihon-no-daikokukogane-no-nakama.html

今日はここまで。
また明日!

 日本最大の糞虫、ダイコクコガネ。デカくてツノがあってカッコよくて、丸っこくて少し愛嬌があって。こんな奴らがウンコの中にいて、しかも地中で丸い大きな糞玉を作って子育てするんです。面白すぎますよね!この目で見てみたいですねー。じつは今、手元には師匠にいただいたダイコクコガネが元気に動き回っています(写真Ⅰ枚目)。最初の頃、ダニが特にたくさんついていたオスとメスを水道水で洗い流しながらブラシでダニ取りをしたところ、数日後にその2匹が続けて死んでしまいました。水道水が原因だと特定できたわけではありませんが、その後はたまにブラシで軽くダニを落とすだけにしています。アフリカ産のタマオシコガネは、ダニ取りの時に水道水で洗っても平気だったので、ダイコクコガネも同じようにしたのですが・・・。良かれと思ってしたこととはいえ、可哀そうなことをしてしまいました。
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 ダイコクコガネは牧場の牛糞で生活しているイメージが強いですが、シカ糞で暮らしている個体群もいるようで、それを私は飼育しています。ふだんからシカ糞を食べていたせいか、夜に奈良公園のシカ糞を投入すると穴からごそごそ這い出てきて、嬉しそうに投入したばかりの糞を掻き分けて潜っていきます。体が大きいだけあって、毎週400~500g投入するシカ糞は3日もすれば跡形もなくなり、ふかふかのマットのようになってしまいます。自然状態では、シカは1回100g前後しか糞をしませんから、いつも食べ物(シカ糞)を探し回っているのかもしれません。でも、育児球を作る時はどうするのでしょう?直径3cmの糞玉でも30gくらいありますから、仮にひとり占めして全部かき集めることができたとしても、3つ。自然界では2つできればいい方ではないでしょうか。単なる私の想像ですけど。んー、今の飼育方法だとシカ糞が不自然にたくさんにあるので、糞玉をたくさん作るかもしれません。1回の糞の投入量は100gくらいに抑えたほうがいいかも・・・。まあ、産卵は春になってからのようですから、そんな心配より、まずはこの冬を無事に乗り切ることが最大の課題です。
 メスは特に丈夫で、3年くらい生きるそうです。今の私にとっては気の遠くなるような長い期間ですが、いまや絶滅の危機に瀕しているといっても過言ではない貴重なダイコクコガネをできるだけ長生きさせてやりたいと思います。

今日はここまで。
また明日!

 

 糞虫の観察会での一番人気はもちろんルリ色に輝くオオセンチコガネですが、たまにゴホンダイコクコガネも見つかることがあります。それが長いツノのあるオスだったりすると、まるで黒光りする芸術品のようで、皆さん大騒ぎ。異常な盛り上がりになります。ゴホンダイコクコガネは夜行性で、昼間は穴の奥に潜んでいるので、普通の観察会ではあまりお目にかかれないのです。
 カブトムシのように立派なオスのツノはどのように使っているのでしょうか?オスだけに長いツノがあるので、メスを巡るオス同士の戦いのため?か、メスにアピールして交尾するため?だと思うのですが、現場を見たことはありません。どこかの月刊誌でオス同士の戦いに活用される様子が掲載されていましたが、あくまで”決まり手の一つ”という感じだったと記憶しています。長いツノのほうがケンカには少し有利かもしれませんが、糞に潜ったり穴を掘ったりするにはかなり邪魔になり、生きていくうえでマイナス面の方が大きいと思われます。にもかかわらず、あんなに長いツノを持つまでに進化したのは、メスから見てオスの長いツノはめちゃカッコよくて、メスが寄ってくるくらい魅力的なのではないかという説を考えてみました。
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 で、長いツノを持つ大型のオスと明らかにツノの短い小型のオス(写真1枚目)、そして普通サイズのメスの計3匹のゴホンダイコクコガネを30cmのプラケースで飼育を始めました(写真2枚目)。メスが大型のオスとペアになって穴を掘って地下室を作れば、上記の説の可能性があることになります。メスを巡るオス同士の戦いも目にすることができるかもしれません。
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 まあ、うまくいけばの話ですが、やってみないと何にも始まりませんからね。セットして1週間ですが、糞の表面にカビが生えてきました。が、どうしようもありません。地表に掻き出された土の量は僅かなので、穴を掘って潜んでいるだけのようです(写真3枚目)。その穴にはペアで潜んでいるのか?果たして期待通り大きなオスがメスをゲットできたのか?
 ところで、どうすれば確認できるんだろ?そこまで考えてませんでした。

今日はここまで。
また明日!

 日本最大の糞虫は、もちろんダイコクコガネ(Copris ochus)。ガッチリした身体に太いツノ。まさにキングオブ糞虫です。残念なことに、近年はイベルメクチンとかいう駆虫剤の影響もあり各地で激減し、近畿では大阪府で絶滅したほか、京都や兵庫でもほとんど見る事ができない糞虫になってしまいました。さて、地元の奈良県なんですが、『日本列島フン虫記』塚本珪一:著)の巻末にある「表C 奈良県フン虫リスト」(写真1、2枚目)を見てのとおり、これまで生息が確認されていません。ダイコクコガネは牧場のイメージが強く、シカだらけの奈良公園とは相容れませんが、50年くらい遡ればまだあちこちの農家で牛が飼われていたようですし、現在でも牧場があります。でも、これまで奈良ではダイコクコガネは見つかっていないというのが定説でした。これまでは、です。
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 先週、虫好きの人たちの集まりで、昔は奈良にもダイコクコガネがいたのではないかという話を耳にしました。詳細は不明ですが、たしかに55~60年前には『日本列島フン虫記』(塚本珪一:著)P142のリスト(写真3枚目)にあるとおり、ダイコクコガネは京都や大阪にいたわけですから、奈良にいたとしても不思議はありません。いると思って探すと、もしかすると見つけることができるかも。『日本産コガネムシ上科図説』(コガネムシ研究会:監修)によると、「・・・新鮮な牛糞から見つかることが多いが、シカ糞に依存している個体群もある。」とのことですから、この春以降、ヒメコマグソコガネクロツブマグソコガネに加えてダイコクコガネも探してみます。大きな角がカッコいいダイコクコガネとルリ色に輝くオオセンチコガネのツーショットが見られるかも、なんて考えるだけでワクワクしちゃいます。

今日はここまで。
また明日!

 以前、タイの衛生的で近代的な工場で糞虫の一種(Onitis sp)のフリーズドドライ製品がスナックとしてネットで売られていることをブログで紹介しましたが、どうやらタイの昆虫食事情はそんな生易しいもんじゃないらしいです。
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 現地で「クッチー・ヤイ」(大きな糞虫)と呼ばれるセアカナンバンダイコク(Heliocopris bucephalus)(写真1枚目)のこの糞玉は市場で売られていたもの(写真2枚目)で、3つで35円(2000年当時)。この中には、生きた幼虫がうごめいているとのこと。当然ながら食用。私もタイを旅行した時、屋台でタガメやバッタのフライとか佃煮みたいなのは見たことがありましたが、糞玉が食材になっているとは知りませんでした。もちろん中にいるムッチリした幼虫を食べるのであり、糞でできている糞玉そのものを食べるわけではありません。が、料理する際にまな板に糞玉がゴロンとのっていて、玉ねぎを切るように糞玉に包丁を入れる妻の姿を目にしたら、やはり衝撃を受けるでしょうねー。

 今日のブログのネタと写真は、昨年の9月、京都山科の牛尾山での「ミドリセンチコガネと土壌動物の観察会」(主催:渡辺先生と自然Wao!)でお世話になった渡辺弘之先生(京都大学名誉教授)にご提供いただいた資料(NEJIREBANE No.88 Jun.2000)からいただきました。先生からはそのほかにも、シバとシカと糞虫に関する示唆に富んだ資料等もいただいており、今後の観察のテーマとして意識していきたいと考えています。まぁ、私にできることはたかが知れてますが、課題や問題意識を次世代につなぐ役割を果たすことでお許しいただきたいと思います。

 ちなみに、渡辺先生はこのタイの糞玉を奈良県橿原市にある橿原昆虫館に寄贈されているので、興味のある方は事前に連絡して一生懸命お願いすれば見せてもらえるかもしれません。


それでは、明天見!






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