むしむしブログ

カテゴリ: ダイコクコガネ

 糞虫の観察会での一番人気はもちろんルリ色に輝くオオセンチコガネですが、たまにゴホンダイコクコガネも見つかることがあります。それが長いツノのあるオスだったりすると、まるで黒光りする芸術品のようで、皆さん大騒ぎ。異常な盛り上がりになります。ゴホンダイコクコガネは夜行性で、昼間は穴の奥に潜んでいるので、普通の観察会ではあまりお目にかかれないのです。
 カブトムシのように立派なオスのツノはどのように使っているのでしょうか?オスだけに長いツノがあるので、メスを巡るオス同士の戦いのため?か、メスにアピールして交尾するため?だと思うのですが、現場を見たことはありません。どこかの月刊誌でオス同士の戦いに活用される様子が掲載されていましたが、あくまで”決まり手の一つ”という感じだったと記憶しています。長いツノのほうがケンカには少し有利かもしれませんが、糞に潜ったり穴を掘ったりするにはかなり邪魔になり、生きていくうえでマイナス面の方が大きいと思われます。にもかかわらず、あんなに長いツノを持つまでに進化したのは、メスから見てオスの長いツノはめちゃカッコよくて、メスが寄ってくるくらい魅力的なのではないかという説を考えてみました。
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 で、長いツノを持つ大型のオスと明らかにツノの短い小型のオス(写真1枚目)、そして普通サイズのメスの計3匹のゴホンダイコクコガネを30cmのプラケースで飼育を始めました(写真2枚目)。メスが大型のオスとペアになって穴を掘って地下室を作れば、上記の説の可能性があることになります。メスを巡るオス同士の戦いも目にすることができるかもしれません。
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 まあ、うまくいけばの話ですが、やってみないと何にも始まりませんからね。セットして1週間ですが、糞の表面にカビが生えてきました。が、どうしようもありません。地表に掻き出された土の量は僅かなので、穴を掘って潜んでいるだけのようです(写真3枚目)。その穴にはペアで潜んでいるのか?果たして期待通り大きなオスがメスをゲットできたのか?
 ところで、どうすれば確認できるんだろ?そこまで考えてませんでした。

今日はここまで。
また明日!

 日本最大の糞虫は、もちろんダイコクコガネ(Copris ochus)。ガッチリした身体に太いツノ。まさにキングオブ糞虫です。残念なことに、近年はイベルメクチンとかいう駆虫剤の影響もあり各地で激減し、近畿では大阪府で絶滅したほか、京都や兵庫でもほとんど見る事ができない糞虫になってしまいました。さて、地元の奈良県なんですが、『日本列島フン虫記』塚本珪一:著)の巻末にある「表C 奈良県フン虫リスト」(写真1、2枚目)を見てのとおり、これまで生息が確認されていません。ダイコクコガネは牧場のイメージが強く、シカだらけの奈良公園とは相容れませんが、50年くらい遡ればまだあちこちの農家で牛が飼われていたようですし、現在でも牧場があります。でも、これまで奈良ではダイコクコガネは見つかっていないというのが定説でした。これまでは、です。
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 先週、虫好きの人たちの集まりで、昔は奈良にもダイコクコガネがいたのではないかという話を耳にしました。詳細は不明ですが、たしかに55~60年前には『日本列島フン虫記』(塚本珪一:著)P142のリスト(写真3枚目)にあるとおり、ダイコクコガネは京都や大阪にいたわけですから、奈良にいたとしても不思議はありません。いると思って探すと、もしかすると見つけることができるかも。『日本産コガネムシ上科図説』(コガネムシ研究会:監修)によると、「・・・新鮮な牛糞から見つかることが多いが、シカ糞に依存している個体群もある。」とのことですから、この春以降、ヒメコマグソコガネクロツブマグソコガネに加えてダイコクコガネも探してみます。大きな角がカッコいいダイコクコガネとルリ色に輝くオオセンチコガネのツーショットが見られるかも、なんて考えるだけでワクワクしちゃいます。

今日はここまで。
また明日!

 以前、タイの衛生的で近代的な工場で糞虫の一種(Onitis sp)のフリーズドドライ製品がスナックとしてネットで売られていることをブログで紹介しましたが、どうやらタイの昆虫食事情はそんな生易しいもんじゃないらしいです。
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 現地で「クッチー・ヤイ」(大きな糞虫)と呼ばれるセアカナンバンダイコク(Heliocopris bucephalus)(写真1枚目)のこの糞玉は市場で売られていたもの(写真2枚目)で、3つで35円(2000年当時)。この中には、生きた幼虫がうごめいているとのこと。当然ながら食用。私もタイを旅行した時、屋台でタガメやバッタのフライとか佃煮みたいなのは見たことがありましたが、糞玉が食材になっているとは知りませんでした。もちろん中にいるムッチリした幼虫を食べるのであり、糞でできている糞玉そのものを食べるわけではありません。が、料理する際にまな板に糞玉がゴロンとのっていて、玉ねぎを切るように糞玉に包丁を入れる妻の姿を目にしたら、やはり衝撃を受けるでしょうねー。

 今日のブログのネタと写真は、昨年の9月、京都山科の牛尾山での「ミドリセンチコガネと土壌動物の観察会」(主催:渡辺先生と自然Wao!)でお世話になった渡辺弘之先生(京都大学名誉教授)にご提供いただいた資料(NEJIREBANE No.88 Jun.2000)からいただきました。先生からはそのほかにも、シバとシカと糞虫に関する示唆に富んだ資料等もいただいており、今後の観察のテーマとして意識していきたいと考えています。まぁ、私にできることはたかが知れてますが、課題や問題意識を次世代につなぐ役割を果たすことでお許しいただきたいと思います。

 ちなみに、渡辺先生はこのタイの糞玉を奈良県橿原市にある橿原昆虫館に寄贈されているので、興味のある方は事前に連絡して一生懸命お願いすれば見せてもらえるかもしれません。


それでは、明天見!






 退職して奈良に戻ってもうすぐ丸2年、昨年スルーしてしまったので、このゴホンダイコクコガネ Copris acutidens には早く再開したいと思ってました。
 朝から若草山に登り、疲れた足で奈良公園を歩いていたら、いました。塊糞の横にちょこんと立派なオス(写真1枚目)が、私を待っていたかのように鎮座してました。来月、京都の学生さんが来てくれて、奈良公園を案内するのですが、彼らもゴホンダイコクコガネを見つけられたら、絶対嬉しいですよね。
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 林の中のマグソコガネの仲間は、チャグロマグソコガネ等の冬のマグソコガネはすっかり影を潜め、ヌバタママグソコガネ Aphodius breviusculus の季節になったようです。芝地では、木陰の塊糞にはまだクロツヤマグソコガネが頑張ってますが、日を遮るもののない芝生の上のシカ糞はほぼウスイロマグソコガネ Aphodius sublimbatus に占領されています(写真2枚目)。
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 春の日差しとはいえ、シカも木陰に逃げ込むほど暑さです(写真3枚目)。直射日光を浴びるシカ糞の中は蒸し風呂状態、そんな中素早い動きで次々に糞を粉々にしてくれるウスイロマグソコガネやナガスネエンマコガネ達には、ホント頭が下がります。緑の奈良公園が美しく保たれているのは彼らのお陰なのですから。


今日はここまで。
再見!

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