むしむしブログ

カテゴリ: エンマコガネ

 昨年の10月、何度か滋賀県に出かけて生きたヤマトエンマコガネを観察してきました。このあたりにはたくさん生息しているらしく、公園とか車道の脇とかのイヌ糞やタヌキの溜め糞からフツーに見つかりました。でも、奈良公園では見ることができなくなって久しい貴重な種類です。見つけた5匹を持ち帰り、悩んだ末にオス・メスの1ペアを標本に、3頭を飼育してました。11月に1頭を死なせてしまったので、残されたオス・メス1匹づつの飼育を続けています。11月末頃でも何度か姿を見かけたのですが、12月以降はさすがに気温が低いためかご無沙汰しています。ただ、12月に入れたシカ糞の塊や地表に新しい穴ができていたので、まだ生きている可能性が高いです。
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 私の1世代前の糞虫好きの先輩方は「若草山で野グソを一発かませば、何十匹も飛んで来たもんだ」なんていうほど奈良公園にも生息していたようです。1950年代までの話のようですが・・・。なぜ、いなくなってしまったんでしょうね。記録では、ヒト糞やイヌ糞、タヌキ糞を好むようで、シカ糞はそれほど好みではないのかもしれません。ホントにシカ糞ではダメなのか?この単純な小さな謎を解くために、私がこの秋に往復2時間かけて5回滋賀まで車を走らせ、連れて帰ってきたヤマトエンマコガネ。かつての飼育実験で、シカ糞を拒んで全滅したセマダラマグソコガネとは違い、何となくうまく生きているような感じなので、春まで掘り返さずそっと置いておくことにします。もし奈良公園のシカ糞で繁殖できるようなら、奈良公園から姿を消した謎がさらに深まるわけで、全然問題解決しないんですが、まあ、それはそれで良しとしましょう。

今日はここまで。
また明日!
 

 糞虫好きの大御所、塚本珪一先生はたくさんの糞虫に関する本を書かれていますが、その中の『日本列島フン虫記』には、塚本先生ご自身がフン虫学の師と仰ぐ 河野伊三郎氏と二人で1994年10月13日に楽しそうにミツコブエンマコガネを採集された時の様子が書き記されています。ミツコブエンマコガネは1990年の日本昆虫学会で「外国から日本に侵入したと推定される糞虫」として横井氏から報告されており、当時は同様の黄色い斑紋をもつヤマトエンマコガネと混同されていた例が散見されるなど、かなりのインパクトがあったようです。私は、この本を読んでミツコブエンマコガネに関心を持ち、2017年の5月と9月に兵庫県の夢前川に観察に出かけたのでした。しかし、本の中でお二人はいとも簡単にミツコブエンマコガネを見つけるのですが、虫を見つけるセンスのない私は大苦戦し、この時は2回とも夕方帰る直前に奇跡的に1匹だけ採集できたという、まるで伊三郎氏が私を可哀そうに思って天から遣わしてくれたような不思議な体験をすることになりました。
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 ただ、前の2回の観察で春と秋に成虫が出現することを私なりに確認できたので、今回は1993年9月に夢前川の西を流れる揖保川で伊三郎氏が採集したことの追体験を目指しました。さすがに三度目ですから、今回はバッチリ。干からびた犬糞の下の穴からオス・メス各1匹、メチャメチャ臭い獣糞(イタチ?)から大小4匹のミツコブエンマコガネ(写真1枚目♀、2枚目♀)を見つけることができました。一番多かったのはカドマルエンマコガネで、同じ獣糞から50匹以上見つかりました。河川敷の草地にはシカ糞もあちこちに落ちてましたが乾燥したものが多く、糞虫を見つけることはできませんでした。伊三郎氏は夢前川の東部を流れる市川(1994年10月)や台湾(1980年6月)でもミツコブエンマコガネを採集されています。
 河野伊三郎氏は1997年9月に亡くなられていますが、チャグロマグソコガネ(Aphodius isaburoi ← イサブロイ)やミツコブエンマコガネの名を聞くたびに私の脳裏によみがえり、今なお生き続けています。一度もお会いしたこともお話ししたこともないんですけど、不思議なご縁です。

今日はここまで。
また明日!

 茨城県の海岸で採集されたアラメエンマコガネをいただいて6/11から飼っているのですが、交尾・産卵の気配が見られません。餌としてシカ糞とヌマエビ・小魚の生干しを入れていますが、チビチビと食べているようですがガッツリ喰っている感じはありません。餌のすぐ近くに穴を掘って活動しています。たまに2,3匹がウロウロしており、まあ平穏無事にすごしているのかな、ぐらいに思ってました。いつも砂粒をつけた感じで動き回っていましたが、ニッコウコエンマコガネが体に汚れが付きやすいのと同じかな、と軽く考えてました。
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 実は、こういうことだったのです。身体についた砂粒みたいな汚れと思っていたものは、ダニ(写真1,2枚目)。糞虫にダニはつきものですが、裏側の脚の付け根等だけでなく背中にまで、しかも数えきれないほどたくさんのダニにたかられていたとは・・・。アラメエンマコガネは背中側にも剛毛がたくさん生えているので、ダニがしっかりと付着できるのかもしれません。身体が小さいので、完全に見落としていました。水で洗ったりピンセットで軽くこすったぐらいでは全く取れません。強くすると、アラメエンマコガネを傷つけてしまいます。無理やり剥がすのは諦めて、ダニが自分の意志で離れるようにするにはどうしたらいいか、考え中です。
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 エビや子魚の生干しが水っぽく、ダニの増殖を許していたに違いありません(写真3枚目)。気になってほかの飼育容器も注意深く観察すると、恐ろしい実態が・・・。それにしても、自然界で海岸に打ち上げられた生干し状態の魚の死骸にはダニはいないのでしょうか?いても糞虫の体に付着されない何かがあるのでしょうか? 奈良公園のオオセンチコガネの場合、春から夏にかけてくたびれてボロボロになった個体には多くのダニがついているような気がします。飼育すると大抵ダニだらけになります(オオセンチコガネの場合はブラシで洗い流します)。うちのアラメエンマコガネの飼育状態があまり良くなかったのが原因の一つと思います。また今回は、長雨や気温の急上昇、容器の通気性等々、今思えば、改善すべき課題が山積していました。今からでも、何とかこのダニ地獄から救出してやりたいと無い知恵を絞っています。よい方法をご存じの方、教えてください!よろしくお願いいたします。

今日はここまで。
続きはならまち糞虫館で!

 

 『日本産コガネムシ上科図説』(監修:コガネムシ研究会)の解説に「海浜の砂地に生息し・・・」と書いてあるアラメエンマコガネは、海無し県の奈良県民としては縁遠い糞虫と決めつけていました。が、なんと!今、私は同じ糞虫好きの方のご厚意で、アラメエンマコガネをならまち糞虫館で14匹飼育しています。図説で見る限りは、「毛むくじゃらのやや小型のエンマコガネ」と思っていましたが、実際に見てみるとホント小さいです。ヒメコエンマコガネよりも小さいくらい。しかもチビコエンマコガネのように動きが早く、毛がもさもさ生えてるか?なんて、そんなものは見る暇ありません。砂の中にすぐに潜ってしまいます。(写真1枚目オス,2枚目メス)
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 しかし拡大して見ると、剛毛がたくさん生えていることがよくわかります。チビコエンマコガネも毛が背中側一面に生えていますが、チビコエンマコガネの毛は身体に汚れが付くのを防いでいるのに対し、アラメエンマコガネの剛毛は逆に糞などの汚れが付きやすいので、「毛」が担う役割が違うのかもしれません。例えば、砂に潜る時に剛毛のおかげで楽に潜れるとか・・・。どんな実験をすれば、いいんでしょーね?アラメエンマコガネの全身脱毛して比較実験すれば、謎が解けるかもしれません。

今日はここまで。
また明日!

 奈良公園にはゴホンダイコクコガネという、立派なツノのある糞虫がいますが、それ以外はコブや出っ張り程度しかなく、ナガスネエンマコガネなんか何もないのが特徴になるほどで、ホント盛り上がりに欠けます。その点、このシナノエンマコガネなんか、カッコいいですよねー。オスの大型個体のツノなんてほれぼれしてしまいます。『日本産コガネムシ上科図説(食糞群)』(監修:コガネムシ研究会)によるとコブナシコブスジコガネと同じ★4つの希少種で、関東以北からの記録が多いが産地は激減しているらしいです。
 長野県の糞虫愛好家の方のご厚意で送られてきた貴重なシナノエンマコガネ、土をかなり乾燥気味のものに交換したところ、バタバタと死んでいたのがピタッと止まりました。
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 明るい所がよほど好きなのか、元気を取り戻した虫たちは昼間はプラケースの明るい側に皆大暴れしてます(写真1ま)。夕方になると一匹残らず土に潜ってしまいました。さあ、これからが本番、繁殖を目指して頑張ります(と言っても、シカ糞をあげるだけですけどね。)

今日はここまで。
また明日!

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