世界中がコロナウイルスのせいで混乱していますが、観光都市の奈良も大変な状況です。観光客であふれかえっていた商店街も閑散としており、桜がちらほら開き始めた奈良公園も、静かなもんです。シカも当てにしていた観光客がくれるシカ煎餅やお菓子をもらえず、車道の分離帯や街中まで食べ物を探しにやって来るようになりました。
 私はデータを持っているわけではありませんが、興福寺や東大寺周辺のシカ煎餅屋さんの近くには、ボテッとしたおはぎ型の塊の糞が多いと感じていました。ニオイが強く、糞虫の吸引力が強いので愛用していますが、これってシカの健康状態はどうなんでしょう?山の中に住むシカの糞はコロコロの粒糞なので、おはぎのようなねっとりした塊の糞をするシカの体調は、正常ではないのでは?
 一昨日、糞虫の餌にするシカ糞を集めながら興福寺の周辺を歩いたのですが、おはぎ型のシカ糞が激減してました!シカ煎餅の売上が半分以下にまで落ち込んでいるという売り子さんもいるので、原因はシカ煎餅なのではないでしょうか。
 奈良公園でシカ煎餅を与えるのは当たり前で、楽しくシカと遊ぶ、もしくはシカを可愛がることのように受け止められているようですが、私は野生動物に人間が食べ物を与えることは良い事だとは思いません。サル、キタキツネ、クマなど、人間に慣れた野生の動物は皆不幸になっています。お菓子はダメでシカ煎餅は良い、という栄養素とかの話ではなく、神鹿に対する信仰や文化の話でもなく、野生動物と人間のあるべき関係を冷静に考えれば、
どう接するべきかは明らかだと思うのです。
 シカ煎餅はフスマが主な原材料ですが、野生のシカが大量に毎日食べることはありません。販売する側がシカの「おやつ」と表現するのは、大量に食べると健康に良くないとの認識があるからでしょう。
 コロナの流行でシカの食べるシカ煎餅の量の急激な減少にあわせておはぎ型シカ糞が激減し、コロナの終息とともに観光客が回復し、それと共におはぎ糞が以前のように増えることが明らかになれば、あるべき関係に向けて一歩前進になるかもしれません。

今日はここまで。
週末、糞虫館で会いましょう!