糞虫館の館長をやっていると、世界のあちこちで糞虫を採集しているとか、日本のほとんどの糞虫を採集したことがあるとか思われがちですが、私は学生時代から奈良公園で糞虫を観察して楽しんでいる単なる糞虫好きなので、糞虫の専門家からすると驚くほど少ししか標本を持っていません。マグソコガネの仲間なんて『日本産コガネムシ上科図説(食糞群)』に書いてある以上のことはわかりませんし、星一つ★の最普通種と言われる種でも採ったことが無い種はたくさんいます。その中でもツノコガネは、長いツノがカッコいいしなんとか自分で捕まえたいと思ってました。
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 先月、糞虫館に来た子供のお父さんから三重県の高原にたくさんいるという情報をいただき、今月8/13にバケツ一杯の牛糞を車に積んで地図で見つけた高原に向かいました。シカ糞が確認できた場所を中心に小分けした牛糞を20か所ほど置いて回って、8/15に見に行くと40~50匹のツノコガネを見つけることができました!一番多かったのはツノコガネで、その次はオオセンチコガネとセンチコガネとゴホンダイコクコガネがそれぞれ20~30匹で同じくらい。マエカドコエンマコガネは数えきれないほどたくさんいましたが、カドマルエンマコガネやフトカドエンマコガネは数匹しか確認できませんでした。夕方で見落としたのかもしれませんが、マグソコガネの仲間は見つけられませんでした。ツノコガネは約9割がメスだったのが不思議なのですが、大小5匹のオスも採れたのでペアでお持ち帰りさせていただき、末永くならまち糞虫館で活躍してもらうことにいたしました。今乾燥中なので、早ければ来週にも糞虫館デビューです。
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 ツノコガネですから、多くの糞虫好きの方からすると珍しくもなんともないと思いますが、実にカッコイイ姿をしています。セオリー通り頭・胸・腹を水平にして標本にすると長いツノが寝てしまってイマイチなのですが、アゴを引いてツノを立てるとダイコクコガネにも劣らないほどカッコよくて、ずっと見ていられます。今回はコーフンしてしまい採集時にほとんど写真を撮ることができなかったのですが、次回は落ち着いてこの虫の魅力を最大限引き出せる1枚を撮りたいと思っています。還暦を迎えた大人をこんなにワクワク楽しませるなんて、すごいぞ!ツノコガネ、サイコーだぜ!糞虫。

今日はここまで。
週末は糞虫館で会いましょう!

【お願い】
 オープン7年目に突入したならまち糞虫館は「日本のすべての糞虫が見られる糞虫館になる!」ことを目指しています。まだ糞虫館に展示されていない種や数匹しかいない種をお持ちの方は、寄贈や預り等どのような形でも結構ですので、ご協力いただけるとありがたいです。ちょこっとタッパーに入れて持ってきてくださるのも大歓迎。私個人は遅かれ早かれいずれ朽ちてしまうので、今後は法人化、できればNPO法人を設立して未来永劫糞虫のすばらしさを伝えていくハブ施設にすることを夢見ています。ご支援・ご協力いただけると幸いです。